最強になって異世界を楽しむ!
新しい仲間?
修行を始め、3ヶ月が過ぎようとしていた。
「ワタル、これで俺に教えられることは教えたつもりだ」
「今なら師匠だって倒せますよ」
「言ってろ。魔王軍の動向だが、あと3日もすれば王都に攻め入るだろう」
「師匠はどうするんですか?」
「俺は城に戻る。ラースには逆らえないからな」
2人は地下から地上へと出る階段を上りながら話す。
「ここでお別れだ。せいぜい死ぬなよ」
「当然。師匠も頑張ってくださいね」
「ああ」
短くやり取りし、2人は背を向けて歩き出す。
振り返ることはない。
また会えると、お互いにわかっているから。
* * *
「あれ……里が見えてる?」
それから数時間で魔女の里にたどり着いたワタルは、異変に気づいた。
普段は隠れている魔女の里が、今は姿を現しているのだ。
「マリー、居ないの?」
「あら、やっと来たのね〜」
里に入ったワタルを出迎えたのは、魔女の1人であるライラだった。
ライラはほわほわと柔らかい笑みを浮かべ、ワタルに近付いてくる。
「あ、ライラさん。マリーたちは?」
「それがね、先に王都に行ったのよ。もう戦争も始まってるみたい」
「は!?」
ワタルは驚きを隠せない様子で、大声を上げる。
戦争は予定ではもう少し先だったはずだ。
ロンドとも先程別れたばかりだというのに。
「魔王軍の先鋒隊みたいなんだけどね。今の王都はもう戦場よ」
メインの魔王軍はまだ王都に着いていないのだろう。
それでも、先鋒隊だけでもかなりの戦力があるはずだ。
急がなければならない。
「マリーはかなり前に王都に向かって、私はワタルくんを王都に送るように頼まれたの」
「わかりました。急いでお願いします」
「わかってるわ。動かないでね」
ワタルが一刻も早く王都に行こうと焦るが、ライラは既に転移魔法陣を完成させていたようで、ワタルにそう言うと魔法陣を起動させる。
そして、視界が切り替わった。
「王都までは3時間ぐらいで着くはずよ。急ぎましょう」
「はい」
都市に無事転移した2人は、王都に向けて走り出した。
* * *
戦争が始まる数時間前のこと。
エレナ、マリー、レクシア、ハラルの4人は王都に集合していた。
「はー、疲れたのじゃ」
「マリーちゃんは何してたの?」
「ひたすらほかの魔女と戦闘じゃな。習うより慣れろだそうじゃ」
「私とは反対だな」
「あ、そうだ。マリーにちょっとお願いがあるんですよ」
「ん? なんじゃ?」
4人で3ヶ月の期間のことを話していると、ハラルがマリーを庭に連れ出す。
そこにはワタルの夜想曲の剣と盾が置いてあり、魔法を使ったような跡がある。
「マリーって蘇生魔法に魔法陣使えます?」
「使えるが……何をする気じゃ?」
「ノクターンを復活させるんです。聞けば、ノクターンってかなり強かったらしいじゃないですか」
「正気か?」
マリーはハラルのその提案に、思わずそう返してします。
「ノクターンに前の魔王への忠誠があれば、味方になってくれると思いますよ。今は戦力がほしいです」
「もし暴れたらどうするんじゃ」
「私が抑えるので、転移魔法陣で遠くに飛ばしてください。そこで倒しますから」
ハラルはすらすらとマリーの質問に答えていく。
「……本気?」
「本気ですよ。ほら、早くやってください」
「う、む……まあ、4人なら勝てるじゃろ」
ノクターンはちゃんと理性があって話ができる。
最悪、話している間に遠くに飛ばして倒せばいいかと考え、マリーは魔法陣を展開する。
「条件も満たしておるし、多分いけるじゃろう」
蘇生魔法の条件は、蘇生したい対象の体の一部があること。
夜想曲の剣と盾はノクターンの腕から作られたものなので、問題はない。
成功率は魔法使いの腕にもよるが、マリーならばそれも問題なしだ。
かくして、蘇生魔法は成功する。
「んー……眩しいっすね」
夜想曲の剣が輝いて形を変えたと思うと、次に現れたのは裸の人間の女性だった。
いや、彼女は魔王軍幹部のゾンビ、ノクターンだ。
「蘇生した感覚はどうじゃ?」
「あ、誰かと思えば前戦った魔女じゃないっすか。蘇生ってどういうことっすか?」
「詳しくは中で話すから、さっさと入るんじゃ」
マリーはノクターンを家にあげ、服を着させてこれまでの経緯を話す。
「フィナ様が殺されたって本当っすか」
「その男が言うには、じゃがな」
「そうっすか……」
ノクターンは俯き、その表情はマリーたちにはわからない?
