不幸な男は異世界で最強になったようです
23#死闘の後に
気がつけば俺は真っ暗闇な場所にいた。
ヘラクレスとの死闘の後、俺は気を失ったらしい。
もしものことはないだろうがおそらくここは神威の場所。
「正解だ。主よ」
「神威.....」
「主が毎度無茶をするから、そのあとの事後処理というものが大変なのだぞ」
「と、言うと?」
「ズタズタになった魔力回路の修復、我が渡した魔力の補充、剣の修復等だ。今回はもう1本の剣にも魔力を渡したからあと1週間は雷切が使えんと思え」
「まじか....どうにかなんねぇ?」
「こればっかりは我もどうにもできん。1日1回という制約を破って両方に発動して合計二回も使ったのだからな」
「そうか....なんか悪かったな神威」
「何を申し訳なさそうな顔をしておる。主を選んだのは我だ。我は主のどんな行動にも否定はしない」
「....ありがとう神威、いや相棒」
「....こちらこそ、とでも言うておくか。さぁ、お呼びの時間だ。これより一週間は何があっても我の『雷切』は使えん。心しろ」
「ああ」
俺の意識はそこで現世に戻った。
◇
ヘラクレスを倒して8時間後。防衛戦が正午に行われたから午後8時、俺は気を失っていたからわからなかったが早速宴会をやっているらしい。俺は枕のように柔らかい感触の上で目覚めた。
「....ん?ううん....」
「おはようショウタ。いや、こんばんわかしら?」
「ん?エレナ?ああ.....俺気を失ってたんだっけか」
「あなた突然叫んだと思ったらいきなり倒れるんだもの、びっくりしたわ」
「悪い悪い....ハクアは!?」
「大丈夫、でも背中の傷が酷いから医療室で回復魔法を受けてる。傷は跡形もなく完治できるそうよ」
「よかった.....」
俺は今までにないほど安堵する。あいつの大剣は通常なら真っ二つにされてもおかしくないほどの威力を持っている。これで、あと5センチ前にいたらハクアは完全に死んでいただろう。そうなれば俺はどんな行動を起こしていたか分からない。
俺が心の底からホッとしていると、俺の頬に何かが落ちた。見上げるとエレナが泣いていたのだ。そういや俺って、膝枕されてるんだ.....
「よかった.....本当に......みんな無事で.......」
「おいおい泣くなよ。いつものことだろ?」
「だって......だってぇ......」
「はいはい、よーしよしよし」
俺は手をあげ、エレナの頭を撫でる。仲間を失うのが怖いのは俺だけじゃない。こいつも、俺も、ハクアも、エミリやルビーだって怖いだろう。
そんな中、エレナは一番心配していたという。
やっとのことで泣き止んだエレナの頬に手を当てる。
「エレナ、いっつも心配してくれてありがとうな。俺も、ハクアも、エミリも、ルビーも。こんな俺らだけどこれからも付いてきてくれるか?」
「....もちろんついていくに決まってるじゃない。私たちパーティーでしょ?」
そう言って微笑むエレナの目には、またも涙が浮かんでいたのを覚えている。
◇
俺達はあのあと宴会を済ませ屋敷に帰っていた。
ハクアへの土産も忘れずに。
俺はエレナからギルドの医療室の場所を聞いて、土産を持って見舞いに行っていた。(土産はそこで出た高そうな酒1本と食べ物を少々)
扉を開いて中に入るとハクアは起き上がって月を見ていた。もちろんすぐにこちらに気づいたが。
「あぁ、ショウタ。こんばんわ、か?」
「何を緊張してんだよ。ていうかどうした月なんか見て」
「いや、なんとか乗り切ったんだなと思ってな。まさかこんな傷を負うとは思わなかったが」
「ハクア、ありがとうな」
「急にどうした?お前らしくないな」
「あの時、お前があそこで守ってなかったら今回死人ゼロとは行かなかった。お前のおかげであいつらを守れたんだからな。そして、俺はお前のおかげであいつを倒せた」
「前述は分かった。だが後述はどういうことだ?」
「お前が殺されそうになった時、俺はあの剣を使うか迷っていた。でも、お前の瀕死になった姿を見て、ここでやらないとお前が死ぬってのが俺の中に充満してな、お前を失いたくないって思いで戦ってたら勝ったんだ」
「そうか.....私こそありがとう。あの後お前がすぐに止血と包帯を巻いてくれたそうじゃないか。おかげで傷が悪化せずにすんだ」
「気にすんなって。そうだ、お前宴会に参加出来なかったろ?ほれ」
俺は食べ物やら色々と、酒の瓶を渡す。
「....ありがとう。だがいきなり酒は飲めんぞ?」
「なら飲めるようになったらでいいさ。んじゃな、また来る」
「ああ、今日はありがとうショウタ」
「こちらこそ、ありがとうハクア」
そういい俺は医療室を出た。
だが俺は知らない、ハクアがとても悲しそうな顔をしていたことに。
〜翌朝〜
朝の新聞を見てみるとまたしても俺の記事が載っていた。
【カンスト冒険者トドロキ ショウタ、不死身と謳われた魔王幹部ヘラクレスを見事討伐!!】
....毎度思うがどうやって撮ってるんだこれ。
俺はエンペラーの手入れをしながらその新聞を見ていた。手入れと言っても絶対に折れないから目立った傷は特にない。俺はその後訓練場で自主練をしていた。
そんな日が何日も続き、ハクアもやっと退院して、またいつものようにクエストをやっていた毎日。そんな毎日に、変化が来るなんて思わなかった。
ヘラクレスとの死闘の後、俺は気を失ったらしい。
もしものことはないだろうがおそらくここは神威の場所。
