ユニーク:憑依で聖龍王になりました!
35:至急ワイバーンの元へ
「レイト!早く向かった方がいいの!」
いつもあまり動じないエルが、眉間に皺を寄せている。
「エル?どうしたの?」
「助けて!って叫び声がたくさんきこえるの!」
広範囲の声を拾えるイヤホン型の魔道具で聞き取ったようだ。
「カーマさん。僕たち先に行ってます!」
「気をつけて行ってくるのよん。」
投げキッスをされて見送られた。
「エル!行こう!」
僕はエルを脇に抱えて走り出した。
☆☆☆
スタスタスタスタッ
森の中を高速で走り抜ける。
「本当はさっき助けて!っていってたのワイバーンたちなの!」
え?なんでだろう?
ワイバーンはこの世界でも強い種である。
しかも報告では群れでいたとのことだ。
「ワイバーンは集団で病気にかかったりしたのかな?」
ワイバーンたちは、自分の意志で動いているわけじゃないってことか。
「叫び声が聞こえたのは突然なの!多分外的要因が関わってるはずなの!」
「とりあえず急ぐに越したことはないよね。」
さらに僕は走るスピードを上げた。
そして走っていると何かが飛び回ったり、ぶつかったりしている音が聞こえた。
「見えたの!」
双眼鏡型魔道具を目に当てていたエルが先に見つけたようだ。
「もしかしてあれかな?」
まだ小さくてよく見えないけど2、30いや、50くらい、いるように見える。
「そうなの!」
ワイバーンたちのいる真下に着いたはいいが、人の姿のままでは飛ぶことができない。
「人化解除していい?」
「いいけど急ぐの!冒険者の討伐隊が来る前に済ませるの!」
確かにカーマさんが討伐隊組んだっていっていた。
「人化解除!」
僕は素早く人化を解除し、ワイバーンの元へ向かった。
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