「ノクターン?」
「マリーって言ったっすね。蘇生感謝するっすよ」
「ちょ、どこに行くんじゃ」
礼を言って席を立ち、家を出て行こうとするノクターンをマリーが慌てて止める。
「そのラースってやつを殺しに行くんすよ」
「お主は前の魔王の忠臣なんじゃな?」
「そりゃそうっすよ。フィナ様は優しくてかっこよくて、私の生きる理由っすからね。だからこそ、フィナ様の仇は私が討つっすよ」
最初は自慢げにフィナのことを話していたノクターンだが、だんだんと怒りがこみ上げてきたのか、殺気を周囲に放ちながら拳を握りしめている。
「なら私たちに協力してください」
「あんたは?」
「ハラルです。初めましてですね。それで協力のことですが、もうすぐ魔王軍がこの王都に攻めてくるはずです」
「それは間違いないんすね?」
「はい。ですから私たちと協力して、今の魔王を倒してくれませんか」
ハラルの提案に、ノクターンは少し悩む素振りを見せたが、すぐにパッと笑顔を浮かべる。
「足でまといなら遠慮したいっすけど、私を倒すぐらい強いっすからね。喜んで協力するっすよ」
「ありがとうございます」
「そういえば、私を倒した人間はどこっすか?」
「ワタルくんはまだ帰ってきてませんよ。あ、私はレクシアです」
「なら今のうちに私が知ってる情報話してあげるっすよ。ほかの幹部の情報とか」
ワタルは不在のままだが、ノクターンは今いる4人に自分の知っている魔王軍の情報を話し始める。
そしてその数時間後、王都にけたたましいサイレンが鳴り響いた。
「ワタル、これで俺に教えられることは教えたつもりだ」
「今なら師匠だって倒せますよ」
「言ってろ。魔王軍の動向だが、あと3日もすれば王都に攻め入るだろう」
「師匠はどうするんですか?」
「俺は城に戻る。ラースには逆らえないからな」
2人は地下から地上へと出る階段を上りながら話す。
「ここでお別れだ。せいぜい死ぬなよ」
「当然。師匠も頑張ってくださいね」
「ああ」
短くやり取りし、2人は背を向けて歩き出す。
振り返ることはない。
また会えると、お互いにわかっているから。
* * *
「あれ……里が見えてる?」
それから数時間で魔女の里にたどり着いたワタルは、異変に気づいた。
普段は隠れている魔女の里が、今は姿を現しているのだ。
「マリー、居ないの?」
「あら、やっと来たのね〜」
里に入ったワタルを出迎えたのは、魔女の1人であるライラだった。
ライラはほわほわと柔らかい笑みを浮かべ、ワタルに近付いてくる。
「あ、ライラさん。マリーたちは?」
「それがね、先に王都に行ったのよ。もう戦争も始まってるみたい」
「は!?」
ワタルは驚きを隠せない様子で、大声を上げる。
戦争は予定ではもう少し先だったはずだ。
ロンドとも先程別れたばかりだというのに。
「魔王軍の先鋒隊みたいなんだけどね。今の王都はもう戦場よ」
メインの魔王軍はまだ王都に着いていないのだろう。
それでも、先鋒隊だけでもかなりの戦力があるはずだ。
急がなければならない。
「マリーはかなり前に王都に向かって、私はワタルくんを王都に送るように頼まれたの」
「わかりました。急いでお願いします」
「わかってるわ。動かないでね」
ワタルが一刻も早く王都に行こうと焦るが、ライラは既に転移魔法陣を完成させていたようで、ワタルにそう言うと魔法陣を起動させる。
そして、視界が切り替わった。
「王都までは3時間ぐらいで着くはずよ。急ぎましょう」
「はい」
都市に無事転移した2人は、王都に向けて走り出した。
* * *
戦争が始まる数時間前のこと。
エレナ、マリー、レクシア、ハラルの4人は王都に集合していた。
「はー、疲れたのじゃ」
「マリーちゃんは何してたの?」
「ひたすらほかの魔女と戦闘じゃな。習うより慣れろだそうじゃ」
「私とは反対だな」
