背後の記憶

二重人格と


自分が感情的になる時が一番に消えたいと思う瞬間でもあった。
怒ったり泣いたりどうして?なんで?自分が責められた時はもちろんである。
すきでいる気持ちもまた。

気持ちはいつも弱かった自分は少し注意されるだけでも落ち込んでしまうほどであった。

家に帰って夜1人でいる時なんかは気持ちが追いつかなくて消えたいが頭の中でいっぱいになる。
同時に構って欲しくもなる。

こんな時にすきな人にヨシヨシされた記憶なんか微塵もないから自分を責め立てることしかできなかった。

そんなことが毎日だった中学時代は今思うと俗に言うメンヘラとう言うものだったのかもしれない。

中学時代がこんなだったせいか気持ちの中で弱い自分と理想の自分が出来上がるようになった。

周りが言うに自分は明るくて元気で悩みがなさそうな人らしい。
それを理想の自分として。
弱い自分は夜に自分にしか見せない部分となった。

弱い自分は毎日自分の気持ちを切り刻むような人だった。ダレモウケツケナイ。ジブンシカシンジナイ。タスケテクレルノハ……自分だけ。
それが弱い自分の口癖であった。

みんなに理想の自分ばかり見せていたわけではない。
気持ちが左右されたり感情的になるとこの弱い自分が出てくるのだ。

そう言う時は紙とペンを持って黙々と絵を描く。

やって行くうちに日常化してしまった。

弱い自分は理想の自分が支える。
理想の自分は決まって弱い自分を責めながら守っていた。
「お前は何も出来ない。塵のような人間なんだから黙ってそこに座っていろ。僕が君を守るから」
自分でもおかしな話だと思う。

でも不思議とそうすることで気持ちが安定するようになった。

二重人格の完成である。

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