アクアリウムの思い出

ノベルバユーザー133681

2話

今日は高校3年生の初登校日。つまりクラス替えだ。
そんなに学年に友達が多い方ではないので今日はとても重要。

クラス替えの紙を見た。8組の22番。この高校は男子女子の順であいうえお順で出席番号が決まる。相田って苗字だからほぼほぼ1番。この高校でも3年間女子の1番だった。

「梨花〜!クラス一緒だよ!」
部活の友達の佐藤果歩が話しかけてきた。
「え、ほんと?友達いないか不安だったから嬉しい〜!よろしくね」
入ってる部活はバドミントン部。運動部なのに結構緩くて個人的には好き。その中の1番仲良しと言ってもいい彼女と同じクラスで安心した。
「よろしく!由依も同じなんだよ!」
「え〜!やったやった!」
もう一人仲の良い木村由依も一緒だった。部活ではこの3人でいることが多い。その3人が同じクラスなんて最高だった。
2人とは部活がきっかけで友達になった。休みの日には遊んだり、学校から一緒に帰ったり。高校生活を1番共有してきている友人だ。その2人と最後の1年を過ごせるのは本当に嬉しかった。

初登校日はもちろん始業式。校長の長い話を聞いてホームルームで自己紹介をして終わり。早く終わるので午後はまるまる部活。
終わった後はクラスの誰がカッコいいかといった話をした。まあみんなこういう話大好きだからね。男子もしてるんだろう。

「ごめん、今日予備校だからもう行くね!おつかれさま!」
「うん、おつかれ〜!また明日ね」
春休みから予備校に通い始めた。行きたい大学があって一般受験することを決めたからだ。正直遅すぎるスタートで焦っている。
だからどんなに疲れていても予備校に行くことにした。

今日は授業がなかったから閉館時間ギリギリまで自習をした。カードを切って出ようとしたら同じ高校の制服をきた見覚えのある男の子が声をかけてきた。
「8組だよな?俺、大井っていうんだけど覚えてる?」
大井・・・確か陸上部の男子だったような・・・
「陸上部だっけ?」
「そうそう!まさか予備校同じとはね(笑)まあ高校から1番近いからそりゃ多いか(笑)」

これが彼、大井雅信との出会いだった。

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