いじめられっ子は、異世界で幸せに

藤色

2


 目が覚めた。

 朝だった。

 また…朝、か。


 (あれ?わたし、殺されたはずじゃ……?なんでベッドにいるの……?)

 
 殺されたのに、わたしは生きている……!?

 もしかして、死にきれなかった?

 それなら、山奥にいるはずなのに……




 (ここは、どこなんだろう?)




 そういえば、目線も心なしか低い。

 それに、ベッドが、いや、部屋全体が質素だが、西洋風だ。



  ーーコンコン

 不意に、扉を叩く音がした。

 
「エリー?エリシア!もう朝よ、起きなさい!」
「……誰のことでしょうか?」

 どうやらわたしは、他の誰かと間違えられているらしい。

「何を寝ぼけているの?…もういいわ!入るわよ!」


 ーーガチャン

 誰か?が部屋に入ってきた。

 少しウェーブがかかった、雪のような白い髪。吸い込まれてしまいそうな青い瞳。少しキツめの顔立ちは、とても整っている。

 (あぁ、わたしも、こんな美人だったら、いじめられずに済んだのかな…?)


 「エリー、起きてるんじゃない。ほら、行くわよ。」


 少しキツめの顔の美人が私の腕を引っ張る。


「あの、わたし……エリーさんじゃ、ないんですけど……?」
「エリー、まーたそんなこと言って、逃げ出すつもりじゃないでしょうね!」
「あの、だから……「昨日だって、逃げ出そうとして、階段から転げ落ちたんじゃない!あの後貴女は気を失って、すごく心配したんだから……!」

 この人、苦労しているんだな…。

 というかエリーちゃん、階段から転げ落ちてまで、どうして逃げ出そうとしてたんだろう?

「とにかく、いくら勉強が嫌いだからって逃げ出すのはもうやめなさいよね!」
「は、はぁ……。」

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