最弱天職でなんとか生きていきます!

黄泉津狐

3話 ダンジョン 後編

「ねぇーカム、これからどうする?」

「う〜ん、今からダンジョンに行くと夜になっちゃうしな〜」

「じゃあ、今日は宿に泊まって明日行こうよ!」

「そうしようか」

「あっ、カム!ちょうどあそこによさそうな宿があるよ!」

「本当だ!あそこにしよう」



「あっ!おかあさん!おきゃくさんがきたよ!」

「本当だねー!いらっしゃい。随分久しぶりのお客さんだよ」

「え、そうなんですか?結構大きい宿なのに」

「昔に少し人気が出たのよ。今はこれだけどね」

彼女の言う通り、中は物寂しそうで人は1人もいなかった。中が広いことを考えると昔に人気が出たと言うのは本当だろう。でも、どうして人気が無くなったのだろうか。

「どうして人気が無くなったんですか?」

「とても有名な人が泊まったから人気が出たんだけど、その人がやっちゃいけないことをやってね。それで人気が無くなったのさ」

「なら、私たちが人気にさせてあげます!私たちがんばって有名になるので楽しみにしててください!」

「レナっ!?ど、どうやってなるんだよ!」

「後から考えればいいよ」

テキトウだなぁ〜

「まぁ、じゃあ楽しみにさせていただきます」

「たのしみにさせてもらいます!」

「今日は泊まるんでしょう?この宿では朝食と夜食があるわ。朝食は7時から10時まで、夜食は17時から22時までよ」

じゃあ夜食を食べて、すぐに寝よう!

「では、夜食を食べてから部屋に行きます。あっ、部屋は2人部屋でお願いします」


ご飯は、はっきり言って……とても美味しかった。料理だけでも人気になると思うんだけど。なんでだろう?




「よし!レナ!ダンジョンに行こう!」

「そうだね!ご飯も食べたし」

ダンジョンはダンジョンマスターと呼ばれる人たちによって作られたらしい。ダンジョンは全部で7個あって、それぞれ難しさが違うらしい。今回行くダンジョンは1番簡単な場所だ。

「GCを見せてください………はい。たしかに拝見しました。ダンジョン内での出来事は自己責任となりますのでお気をつけください」

ダンジョンの中は外と比べると暗い。それに少しひんやりとしている。このダンジョンで、出てくるモンスターはスライムやゴブリン、コボルトといった一般的な雑魚モンスターだ。このダンジョンは始まりの迷宮と呼ばれていて、初心者向けのダンジョンになっている。

「カム、モンスターはあまり出てこないね」

そうなのだ。さっきから全然モンスターが出てこないのだ。なぜだ?

「あっ!やっと見つけた!」

見つけたモンスターはスライムだ。

「ねぇ、カム。《召喚士》ってどうやってテイムするの?」

そう。《召喚士》はモンスターをテイムしなければならないのだ。

「調べたら、強さを認めさせるとしか書いてなかったんだ。たぶん攻撃して認めさせればいいと思う」

「じゃあ、カム!がんばって!」

のろのろと動くスライムにカムが襲いかかった。カムは手に持っている村から持ってきた剣でスライムを斬りつけた。スライムはその剣を体に刺さったまま、溶かそうと動く。しかし、カムはその剣をスライムから抜きモンスターの核と言われる場所に突き刺さした。スライムは1度身震いし、溶けてしまった。魔石を残して。
そう、倒してしまったのだ。つまり、テイムは出来なかったことになる。

「クソっ!やっぱりテイムって難しいな」

不意に、カムは体から力が湧き上がる感覚を覚えた。

「?レナ、なんか強くなった気がするんだけど何か知ってる?」

「それは、レベルアップね。天職にはレベルがあってモンスターを倒すと上がることがあるのよ」

「そうなのか。じゃあ、当分は倒すことにしようかな。テイムは難しいし」

「そうだね。そうしよっか」




ガァァァァァァァ!!!!!

「なんだ!?今のは!」

「わからないよ!!でも今のはこのダンジョンには存在しないモンスターだと思う」

「どうする?ギルドに報告しに行くか?」

「どうしよう。確認した方がいいのかな?」


ドンドンドンドン!!!!!

「ッ!?来たぞ!!」

暗闇から現れたモンスター
それは青い色の人型をしたゴブリンに似たモンスターだった。

「カムッ!!!あれは……オーガだよ!!今の私たちじゃ勝てない!!」

「ッ!!仕方ない!逃げよう!!」

カムたちは逃走を開始した。幸い、カムたちは陰に隠れて見ていたから直ぐには気付かれなかった。だが、逃げている時に音がしたため、オーガに気付かれてしまった。

「オーガがこっちに気付いたぞ!」

「まずいよ!早く報告しに行かないと」

レナによるとモンスターにはランクがあってGCと同じランクがあるらしい。その中でもオーガはVIIらしい。かなり強力だ。だがオーガは1回ごとの動きが大きいため、避けやすい。しかし避けきれなければ一撃で死んでしまうだろう。

「カム!追いつかれて来た!」

「ッ!仕方ない。レナ!先に報告に行け!俺はこいつを引きつける!」

「無理だよ!!あれは強すぎるよ!それにカムは《召喚士》でしょ!?」

「でもっ!このままだと俺たちは死んでしまう!なら、俺がやるしかない!レナより俺の方が向いてるしな!」

「ッ〜〜〜〜〜!!!わかった!!カムッ!絶対に死なないでね!すぐに報告してくるから!!」

「おう!!」

レナの前では、カッコつけちゃったけど、どうしようかな。死ぬわけにはいかないしな。とりあえず隠れる場所を探そう!まともにやりあったら死ぬだけだから。

「こっちだ!青い脳筋め!」

オーガは言葉がわかるのか、憤慨し、カムを追いかけ始めた。
さあ、筋肉野郎。鬼ごっこの始まりだ!



〈レナ〉

もう!どうしてこの始まりの迷宮にオーガがいるの!?それにカムが足止めを………急がなきゃ!!

ギルドの扉を開ける。

「あの!始まりの迷宮にオーガがいました!」

「なんだって!?」

「急いで討伐隊を編成しよう。それで君といつも一緒にいる男の子は?」

「カムはオーガの足止めをしています。なので急いでほしいんです!」

「そうなのか。まずいね。討伐隊を組んでる暇はない」

「何やら大変なことになってるみたいだな!」

「ディートさん!!あの、カムがオーガの足止めをしているんです!助けてくれませんか!?」

「そうなのか。カムが……わかった!行こう。討伐隊を組んでる暇はないんだろ?じゃ、俺とここにいる奴らで行くぞ」

「ありがとうございます!」

カム、絶対に生きててね。死んでたら許さないんだから!!






前編、後編に分けてしまい本当にすみません。読みにくいところがあればコメントで言ってくだされば直します。フォローやコメントお願いします。

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