不幸な男は異世界で最強になったようです
07#残虐のカミュ戦
翔太たちはネルソンの馬車に乗り込み城へと向かっていた
「すまないねぇ昼時に」
「気にしてないよネルソンさん、今日は何するんだっけ?」
「本当は君にお礼をしたいところなんだが君の噂が一日でこの街の国王の耳に入ってね、
私に君を城まで連れてくるように頼まれたんだ」
「へぇ.......国王ねぇ」
「おや、あんまり驚いてないようだね?」
「なんかそれを越した出来事がいくつもあったからさ~」
「はっはっは、実に君らしいねとりあえずお礼はまた今度になるが許してくれ。そしてついたぞ」
「なぁ、エレナなんで黙ってんの?」
「だ、だってあなた国王よ国王。この国の王様よ。緊張するに決まってるでしょ!」
「もう、なんか感覚狂ってるわ俺」
そんな話をしていると突然馬車が止まる。外を見てみると鎧を着た兵士の人が二人門の前に立っていた。見上げてるとそこにはとても立派な城が確認できた。
「すっげぇ.....」
翔太は感嘆の声を漏らす
「さぁ、君たちここからは徒歩だよ」
「それではついてきてください王の元へ案内しましょう」
城門が開き中に入る。まず目に入ってくるのは巨大なシャンデリア、とてもきらびやかで綺麗に光っていた。そして柱の近くに置かれている台の上のツボはとても高いものだろうということは分かった。階段を上がり扉の前へ案内される。そして扉が開かれ中の様子が見えた。中心には豪華な椅子に腰掛けているまだ50代くらいに見える男性、この人が王様だろう。そしてその左には70代くらいの白髪の老人がいた。この人は大臣だろう。そしてその周りにには兵士達が立っていた。
「私が付けるのはここまでです。そしてここより先は我が国の王の間です。くれぐれも無礼のないように」 
翔太たちは王の前まで歩みを進めるそして片膝をつくよくある服従ポーズをしてみた、それに習いエレナとネルソンもそのポーズをとる。
「君がトドロキ ショウタ君だね?噂は聞いているよ、なんでもこの街初めてのカンスト冒険者だとか。どこの国の出身なんだね?」
「山の中の村なんで名前がなくて......」
「君はずっとそこに居たのかね?」
「そうですね、ずっといました」
「ふむ、ならば君はずっとその村にいた事になる。レベルが上がるのはカードに登録してからだったかな?」
国王は隣にいた大臣に問いかける。すると大臣は少し考えた素振りをして
「一応そうではありますが例外は付き物ですからね、きっと知らないうちにモンスターをも狩っていたのではないかと」
と答える。
「それよりも王、名を名乗られた方が良いかと。こちらだけが知るというのは王の嫌う不平等と言うものです」
「おっと、これは不覚。すまない、私の名はジレン・シルフォード。ここより南に行った
王都レティアの国王ロイ・シルフォードの弟にあたる。よろしく頼むよ」
「よろしくお願いします」
ん?待てよ、シルフォード?確かエレナって下が.......
翔太が確信にたどり着く前に
「王よ、少し失礼してもよろしいですか」
後ろから声が聞こえてきた。振り返るとそこには鎧だけを着て、兜はとった男の人がこちらに向かってきていた。ぱっと見ればかなりモテる美男子という顔立ちで爽やかで真面目そうな雰囲気だった。いわゆる典型的な女性の理想のタイプというやつだ。
「どうしたレオ。なにか問題があったか?私は客人と談話中なのだが」
「実は私もその客人にお話がありまして、先日私の部下のカミュがそこの者に蹴られたと報告があったのです」
「本当か?」
「はい、間違いないかと」
「ショウタ君どういう事かね?」
「実はですね、俺の後ろにいるこの少女が襲われていた所を発見しましたので助けました」
「王様、私は彼に婚約求められました。ですが私は断りました、それだけなのに私は肩を切りつけられました」
「ふむ、そしてそこにショウタ君が止めに入ったというわけだね?ん?どこかで見たことが..........失礼だが名前を伺ってもよろしいかな?」
エレナは少し渋っていた。だがエレナが口を開いたその時
「王よ、そのものが言っていることはデタラメでこざいます!」
またも入口から声がした。その男に翔太とエレナは見覚えがあった。
乾いた目、人をゴミでも見るかのような目で見るその男を。
「そのものが私に攻撃してきたのであります!私は悪くありません!」
「しかしな、意見の相違が生じている以上どちらかが悪くてどちらかが良いということだからな」
そしてジレンは少し思案するように顎に手を当てたあとに先に喋ったのはカミュの方だった。
「おいそこの者、貴様の名前を聞いてなかったな。名を名乗れ」
「トドロキ ショウタだ、覚えとけクソ野郎」