「あ、そうだ。マリーにちょっとお願いがあるんですよ」
「ん? なんじゃ?」
4人で3ヶ月の期間のことを話していると、ハラルがマリーを庭に連れ出す。
そこにはワタルの夜想曲の剣と盾が置いてあり、魔法を使ったような跡がある。
「マリーって蘇生魔法に魔法陣使えます?」
「使えるが……何をする気じゃ?」
「ノクターンを復活させるんです。聞けば、ノクターンってかなり強かったらしいじゃないですか」
「正気か?」
マリーはハラルのその提案に、思わずそう返してします。
「ノクターンに前の魔王への忠誠があれば、味方になってくれると思いますよ。今は戦力がほしいです」
「もし暴れたらどうするんじゃ」
「私が抑えるので、転移魔法陣で遠くに飛ばしてください。そこで倒しますから」
ハラルはすらすらとマリーの質問に答えていく。
「……本気?」
「本気ですよ。ほら、早くやってください」
「う、む……まあ、4人なら勝てるじゃろ」
ノクターンはちゃんと理性があって話ができる。
最悪、話している間に遠くに飛ばして倒せばいいかと考え、マリーは魔法陣を展開する。
「条件も満たしておるし、多分いけるじゃろう」
蘇生魔法の条件は、蘇生したい対象の体の一部があること。
夜想曲の剣と盾はノクターンの腕から作られたものなので、問題はない。
成功率は魔法使いの腕にもよるが、マリーならばそれも問題なしだ。
かくして、蘇生魔法は成功する。
「んー……眩しいっすね」
夜想曲の剣が輝いて形を変えたと思うと、次に現れたのは裸の人間の女性だった。
いや、彼女は魔王軍幹部のゾンビ、ノクターンだ。
「蘇生した感覚はどうじゃ?」
「あ、誰かと思えば前戦った魔女じゃないっすか。蘇生ってどういうことっすか?」
「詳しくは中で話すから、さっさと入るんじゃ」
マリーはノクターンを家にあげ、服を着させてこれまでの経緯を話す。
「フィナ様が殺されたって本当っすか」
「その男が言うには、じゃがな」
「そうっすか……」
ノクターンは俯き、その表情はマリーたちにはわからない?
「ノクターン?」
「マリーって言ったっすね。蘇生感謝するっすよ」
「ちょ、どこに行くんじゃ」
礼を言って席を立ち、家を出て行こうとするノクターンをマリーが慌てて止める。
「そのラースってやつを殺しに行くんすよ」
「お主は前の魔王の忠臣なんじゃな?」
「そりゃそうっすよ。フィナ様は優しくてかっこよくて、私の生きる理由っすからね。だからこそ、フィナ様の仇は私が討つっすよ」
最初は自慢げにフィナのことを話していたノクターンだが、だんだんと怒りがこみ上げてきたのか、殺気を周囲に放ちながら拳を握りしめている。
「なら私たちに協力してください」
「あんたは?」
「ハラルです。初めましてですね。それで協力のことですが、もうすぐ魔王軍がこの王都に攻めてくるはずです」
「それは間違いないんすね?」
「はい。ですから私たちと協力して、今の魔王を倒してくれませんか」
ハラルの提案に、ノクターンは少し悩む素振りを見せたが、すぐにパッと笑顔を浮かべる。
「足でまといなら遠慮したいっすけど、私を倒すぐらい強いっすからね。喜んで協力するっすよ」
「ありがとうございます」
「そういえば、私を倒した人間はどこっすか?」
「ワタルくんはまだ帰ってきてませんよ。あ、私はレクシアです」
「なら今のうちに私が知ってる情報話してあげるっすよ。ほかの幹部の情報とか」
ワタルは不在のままだが、ノクターンは今いる4人に自分の知っている魔王軍の情報を話し始める。
そしてその数時間後、王都にけたたましいサイレンが鳴り響いた。
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コメント
コーブ
エピソード「新しい仲間?」
後半に蘇生されて再登場するノクターンに話かけたセリカさんとは一体何処の誰だよ(笑)