不幸な男は異世界で最強になったようです

大島 こうのすけ

38#複雑な恋

今回は告白×3な回です



あれから俺は考えた、一夜通しで考えたが未だに結論が出てこない。エレナが俺に好意を持ってくれているのは分かるがどうしたらいいのか.......
正直に答えてやるのが手なんだと思う。でも俺は彼女に対しては仲間としての認識ということでありそんな目で見たことは一度もない。
ということで朝からリーナに相談をしていた。


「なぁリーナ、俺どうしたらいい?」

「私に聞かれても知らないよ〜。久しぶりに話せたと思ったらそんな事?」

「そうだよ。そんな事なんだよ......。どうしたらいいんだ......」

「正直に伝えたらいいんじゃない?そうしたらエレナ様も分かってくれるんじゃないかな」

「いやそれも手なんだろうけどさ、何か違うんだよ」

「何か違う?」

「......何か違うんだ。想いを伝えたいけどそうじゃなくてな.......この気持ちはなんなんだろう」

「もう焦れったいな!私はもう知らないよ!」

「ちょ、リーナ!」

「でもね、こんな時にいう私も悪い人だけどこんな時だし言っちゃうね。私もショウタが好きよ。じゃあね!」


彼女はそのまま扉から出ていってしまった。
待ってくれ、それはせこいだろ!うそやんもぉぉぉぉ!


「それはずるいよぉぉぉぉぉ!」


俺の叫びは虚しく部屋に響くだけだった。



なんか俺もう、なんも信じられないわ.......二人から好意持たれてるのは嬉しいけどさ、美少女だし。これでミリアもだったら俺もうダメかもしれない。流石に自信過剰かハハッ。


「はぁ.......」

「どうされました?マスター」

「もう、疲れたよミリアッシュ」

「私は某アニメの犬ではございませんよ」


さっきの通じるのか、意外だったな。まぁそんなことよりもだ


「俺もうどうしたらいいかわかんにゃい」

「だから最もなのは各自の方々に気持ちを伝えるべきかと。まぁ、四人は大変でしょうけど」

「ん?今4人て......」

「な、仲間の他の4人の方々は今頃どうしていらっしゃるのでしょうかという意味ですよ!ハハハ....」

「あ、そういうことな。てかリーナにもそれ話したけど最終的に告白されたからな......ミリア、お前だけは信じてるぞ」

「むー、なんですかその私を女として見てないような言い方は〜」


ミリアは少しムッとしたように頬をふくらませてジト目でこっちを見てきた。


「いや、これでもうお前まで来たら俺は人間不信になるぞ」

「私は人間ではないのでエルフ不信ですね♪」

「誰がうまいこと言えと」

「まぁ、私はマスターにそんな気持ちはないですよ。私がマスターに抱く感情はいつも尊敬です。間違っても恋に落ちるなんてことはありません」

「なんか傷ついたけどありがとう。でさ、どうしたらいいと思う?」

「先程述べた通りの事なんですが.......マスターはどうされたいのですか?」

「俺がしたい事?俺は二人を悲しませることはしたくない。かと言って一夫多妻制をするのは違うと思うし.....はぁ〜分かんねぇ!」

「やっぱりマスターはマスターですね。とても優しくてとてもかっこいいです」

「そうか?自分で自負してるつもりはさらさらないが?」

「マスターはすべてにおいてカッコいいです。さすが私のマスターです。そしてマスターはかっこいいけど女の子の気持ちをわかっていません」

「どゆこと?」

「エレナさん達は自分が好きだから告白したわけです。つまり自分を愛してほしいから告白したわけなんですよ?なら一夫多妻制で全員を愛すということも出来るわけです」

「そう、なのか?いやそれもそうだな」

「そういうことですよ。マスターがどうされるかによって変わってきますが」

「俺のいた村では一夫多妻制は認められてない。誰かと付き合ったらその人を愛し、その人だけを見ていかないといけない。もしほかの人を愛すなんてことをしたら浮気という名目で捕まるんだ」

