努力は才能、才能は堕落

ゆーD

第11話


「あ、それで俺はいる時間何をすればいいのかわからなくて」
「なにもしなくていいんじゃない?
 それも嫌なら私と一緒にAクラスの授業受けに行こう?
 3年生用のカリキュラムだけど単に1年生で受けているのを応用しただけだから難しくないと思うよ?」
「へぇ上級生のも受けられるのか。うん、行こう!」



 というわけで3年生の教室に来たわけだが後輩ということもあって女子生徒には可愛がってもらえてるわけだが男子生徒の怨嗟の視線が痛すぎる。

 よりによっておそらくこのクラスで1番可愛いであろうグループにいろいろ教えて貰っているわけでありがたい話ではあるがこれは少し精神的にくるものがある。

 授業内容もあくまで応用と言われていた通りでさほど難しくはないがステージ2の俺にはできない魔法ばかりであまり面白いものではない。

 術式は計算能力が必須になってくる。
 魔法の威力調節は基本的に計算を術式に組み込むことで調節できる。
 それが慣れれば感覚で補えるようになるし回数をこなすことで無詠唱にも高速で魔法を放つことも出来る。

 大虎は計算能力はずば抜けて高いがステージ2の性質上あまり強力な魔法は打つことが出来ない。

 そのためどんな魔法式でも計算はできるが使うことが出来ない。
 つまり全く面白くない状態なのである。
 魔法は放つことが出来、効果が出て初めて魔法と見なされる。
 ただ魔法式を完成させる程度では意味がないのだ。

 
  3年生Aクラスの生徒は大虎がステージ2ということは知っているため簡単な式しか渡さない。

 大虎のメンツを保とうとしてくれているのだがそれがまたつまらないしこれは昔改良に改良を重ねて威力を上級魔法まで上げたために出された瞬間に作業は終わっているも同然だ。
  ただこの改良式は闇光専用なので一般に出回ることはまずない。

 そして一緒に来た梓は何をしているのかというと完璧に寝ています。
 しかも教室に入って5分ほどで「今日の内容はわかったから寝るね~」と断言して寝始めたのだ。
 しかも皆それを気にした様子がないということは常日頃から寝てると推測できるしそれでいてテストの点数はいつも1位らしいから何も言わない方針なんだそうだ。
 
 ステージ格差がある中で最上位とはいえ寝るのは自殺行為なはずだがそれをやってのける未来の嫁に寒気がする。

「大虎くんこのやり方わかる?」
「あぁそれはこの術式のコピーを取りつつ、もう一つの術式を重ねることで魔法式は完成します」
「あぁ本当だ!ありがとう!!」
 この人はAクラスでトップクラスの可愛さを誇る安道美亜さんだ。
 赤髪で赤眼で強いイメージを連想させるが本人はマイペース型っぽくおっとりした性格だと読み取れる。
 この学校の制服が良く似合う人でそこにいるだけで癒しの存在となるだろう。
 
 ちなみに大虎はこの問題もすんなり解けたのだが周りの生徒はそうもいかずに苦戦していて早く終わっていた大虎に聞いてみたら答えてくれた程度だと思う。
 本当に応用なんだなと梓が寝る理由がよくわかった。

 それからは完全に教える側に徹していたが男子生徒からは殺気を飛ばされていたので避けながら手を挙げた人にだけ教えていた。

 学ぶのはいいことで覚えてるだけでそれは役立つ知識になる。
 が、この世にはデバイスという術式の読み取り感知器みたいなものがあってそれを介することでより早く魔法が放てるようになる。
 ただこの魔法式をデバイスに取り込む作業がめちゃくちゃめんどくさい。
 俺のデバイスは成長型。つまりなにもしなくても経験していれば使えるがずっと成長していく武器のため感覚がずっと初見のときと同じで使いにくく使ってる人は稀だ。
 皆のデバイスは大きくわけて特化型とホール型がある。
 特化型はその名の通り攻撃に特化しているか防御に特化しているかでとても使いやすいがデバイスを2つ以上使うと反発が起きるため相当魔法に精通していて魔力操作に長けている人しか2つ以上は使わない。
 そしてホール型は使い勝手は普通だが多くの魔法をこのデバイス一つで収容できる。ゆえに初心者から上級者まで多くの人が使っている。
 速度は特化型に対し少し劣るがホール型が今一番使われている型で様々な改良、開発が行われていて将来性もあるデバイスだ。

 特化型は特化しているために攻撃魔法であれば攻撃特化のデバイスはすぐに読み取る。それこそ数秒あればいくつもの魔法を読み取らせることが可能だ。
 しかしホール型はそうもいかない。
 様々な魔法が入り交じっているがその実中身ではしっかりと攻撃、防御、その他の魔法で識別して収容している。
 そのため読み取らせて識別させるまでが異様に長い。
 特化型が数秒に対しホール型は3時間ほどかかるしずっと魔力を入れ続けなければならないためにストレスが溜まる。

 購入時に業者が設定してくれるためある程度魔法は入っているが自身の使いたい魔法はこうしてデバイスに入れることになるがそうするとやはりめんどくさいの一言でこと足りるだろう。

 ほとんどの生徒は授業で受けた魔法をデバイスに入れているようだが今回受けた魔法は明らかに必要が無い。
 なんのための魔法だよこれ。
 複合魔法が使えなければ全く使えない砂利の発生魔法だ。
 複合魔法が使えればその砂利を飛ばすなり盾にするなりできるだろうが使えないものからしたらなんだこの魔法ってだけだ。
 それを3時間もかけてデバイスにいれるのは正直時間の無駄だしそれをやるなら複合魔法を覚えた方がこれからの魔法士生活のためになる。
 それでいてその惨めな魔法でデバイスの容量が取られてしまうんだぞ?

 この学校の生徒は知識を欲するあまり認識が違うのかもしれないが少なくとも戦場に出ている人間にこの魔法は必要かと聞けば10人中10人が必要ないと答えるだろう。

 意識改革か・・・・・・。
 とりあえずSクラスのところにいってみよう。
 そう思い梓を起こした。

「努力は才能、才能は堕落」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「学園」の人気作品

コメント

コメントを書く