刀神転生記~刀二本で異世界無双~

lux

5話 エルの家にて.....

 俺達5人は、ブロスさんのお誘いもありミラー領にある当人の家に来ていた。家に来る道中は魔物などは出てこなかったが、ミラー領に入った時の領民の反応がすごかった。ブロスさんを見た領民は全員が『はえ?』や『これは幻か?』など困惑を隠せない反応だった。連れ去られるのを見た領民たちなのだろう。そんな反応を背中に浴びながらブロスさんの家に向った。ついた家は他の民家とほとんど同じ大きさの家だった。領主の家なのだからでかいと思っていたんだけどな。
 
「ようこそトウヤさん!サクラさん!ソラさん!」

「お、おう、おじゃまします」

「お招きありがとうございます、エルさん」

「なんじゃエルよ、妙に気分が高ぶってはいないか?」

「え、そうですかね?えへへへへ」
 
 ソラの言うようにエルは妙にテンションが上がっていた。
 きっとブロスさんが生きているのを知って安心しているのだろう。

 「エルすまないがお茶を入れてきてくれないかい?
客室には私がおつれするからその間に。」

「わかった!それではトウヤさん、待っててくださいね!ギフトの説明をしないといけませんから!」

「ああ、わかったよエル。」

「では、こちらです」

そして、ブロスさんの案内の元客室に到着した。
サクラとソラはいつの間にか刀の状態に戻っていた。
刀でも疲れは貯まるのだろう。無意識のうちに念話で『ご主人~~、そこはだめですぅ~』や、『激しすぎるじゃ~~、主様許してたも~~』なんて寝言が聞こえてくる気がするが、気のせいだろう。
 俺とブロスさんは、対面のソファーに座り話をした。

「エルが来るまでの間、先にあの兵達について少し話させてください。あの兵達は帝国兵と名乗っていましたが違いました。」

やっぱりか。帝国兵とかいうぐらいなら人が飛ぶほど暴風が来たとしても、怯えずに陣形を立て直すぐらいできないとダメだろうな。

『いや、主様よ。普通そんなに冷静でいられるわけがなかろう。』

『そうですよご主人。そんな考えできるのはやばい戦闘狂や勇気と無謀をはき違えてる人とご主人ぐらいです』

む、失敬な。俺はそんなに戦闘狂じゃないぞ。勇気と無謀をはき違えてることもないし。ていうか、お前ら起きてたのか。

『ね、寝てなどいないぞ!
後者は、ともかく前者は確実に当てはまっておるよ』

『ソラさんの言う通りです』

「あのートウヤ殿?大丈夫ですか?」

「すみません、疲れが少し出てしまったようです」

「それはそうですな、あの森を出たのですから。疲れが出て当然でしょう。この続きはお茶の後にいたしますかな?」

「いや、お気遣いなく。続けてください」

「そうですか、それでは続きを。
奴らは犯罪集団の『覆神の使い』と呼ばれる者たちでした。最近帝国で名を馳せている集団で本人たちを装い騙し悪事を働いている集団です。」

「そのような輩だったのですか。ですが、なぜブロスさんは奴らの正体を?」

「それは、私のギフトのおかげですね。詳細は言えないのですが。このおかげて相手の事を知ることができました。」

なるほど、ギフト、かそれについては後でエルが教えてくるらしいな。俺が持ってるのは神になった特典みたいなもんだしな。もしかしたらこの世界に来た時にギフトを貰える.....訳ないか。
 にしても『覆神の使い』か、なんとなくどっかの神が関わってる感じするけど、神経質になり過ぎだな。

「少し話しが逸れてしまいましたね。話を戻しましょう。その『覆神の使い』は、どういう訳かエルが神霊の森で迷わないのを聞きつけて、エルを奪い神霊の森にあると言われている財宝を取りに行こうとしていたのです。」

なるほど、だからエルはあの森を抜けられたのか。

「ですが、なぜエルさんだけ?」
「それは.....」

何かあるのだろうか?きっと過去に何かあったんだろう。あまり思い出したくないようだし無理には言わせたくない。

「もし辛い話ならむりをなさらずに」
「いえ、大丈夫です。トウヤ殿は信用にあたいする人なので話しても問題はないでしょう。少し長い話になりますが聞いていただけますか?エルには、聞かれてはまずい話なので。あ、エルの事は心配いりません。あの子が入れるお茶は、美味しいのですが入れるまでに時間がかかるので。」
「わかりました、聞かせていただきます。エルさんにも伝えないと誓います。」
「ありがとうございます。それでは話させて頂きます。
 エルは物心がつく前に一度だけ神霊の森に入ってしまったことがあるのです。その時はエルの母、メルは生きていました。あと時私達は必死で探していましたが見つからず、唯一探せなかった神霊の森にメルは一人で入って行きました。私も追いかけたのですが領主が消えてはいけないと部下たちが私の代わりにメルを追いました。私は耐え切れず10分も待てずに、隙を見て森にはいろうとした時エルが一人で森から出てきたのです。私は泣いて喜びましたが、エルの様子が変でした。きっとエルに上位魔法の憑依をつかったのでしょう。その状態でエルが私に語りかけてきたのです。
『娘は返そうだが、その母と家臣たちは少し借りる、
娘には母は死んだと伝えろ。母親は"ある者"が来た時に返す』と。辛い気持ちでした。エルが生きていたことは非常に喜ばしいのです。ですが、メル達が生きているとわかっているのにに死んだことにしなければいけない事。それが辛くてくるしかったのです。」