「そうなんですねぇ.......でもここはそんなマスターの村の法律などありませんからご自由にすれば良かれと思いますよ?」

「そうなんだけどなぁ〜まぁ考えるよ。ありがとなミリア」

「いえいえ、私はいつまでもマスターの味方ですから」


俺は扉を出てとりあえず外を散策することにした。


「ふふふ.......あと2頑張ってくださいね、ますたぁ♪」


ミリアが人の悪い、もといエルフの悪い笑を零した。




というわけで俺は外を散策していた。今日も美味しい店を探す〜とは行かないな。めちゃくちゃ乗り気じゃないし。


「ショウタ〜!」

「エミリ?どした」

「いや、見つけたから。どこかに行くの?」

「いやぁ?別に暇だからブラブラするだけだ」

「鍛錬とかしないの?」

「(いまそんなことできるわけないだろ............」

「ん?なんて?」

「い、いやなんにも言ってないさ。鍛錬は今日はなんか気が乗らないからな?」

「そう?ならいいけど」

「お前はどうなんだ?どっか行くのか?」

「お買い物よ。丁度いいし付き合ってよ」

「お前な.....まぁいいかエミリの可愛いものを買うところを見ていてやろう......ふふふふ」

「キモい、死ね。さぁ行きましょう」

「ひっ、酷い!まぁ行こうか」


エミリの反応も変わってきたよなぁ.....さて、言うべきか言うまいべきか。
俺たちは服屋に来ていた。もちろん今はエミリが大量に選んだ服の試着待ち。


「ショウタこんなのどう?」

「お、いいじゃんか。さすが普段から持ってるだけあるな!


エミリが最初に着て見せてくれたのは白く、つばの広い帽子と白いワンピース、下には茶色のブーツ。今は冬なのによく半袖でいれるわ。


「それじゃ次、これ!」

「おお〜いいね!」


次に出てきたのは茶色のコートに黒色のセーター、紺色のジーパンだった。
とても大人びて見えた。てかこの世界にもこんなのがあるんだな、驚きだわ。今度買いに来るか。


「これどう?」

「いいじゃんか」


次は灰色のパーカーと黒色のズボン、フードを被ってワインレッドの眼鏡をかけた姿。これも結構大人びて見える。というかどこのニート服だよそれ。


「こ、これで最後......どう?」

「いいんじゃな........!?」


俺は言葉を失った。うさみみの赤色に近いピンクのパーカーで下は赤と黒のチェック柄のスカート、下は黒のニーソックスで太ももがムチッとしていてエロい。靴は学園で履くような黒色の靴。まさに可愛いと言ったところだ。


「最高だぜそれ......やばいな」

「そ、そう?あ、........ありがと」


やっぱり可愛いなこいつ。もう着替えるみたいだがもっと見てても飽きねぇなこれ。
結局エミリはさっき着た服と小物すべてを一気にお買い上げ。さすが貴族だ。
あの後エミリは用事があると言って屋敷と逆の方向に走っていったので、俺は屋敷に帰り自室で二人のことを考えた。


「もうどうすればいいんだろな俺。自分で自分がわかんねぇわ」


考えていたらいつの間にか夕食になったが体調が悪いと食べるのを拒否し、そうそうに風呂に入って自室で考えていた。
夜11時を過ぎた頃だろうか、ドアがノックされエミリがドアから顔を覗かせていた。


「入っいい?」

「入っていいぜ。何の用だ?」

「ショウタが体調悪いって聞いたから大丈夫かなって」

「あれは嘘だよ。俺は悩み事があってエレナとは顔を合わせずらいのさ」

「もしかして、告白されたとか?」


随分と鋭いな。いやでも昔からこういうやつか、てかなんで今日服屋で俺がイチオシしてた服きてんの。


「そ、そうなんだよ。後リーナにもされてさ。もう困っちゃうわ〜あはは」

「ショウタ、こっち向いて?」

「ん?なん......うにゅっ!」


俺がエミリの方を向くとエミリが後頭部に手を回しそのまま俺の顔を自分の胸に埋めてきた。かなり顔が気持ち良かったりする。Dくらいか?


「悩み事なんてショウタらしくないわ。もっと前向きに行ったら?」

「今回は件が件だからな」

「関係ないと思うけどな〜」

「いやそういう訳でも......」

「しっかりしなさい!」

「は、はい.......」


いつの間にか膝枕に移行してた俺の顔を見下ろしてエミリが言う。てかなんかこいつ雰囲気が変わってるんだが........妖艶と言うか、お姉さんというか.......