「正解だ。主よ」
「神威.....」
「主が毎度無茶をするから、そのあとの事後処理というものが大変なのだぞ」
「と、言うと?」
「ズタズタになった魔力回路の修復、我が渡した魔力の補充、剣の修復等だ。今回はもう1本の剣にも魔力を渡したからあと1週間は雷切が使えんと思え」
「まじか....どうにかなんねぇ?」
「こればっかりは我もどうにもできん。1日1回という制約を破って両方に発動して合計二回も使ったのだからな」
「そうか....なんか悪かったな神威」
「何を申し訳なさそうな顔をしておる。主を選んだのは我だ。我は主のどんな行動にも否定はしない」
「....ありがとう神威、いや相棒」
「....こちらこそ、とでも言うておくか。さぁ、お呼びの時間だ。これより一週間は何があっても我の『雷切』は使えん。心しろ」
「ああ」
俺の意識はそこで現世に戻った。
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ヘラクレスを倒して8時間後。防衛戦が正午に行われたから午後8時、俺は気を失っていたからわからなかったが早速宴会をやっているらしい。俺は枕のように柔らかい感触の上で目覚めた。
「....ん?ううん....」
「おはようショウタ。いや、こんばんわかしら?」
「ん?エレナ?ああ.....俺気を失ってたんだっけか」
「あなた突然叫んだと思ったらいきなり倒れるんだもの、びっくりしたわ」
「悪い悪い....ハクアは!?」
「大丈夫、でも背中の傷が酷いから医療室で回復魔法を受けてる。傷は跡形もなく完治できるそうよ」
「よかった.....」
俺は今までにないほど安堵する。あいつの大剣は通常なら真っ二つにされてもおかしくないほどの威力を持っている。これで、あと5センチ前にいたらハクアは完全に死んでいただろう。そうなれば俺はどんな行動を起こしていたか分からない。
俺が心の底からホッとしていると、俺の頬に何かが落ちた。見上げるとエレナが泣いていたのだ。そういや俺って、膝枕されてるんだ.....
「よかった.....本当に......みんな無事で.......」
「おいおい泣くなよ。いつものことだろ?」
「だって......だってぇ......」
「はいはい、よーしよしよし」
俺は手をあげ、エレナの頭を撫でる。仲間を失うのが怖いのは俺だけじゃない。こいつも、俺も、ハクアも、エミリやルビーだって怖いだろう。
そんな中、エレナは一番心配していたという。
やっとのことで泣き止んだエレナの頬に手を当てる。
「エレナ、いっつも心配してくれてありがとうな。俺も、ハクアも、エミリも、ルビーも。こんな俺らだけどこれからも付いてきてくれるか?」
「....もちろんついていくに決まってるじゃない。私たちパーティーでしょ?」
そう言って微笑むエレナの目には、またも涙が浮かんでいたのを覚えている。
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俺達はあのあと宴会を済ませ屋敷に帰っていた。
ハクアへの土産も忘れずに。
俺はエレナからギルドの医療室の場所を聞いて、土産を持って見舞いに行っていた。(土産はそこで出た高そうな酒1本と食べ物を少々)
扉を開いて中に入るとハクアは起き上がって月を見ていた。もちろんすぐにこちらに気づいたが。
「あぁ、ショウタ。こんばんわ、か?」
「何を緊張してんだよ。ていうかどうした月なんか見て」
「いや、なんとか乗り切ったんだなと思ってな。まさかこんな傷を負うとは思わなかったが」
「ハクア、ありがとうな」
「急にどうした?お前らしくないな」
「あの時、お前があそこで守ってなかったら今回死人ゼロとは行かなかった。お前のおかげであいつらを守れたんだからな。そして、俺はお前のおかげであいつを倒せた」
「前述は分かった。だが後述はどういうことだ?」
「お前が殺されそうになった時、俺はあの剣を使うか迷っていた。でも、お前の瀕死になった姿を見て、ここでやらないとお前が死ぬってのが俺の中に充満してな、お前を失いたくないって思いで戦ってたら勝ったんだ」
「そうか.....私こそありがとう。あの後お前がすぐに止血と包帯を巻いてくれたそうじゃないか。おかげで傷が悪化せずにすんだ」
「気にすんなって。そうだ、お前宴会に参加出来なかったろ?ほれ」
俺は食べ物やら色々と、酒の瓶を渡す。
「....ありがとう。だがいきなり酒は飲めんぞ?」
「なら飲めるようになったらでいいさ。んじゃな、また来る」
「ああ、今日はありがとうショウタ」
「こちらこそ、ありがとうハクア」
そういい俺は医療室を出た。
だが俺は知らない、ハクアがとても悲しそうな顔をしていたことに。
〜翌朝〜
朝の新聞を見てみるとまたしても俺の記事が載っていた。
【カンスト冒険者トドロキ ショウタ、不死身と謳われた魔王幹部ヘラクレスを見事討伐!!】
....毎度思うがどうやって撮ってるんだこれ。
俺はエンペラーの手入れをしながらその新聞を見ていた。手入れと言っても絶対に折れないから目立った傷は特にない。俺はその後訓練場で自主練をしていた。
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コメント
KK
前回といいSAOっぽいと思うのは自分だけだろうか…まぁ面白いからいいんだけども。