『ウウウ悲しいですぅ』
『グスンっ、悲しいのぅ』
俺も若干泣きそう。流石に歳かもな。うううう

「また、話が逸れてしまいましたね」
「い、いえいえ、続けてください」
「わかりました。
私がエルの7歳の誕生日にメルについて教えました。
その次の日エルは、神霊の森に入ったと言い家に帰ってきました。友達と遊んでいた時に森の中に遊び道具が飛んでいったらしく、気づかずに入っていき、帰ってきたらしいのです。あの迷いの森に一歩でも足を踏み入れたら最後、もう出ることができないと言われているのに取ってすぐに出てきた。ありえないと思いました。ですが、本当でした。トウヤさんも体験したと思いますがあの森に入ったら距離感が狂います。」

確かに狂っていたな。エルが5ロトメールと言っていた道のりを見る限り俺にはそれ以上あると思ったしな。

「私も娘に連れられ強引に森に入れられました。まあ、当然のごとく私の距離感は狂います。」

『いや、エルさん大分アクティブですね』
『父親の命をとてつもなく軽く見てる感じがするの』
多分ブロスさんが本当の事を行っても信じてくれないから信じて欲しくて連れて行ったのだろうが、エルの行動力には少々関心しないところがあるな。

「ですが、エルだけは違うのです。エルは迷わず真っ直ぐに最短の出口に迎えたのです。その時は私は思いました。あの時言っていた、"あの人"を案内し出口に導く役目をエルは担っているのではないかと。ですので私はエルを厳しく育ててきました。例えどんなに酷なことが待っていたとしても強くいれるようにと。
すみません、また余計な話を」
「いえいえ、すごくいい話が聞けました。このことはエルさんには内緒にしておきます。それと、"あの人"については....」
「パパ、トウヤさん、お茶が入りましたよ。
一緒にクッキーとかどうですか?この前私が焼いたものなのですが....お取り込み中でしたか?」
「エル、ありがとう。トウヤ殿その話はまた後で。エルの入れるお茶とクッキーは本当に美味しいんですよ。これを食べながらエルの話を聞いてください」
「ありがとうございます、いただきます」

エルの入れたお茶は茶葉のいい香りを漂わせておりクッキーも甘い香りがお腹の虫をくすぶらせていた。
エルが俺とサクラ、ソラ、ブロスさん、自分の分を入れている間にサクラとソラ人型に戻っていた。ブロスさんには、家に来るまでの間に説明はしておいたので大丈夫だろう。
サクラとソラは耐えられず早速飲んでしまったらしく

「美味しい!エルさんすごく美味しいです!今度入れ方とクッキーの焼き方を教えてください!」
「良かったです。後で入れ方を教えますね!」
「確かに美味しいのじゃがの、妾は緑茶のほうが好みよの」
「ソラさん、勝手なことは言ってはいけませんよ?」
「なんじゃサクラ?人の好みに文句あるのかえ?」

また、喧嘩しちゃったよまあ喧嘩するほど仲がいいと言うし放置しておこう。眺めていたらお茶を飲むのを忘れていた。早速頂くと、スーと通って行くとても飲みやすいお茶でアイスティーに近い味がする。どこぞの女神の入れたお茶より何倍もうまい。クッキーも、サクッとした食感で程よい甘みが広がっていく。

「旨い」
「よかったです!」
エルはとても喜んでおり率直な感想だが旨いの一言では片付けられないほどの物がこの2つにはあった。
 しまった。こんなにほのぼのしてるのもいいけど本題に行かないと。お茶の入ったカップをおき、

「エル、早速ギフトについて説明してくれるかな?」
「わかりました。トウヤさん。では早速始めたいと思います」
「まず、ソラさんは自分勝手すぎるのです!」
「それを言うならお前さんだってドジばっかり踏んで...」
「二人ともうるさい少し黙って」
「すみませんご主人。」
「許してたもう主様よ。」
「ハハハ、一段落したところで説明をしてくれるかい?」
「わかってるよパパ、それではトウヤさんよく聞いててくださいね!
ギフトというのは、15歳になると人類全員に神から渡される特殊な能力のことです。魔法とは違い一人一人で能力が違い同じものはないと言われています。
ギフトにも2通りあり一つが戦闘に役立つ戦闘型、生産や輸送などで活躍する工業型があります。でも、稀に特殊型と言いどちらにも合うギフトの中でも特に特殊なものがあり、特殊型になると帝都に呼ばれ学園に通う事が義務付けられています。あと、これは共通のルールなのですがギフトを周りの人に教えて回ってはいけないんです。知られていいのは、司祭クラスの神官だけなんです。
ちなみに私は5日後15歳なのでどんな能力かたのしみなんです!」
「そうなのか、ちなみになんだかそのギフトを調べることは出来るのか?」
「はいできます。各領土にある神殿に行くと調べる事ができます。」
「ありがとうエル。いろいろわかってよかったよ。」
「い、いえそんなトウヤさんがわかってくれたなら良かったです」

エルの顔が赤いな少し熱があるんじゃないだろうか?
少し休ませたほうが良さそうだが、見た感じ元気だし大丈夫だろう。

「一通り話を聞いたところでトウヤ殿はこれからどうしますか?」

「そうですね、まずはー」

エルの方からブロスさんの方へ向き直り笑みを浮かべながら宣言した。



「『覆神の使い』とやらに洗いざらい吐いてもらい謝罪をさせるために、奴らを叩きの召します」

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