「よく言えました。私からプレゼント♪」


瞬間、唇に柔らかいものが当たった。またも俺はキスされた、このあとの展開はもう分かってる。また悩みがひとつ増えたか。


「私もあなたが好き。返事はそうねぇ.......二人と同じ時でいいわ♪じゃあおやすみなさい。『催眠スリープ』」


エミリは俺が眠ったのを確認すると静かに俺の部屋から退室して自室に戻った。戻るやいなやベッドに顔を真っ赤にして倒れた。


なんであんなこと言ってるのよ私!本当はあんなことするつもり無かったのに!エレナと同じで気持ちを伝えるだけだったのに何よあれは!あ〜もうほんとバカ!バカバカバカ!


こんな風になってます。



翌朝俺はお腹が重い違和感を感じながら起床する。


「ん....ミリア?」

「はい、ミリアです。おはようございます、マスター♪」

「なんか結構機嫌がいいな。てかどいてくれ動けん」

「失礼しました。なぜ元気がいいかと言いますとですね......」


ミリアは俺の上からどき口を開く。


「昨日はいい物を見........ゲフンゲフン。朝一で昨日の出来事をエミリさんから相談されたからですよ」


この腹黒エルフめ!俺が聞こえていないと思うなよ!てか覗いてたのかよ!


「はぁ、もう俺どうすりゃいいんだろ」

「そんなのもう決まってるじゃないですか」

「まさか.....」

「全員を愛すしかないですね!」

「やっぱりそうなるのか.......」

「当然です!(あと御一方いるので今日はまだ悩んでもらいますが」

「まぁ、今日も色々考えるわ。とりま外ぶらついてくる。夕方には帰ると伝えてくれ」

「かしこまりました。行ってらっしゃいませ」

「あ、そうだミリア」

「なんですか?」

「今度覗いたのとか分かったらお前俺の部屋出禁な」

「ひゃう!そ、そんなぁ〜〜!」

「なら見なければいい。そうだろ?」

「ふぁい........」


そう言ってミリアは渋々四隅の天井に設置してあろう監視魔法陣を撤去する。こいつ.....覗く気満々じゃねぇかよ。



俺はとりあえず親方のところに来ていた。


「でぇ、俺のところ来たのか」

「やっぱり既婚者の意見ってのも大事だ思うんだ」

「確かに嫁はいるがお前みたいにハーレムじゃねぇからな。俺はこの人だっ!ってのを感じたがお前はそうじゃねぇんだろ?」

「うんん.......まぁそうかな?」

「なんだかよく分からねぇな。お前は容姿もしっかりしてんだからモテるのはわかるがあと一人してないみたいだな?」

「ん?俺3人しか言ってないけど」

「バカお前、明らかお前に対してそういう感情持ってるやついたろ?分かりやすかったぞ?」

「俺全然気づかんかったが......」

「鈍感すぎんだろ......まぁ今日にでもわかるだろ」

「今日?なんで分かるんだ?」

「そりゃお前、エレナ、そのリーナってやつ、エミリと来たら今日しかねえだろ」

「まぁ、そうか。はぁどうすればいいのやら」

「俺たちにしたら羨ましい悩みだぜ全く。まぁ来たんだし手伝ってくれや久しぶりに力を借りたいからな」


ということで俺は夕方まで親方を手伝った。その後いつも通り『移動』で帰り、自室でいつものように悩んでいた。もうこれがいつものとかいう時点でやばいけどな。
ちょうど今夜も深夜頃だった。


「ショウタ、私だ。入っていいか?」

「あー、どうぞー」


ハクアが入ってきた。割と胸元とかが強調されて太もももなんか強調されてる服だった。


「はぁ、お前か」

「なっ、なんだその反応は!」

「だいたい予想してたけど当たったからだよ!今日珍しくエミリのところでミリアが寝るとか言った時点でなんとなく察したわ!」

「そんなもの知るか!私は来たのだ!それは変わりないだろ!だいたいお前はな!......」


その後小一時間ほど言い合いになったが俺の部屋には防音結界がはられているので音が漏れることは無い。お互い肩で息をし合うぐらいになるまで言い合った。


「ぜぇ....ぜぇ.....お前ってやつは......」

「....まさか私もここまで疲れるとはな......もういい力ずくだ!」


そう言うと俺の両手を持ってベッドに押し倒してきた。あの時の逆というわけだ。何故か抵抗しようとしてもビクともしない。


「無駄だ。魔法で力をあげているからな、もう動くことは出来ないぞ」

「俺をどうする気だ?」

「どうもしないといえば嘘になるな。この状態で言わせてもらいたいことがある」

「なんだよ。普通にいえばいいだろ」

「いいから!......ショウタ、薄々気づいてると思うが私はお前が好きだ。お前が私を二度も助けてくれた時、どうしてそこまでしてくれるのか分からなかった。だが勇ましいお前に私は惹かれたらしい。今はこの通り胸の高鳴りが止まらない」


