不幸な男は異世界で最強になったようです

大島 こうのすけ

14#女神アテナ戦

今回から書き方とかその他色々を変えてみようと思います。ご了承ください。
※追記
今までの分も修正致しました



「さて、着いたか」


俺達はアークの中心都市であるガルガンドと呼ばれる所に来ていた。
何でも天界に来た他の種族はまず、この世界の最高神でありこの城の城主である女神アテナに挨拶しなければならないそうだ。めんどくさいにも程がある。 


「つきましたよ」


そういい、案内されたのは中心にある城の王座の間。ここでは女神の間というらしい。
右と左にそれぞれ6人ずつ戦天使が配置されて跪いている。


「遠い地よりはるばるようこそお越しくださいました。私はこの城の城主でありこの世界の最高神、アテナと申します」


なるほど、本当の神様のようだ。ということは種族序列第1位の神族に当たるわけだ。


「お目にかかれて光栄でございます、アテナ様。俺はこのパーティーのリーダー?的なあれの轟 翔太と申します」


俺は名を名乗るが驚いたのはエレナたちが何一つ変な顔をしていないことだ。なるほど、俺がこのパーティーのリーダーでいいのか。


「トドロキ ショウタさん?変な名前ですね」

「よく言われます.....」


もう、変な名前としか認識されないならそれでいいか。


「確か、グリフォンの討伐をされに来たのですね?」

「はい、なぜか地上に貼られていたので珍しいなとは思いましたが受けました」

「それでは、案内の者は.....そうだハクア、こちらに」


手招きされ出てきたのは金髪ポニーテールのお姉さん。
ん?どこかで見たことがあるような....


「はじめまして、ハクアと申します。此度は貴方達の.....!?」


どうやら向こうも驚いた表情をしているからあってるらしい。
この人は一昨日俺たち(エレナを除く)が助けた戦天使だ。


「あ、あの時の!」

「あら?ハクア、この方々とお知りあいなのですか?」

「はい、以前悪魔3匹に苦戦していたところを助けてもらいました」

「まぁ!それはなんてこと!ショウタさん、ありがとうございます」

「気にしないでください、当然ですから」


まぁ、正確には俺達3人でやったんだけどな。


「まぁまぁ、頼もしいこと。ワクワクしてきました」

うん?わくわくしてきたって?何のことだ?

「トドロキ ショウタさん、あなたに決闘を申し込みます」

「はい?」


戸惑っている俺にハクアが話しかけてくる。



「これが私達の上司の恩の返し方なんだ。すまないが受けてやってほしい」

「いやいやいや!おかしいでしょ!お前らのとこの上司どれだけ戦闘狂なんだよ!神話に女神アテナが戦闘狂なんて書いてなかったぞ!」

「神話?なんのことを言ってるのかわからないがとりあえず受けてくれないと、アテナ様がこの後すごく不機嫌になるんだ、頼む」

「えぇ....」


これはひどい。



俺たちはアテナの気分をとるべく城内の闘技場に来ていた。流石に不機嫌なままなのは少し気が引けたから受けることにした。まぁ、戦うのは俺一人なんだけどな。ていうかこの世界、城内に闘技場あるのが普通なのか?リターナとか王都にもあったし。


「それではこれより冒険者、トドロキ ショウタと女神アテナによる決闘を始めます!審判は天翼十二議会第5位、アズリエルが努めさせていただきます!」


天翼十二議会?なんだそりゃ。
後でエレナかエミリにでも聞いてみればなんか知ってるかも。


「ショウタさん!手加減などはしないで本気でかかってきてもらって大丈夫ですよ!」

「わかりました!それではよろしくお願いします!」

「どちらかが降参を宣言、またはどちらかが戦闘不能になった時点で終了です!それでは、初め!」


試合開始の声が響き渡った瞬間俺は『強化』で一気に距離を詰める。


「!?早いっ!」


この女神様戦い慣れてるな。全然驚いてねぇや。
俺は剣を横薙ぎに一閃するが、アテナが構えた盾に防がれてしまう。というよりも反動が返ってきてる気がする。


「なんだその盾!硬い!」

「これは私の神器、聖盾アイギスです!この盾がある限り、あなたの攻撃は私には届きません!」


おうおう、自信満々に言ってくれるなぁ。ならもっと本気で行くとしよう。


「エンチャント『深淵』!」


俺は剣に水を付着させ一気に地面を蹴る。間合いにアテナを入れるが槍で俺の急所ばかりを狙ってくるせいでなかなかに攻撃が当てずらい。なんとか弾いたとしてもスキルを発動する隙がない。


