いじめられっ子は、異世界で幸せに

藤色

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 次の日。

 エミリーさんの話では、ルクレシア学園を出て、わたしにはまともな人生を歩んで欲しいとのことだった。

 ルクレシア学園とは、本来なら平民は入れない学校だが、特待生枠で一人だけ平民でも入れる学園だ。

 わたしは勉強なんてまともにできなかった環境だったので、初めての勉強なのでとてもワクワクしていた。(エリシアちゃんは勉強が嫌で逃げ出していたそうだが…。)


「さあ、エリー。私が貴族だった頃に使っていた教科書よ!少しだけれど……多分、なんとかなるんじゃないかしら。」
「あ、ありがとうございます……!!」

(きょ、教科書だ…!)

 元の世界にいたときは、もらってすぐに破かれていたから、触るのは久しぶりだ。

 どんなことが書いてあるんだろう、と試しに一つ、ペラっとめくってみる。


「…………」

(か、簡単過ぎ……。こんなの勉強しなくても分かるよ……。)


「あの……。これ、簡単過ぎじゃありません?」
「その教科書、確かこの中で一番難しいはずなんだけど……。ううん、モノは試しよ。この問い三を答えてみなさい。」
「5、ですね。」
「即答!?……答えは…あってる………。ま、まぐれかもしれないわ!この問い四は?」
「2です。」
「……。また、あってるわ……。」

 (?そんなにすごいのかな?)

 難しい勉強するのが楽しみだったわたしは、少し残念だったけど、ルクレシア学園へ無事に入学できるならいっか、とも思った。

  そう。主人公が元の世界でいじめられていた原因は、天才であることも理由の一つだったのだ。

 そして、主人公はそのことに気がつかない鈍感でもあった。


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