そう言ってハクアは両手で俺の右手を自分の胸に押し当ててくる。や、柔らかい.......エミリかそれ以上ある胸は触ってみるとめちゃくちゃやわらかく弾力があった。
そして、別に忘れていた訳では無いが心臓がドクン、ドクンと早く波打ってるのがわかる。


「んっ........ど、どうだショウタ。胸を触った感想は」

「普通に柔らかかったですはい。てか全く動けないんだけど」

「それは私がそうしたからな。拘束バインドでな」

「そうか、どうりで動けないわけだわ。このあと俺をどうするんだ?」


ハクアは喋ることなく俺にキスをしてきた。口を強引に開かれ舌を入れられる。いやらしい音と共に俺の口の粘液がすべて取られた。
ハクアは唇を1周舌でちろりと舐め微笑する。


「こうした後にお前と卒業する。私も純潔だからな。告白は一番遅かったが卒業するのは私が一番にしてやる」

「なるほど、これが目的ってわけか」

「そうだ。だからお前は私のされるがままだ」


俺のズボンに手をかけようとした瞬間


「させると思うか?『電流』」

「え?......んにゃぁぁぁぁぁぁぁ!」


俺は腕をガシッと捕まえて雷魔法『電流』でハクアを気絶の域に達するまで電流を送り続ける。すると、数秒でハクアは気絶して俺の方に倒れ込んでくる。その瞬間また唇が触れキスする形になった。俺はなんとかそれを横にどけ起き上がる。


「悪いがまだ俺の童貞は守らせてもらう。確かに悪くはなかったがまだそういう関係でないお前とは出来ない」



翌朝、俺はベッドに寄りかかるように寝ていたらしい。ハクアはもちろんベッドの上だ。


「ん......朝か。ってうわ!」


起きてベッドを見たらハクアが真っ裸で胸が半分見えた状態で毛布をかぶっていた。


「と、とりあえず......『変身チェンジ』!」


とりあえずあいつが昨日来ていた服を持って魔法で着せる。もちろん体が浮遊して至る所が見えるが俺は目を隠してなんとか着せた。そして、昨日『拘束』を4分の3の魔力で解放したため、魔力が十分に溜まってない状態で魔法を使ったことになり、魔力枯渇としてまた眠った。

数分後ハクアが起きた。


「ん...うう...ここは?」


どうやら私の部屋ではないらしい。昨日は ......./////!!!

ハクアは昨日のことを思い出している間にものすごく恥ずかしくなってなぜ自分がなぜここで眠っていたのかも理解出来た。


「ショウタ!起きろショウタ!」

「んん.....んだよハクア。何用だこら」

「貴様、昨日私をあの後どうした!」

「どうしたって寝かせてただけだが?」

「じゃあなぜ私の服がこんなにもはだけている!」

「知るか!お前が知らねぇうちに脱いだんだろうが!この変態!俺はあの後な!お前が馬鹿みたいにあんなことをやるためだけにかけた『拘束』を魔力の4分の3で解いたあと『電流』で全魔力使ったから早々に寝たんだよ分かるか!やましい気持ちがあったのはそっちだろ!」

「そ。そんなことはない........わけではないが!」


いや認めんなよ。そこは否定しようぜ。


「ま、まぁいい。そういうことにしといてやる!」


そう言ってハクアは俺のベットから降りて部屋を出ていった。
さて、これで4人全員から告白されたわけか.......どうするか。
てかやばい、眠いから寝る。

俺は自分のベッドに登り眠った。若干ハクアの匂いがしたのを感じながら夢に落ちたのであった。


今回は結構長くなってしまいました。
皆さん当たりましたかね?秘密裏の登場はリーナでした!
次回主人公は一人を選ぶのか、それともハーレムにするのか!
お楽しみに!
※追記
#50になったら新シリーズ始めようと思います。情報開示は一切しません、ご了承ください。

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