10:ユニークモードを発動します！

朝日が眩しく木々の間から差し込んでくる。
「ん〜朝だ。おはよう。」


…………そうだった。リルさんは死んじゃったんだ。
泣きそう。
だが、僕は強く生きると決めた。泣いてばかりもいられない。
とりあえず起き上がろう。
ん？もうすでに木々のてっぺんが下の方に見える。んん？
僕の指うまく動かせないぞ。
おかしいな。聖龍のような鱗がびっしりと僕の足に付いている。

これはもしや………僕、聖龍になっちゃった？

[正解です。ユニーク:憑依の条件を満たした為、聖龍の憑依に成功しました。]

頭から急に声が響いてきた。君は一体誰？どういうこと？？そもそも憑依って何？？

[はい。順を追って説明します。まずユニーク:憑依の発動条件は
1無魔法を体全体に受ける。
無魔法は空間魔法、時間魔法の総称で、レイトさんは異世界に召喚されて1日目にその魔法を魔法陣の実験の為受けました。

2初めて会ったモンスターと会話をする
これは中々に確立が低いのですが…聖龍王エレクサリルドラゴンと会話をされたみたいですね。

3そのモンスターと30日以上過ごし、そのモンスターに認められる。
………。1ヶ月レイトさんは一緒に過ごされましたね。

4そばでそのモンスターの死を見送る。

5レベル1の状態である。

この5つが、発動条件です。]

うん。理解した。まるで僕の行動を予想していたかのような発動条件だな。

｛そうよ。これで賭けに勝ったわね。ふふふっ。私は天才美少jy[大変ご迷惑をお掛けしました。どうやら雑音が混じってしまったようです。]

ん？なんか他の人の声が聞こえたが…

[気のせいです。]

あっうん。空気を読んでそういうことにしておこう。

[では、憑依によってできるようになったことをお伝えします。こちらのアビリティをご覧ください。]

__________________

名前 レイト
種族 聖龍
職業 人・聖龍王
レベル 1

体 999900
魔 999900
魅 10000０

コモン  飛行・聖龍王のブレス・念話・魔眼
             全属性魔法
ユニーク  憑依 レベル2・人化

レジェンド 神々に気に入られたもの・限界を超えし者

__________________



「へっ？なんだこのありえないアビリティ。やばすぎる。一体何が起きたんだ？」

[まず、名前が変更されておりますが、真澄 冷斗のままだと、正体がばれ、召喚した王に捕まる可能性があったので変更させていただきました。

次に、職業 人ですが、これは、どんな生物になっても魔力を使わず、人化できるというものですね。ですから、安心して下さい。聖龍になったからって人に戻れないわけではありません。ただし人化した際の見た目は憑依したモンスターによって変化してしまう為、変化してしまいますが。

次に、体、魔が何故このような数値になっているかです。元々憑依した聖龍王本体はカンストした状態、つまり、体:9999、魔:9999、魅:100０の状態でした。ですが、「憑依」の効果により、人間の平均値100を基準とした時に、その値を、本人の値で割った数値がかけられるのです。つまり全ての値が50であれば、憑依したモンスターの数値の２倍の値になるということですね。
レイトさんは全て1だったので１００倍されました。]

こんなことあっていいのか…俺みたいな奴がいることは考慮に入れてなかったのかな？

｛レイトはいい人だがらいいのよ♪｝
[すみませんまた雑音が入ってしまいました。]

「気にしてないから大丈夫だよ。」

[ありがとうございます。では続きから話させていただきます。
コモンは種族特性によるものです。レイトさんは人型で使用できるものとできないものがあります。]

「使用できないものを教えて欲しい。」

[了解致しました。この中では飛行ができません。翼の部分だけ人化を解除していただければ、使用可能です。]

「レジェンドとは？」

[伝説級のスキルのことです。歴史上1人しか持たないもののことです。「神々に気に入られたもの」は、経験値２倍、運が良くなるといった効果があります。「限界を超えし者」はカンスト状態より上の数値になった者のことです。効果としては、カンストによる成長率の低下を防ぐものであります。]

「じゃあ、憑依ってその相手の能力を乗っ取れるということだね？ところで君は誰なの？」

[私は(くそでばかな)女神様の眷属である者です]

なんか悪口混じっていた気が…

「名前は？」

[ありません。]

「じゃあ、教えてくれる者っていうことでティーチって読んでいい？」

[………っ！名前をつけていただき、嬉しいです。これからもよろしくお願いします。レイトさんには特別に困ったとき呼んでいただければなんでも教えます。]

「それはありがたいな。何かあったら聞くかもしれない。」

「はい。是非是非。そろそろお時間ですので…。」

「おっけー！じゃあ、またねー。」


しかし、僕が聖龍になっちゃうなんて人生何が起こるかわからないなぁ。