「はぁっ!!」

「!?」


俺の剣がアテナの槍を上へと打ち上げる。僅かに隙ができた。


「『アビスブレイク』!」


俺は1トンの重さを乗せた剣をぶつける。普通なら吹っ飛んでいくがほんの一瞬で状態を戻した盾に防がれてしまう。盾はビクともしていなかった。衝撃吸収するし、恐らく触れた瞬間に魔法が打ち消されている。だから俺の魔法での1トンが消されている。


「この盾は全ての魔法を無効化します!絶対にあなたが魔法で私に攻撃を当てることは不可能です!」


女神さんはそう叫んでいる。さて、どうしたものか。
俺が考えているうちに今度はアテナが俺に突っ込んできた。
槍の間合いに入ると俺の間合いには入れれない。避けるしかない...!


「行きますよ!ニケ!」


声に反応するように槍が光り輝く。確かニケって武器だっけか?
まぁそんなことはどうでもいいんだ割とマジで。
俺はなんとか急所に刺そうとする槍を弾いたり避けたりしてイナしていた。でも、人間には限界がある。体力的に考えれば神の方が上なのだから。だんだんと体力が減っていく中で俺の足がもつれて後に倒れそうになる。


「おっと.....」

「そこです!」


かかったな。
見え見えの演技に引っかかるなんてな。
こんなの剣道のヤツらに見られたら鼻で笑われるだろうな。
女神様は俺の予想通り俺の急所を狙ってきた。
集中は槍に行っている。だから狙い時なんだ。
俺は突き出された槍を半身引いてよけ右足で盾を蹴りあげる。盾はそのまま俺の後方に飛んでいった。


「な!しまっ....」

「はぁ!」


俺はそのまま腹部に足の裏を突きだすように蹴りを入れ、10mほど吹き飛ばす。俺はあくまで演技のため、倒れることは無かった。
 

「げほっ!げほっ!な、中々やりますね.....でも勝負はここからです!」


女神様は槍を両手持ちに変え戦闘態勢を取っていた。俺も剣を構え戦闘態勢をとる。数秒の沈黙を経て互いに地面をける。俺はアテナが突き出した槍を剣を滑らせて受け流しそのまま切りつける。だが、アテナもその攻撃を某スケート選手顔負けのイナバウアーでよけバックステップで距離をとる。再びアテナは地面を蹴り俺に接近して槍を数回突き出すが俺はその攻撃の全てを剣で弾き、反撃に出る。


「エンチャント『水』!」


今度こそ逃がさない。今度こそ仕留める!


「『水源竜』!」


俺の横薙ぎした水から放たれた竜はそのままアテナを飲み込もうとする。


「はぁっ!」


しかしアテナは槍で起こした風圧で俺の水源流を、吹き飛ばした。
体の割にどんな力してんだよ。
アテナはそのまま俺に向かって槍を突き出す。だが俺がセカンドウェポンを用意していないわけがない。この勝負、俺の勝ちだ。


「剣よ、罪を砕け!」

「!?」

アテナは急いで槍を戻して距離を取ろうとするがもう遅い。


「『雷切』!」


剣から放たれた一撃はアテナを飲み込み、大爆発を起こした。
数秒の後煙が晴れアテナが倒れていた。


「アテナ様ー!」


流石に心配になってきたのか、アズリエルがアテナの元へと駆け寄る。だが、無事だったのが確認できたのか、旗を掲げ叫ぶ。


「女神アテナ戦闘不能!よって勝者、トドロキ ショウタ!」


アズリエルによって俺の勝利が宣言された。

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