翔太は怒りを顕にした鋭い眼光でカミュを射抜く。だがカミュは一切動じない。
「トドロキよ、俺と決闘しろ。あの時の借りが残っているからな」
「いいぜ、なら俺が勝ったら俺が見た状況を全て明かす、お前が勝ったらどんな事でも聞いてやるよ」
「言ったな?」
「言ったさ」
「王よ、そういう事になりましたがいかがしましょうか」
大臣は王に問いかける。すると王は迷うことなく
「そうだな、ショウタ君の実力を見る機会でもあるしな、良かろう、その決闘許可する!」
「それでは早速参ろうかトドロキよ、付いてこい」
「ああ、分かった」
「ショウタ、勝てるの?」
「ショウタ君大丈夫かい?」
二人は翔太を心配して声をかける、だが
「安心しろ、俺はあんな理不尽なやつに負けるほど弱くねぇ。絶対に勝つ」
二人の心配はその言葉で安心に変わった
~場所は変わり城内の闘技場~
西には腰に刺していた剣が背中に背負う形になっている少年、轟 翔太
東には剣を構え臨戦態勢をとっている男、カミュ
そしてその中央にはレオがいた。
「これより冒険者トドロキ ショウタと王国騎士団カミュの決闘を始める!決着はどちらかがギブアップもしくは戦闘不能になること!」
レオの決着条件の開示に緊張が走る。そして
「それでは、はじめ!」
開幕の合図が聞こえた。翔太は背中に背負った剣を鞘ごと抜刀する。対してカミュは変わりなく腰に指した鞘から剣を抜く。
「舐めているのかトドロキよ。そのようなもので私が倒されるとでも?」
「悪いが俺は血を見たくないからな、殴って気絶させる!」
「綺麗事だけでこの俺を倒せると思うな!」
カミュの左手が突き出される。突き出した左手から赤い魔法陣が顕現される。そして魔法陣からいくつもの炎が翔太に向けて放たれる。
「『爆炎の弾丸』!よけれるなら避けてみろ!」
行けるか......!
翔太は鞘を構え走り出す。そして一つ目の炎を、鞘を横薙ぎに払い両断する。そして間髪入れず入ってくる炎を半身を引いて避け、3発目を鞘を下から上に払い、切る。
「魔法を.....切っただと!?」
その現象にその場の誰もが驚いていた。魔法は元々幻覚から来たためそれを具現化したものを切るというのは誰も成し得なかったことなのである。故に魔法は『切れないもの』として定義されてきた。だがその定義を今日翔太が覆したのだ。その後も魔方陣から放たれる弾を全て切り裂く。
「何を驚いているのか知らねぇけど今度はこっちから行くぞ!」
いつの間にか翔太はカミュとかなり距離を詰めていた。翔太はその間は間の勢いで鞘を振り下ろす。しかしカミュは振り下ろされた鞘を剣で受け止める。だが、翔太の攻撃がそこで止まるはずがない。翔太は受け止められた剣から一旦鞘を離し、横薙ぎに鞘を振るう。カミュは横からくる殴打に反応できずに左胴に重い一撃を食らう。
「がッはぁ!」
カミュは鎧を装備しているにも関わらずその装甲を貫通して与えれた痛みに蹲っていた。もちろんそれを翔太が見逃すはずもなく、翔太はそのまま蹴りを繰り出す。蹴りは今度は右胴に刺さりそのまま数メートル後ろの壁に叩きつけられる。同時に砂埃が舞う。
翔太は追撃をせずにバックステップで後ろに下がって警戒をしていた。すると突然砂埃が風によって晴れ、カミュの姿がはっきりと視認できた。
「フフフ........ハハハハハハハ!いいぞトドロキ!ここまで楽しめるのは貴様が初めてだ!
生かしてやろうと考えたが気が変わった!殺す!この魔王幹部『残虐のカミュ』カミュ・オルレアンがなぁ!」
太陽によって照らされていた白銀の鎧はどんどんと黒色に染まっていき、黒いオーラを纏うようになった。
おいおい、なんの世紀末だよこれは......
翔太は頭が痛くなるような感覚を覚えながらも変化を遂げるのを待っていた
「さぁ、トドロキよ!貴様にこの俺が倒せるかァ!『黄昏の花々』!魔王様よりさすがったこの力、貴様ごときに止めれるとは思わないがな!!」
カミュの足元に紫色の魔法陣が展開される。そしてその中から巨大な植物がカミュの後ろに生える。
「さっき俺は血を見たくないと言ったよな?だけどそれは人間の場合だ。もう人間でもないお前に慈悲なんて言葉はねぇ!」
翔太は鞘からその剣を抜き放つ。どこまでも透き通るような白い刀身が顕になる。そして翔太は地面を蹴り走りながら初めての魔法を唱える。
「『エンチャント   爆炎』!」
構えていた剣に赤い魔法陣が展開されるその魔法陣は刀身の柄から刃先へと通過していき完全に通過した瞬間燃え盛る炎が剣に絡む。
「ふん!死ねぇ!」
カミュは手を振り下ろし後ろの植物に命令する。すると地面からツタが出現し翔太に襲いかかる。
翔太は最初に来たツタを剣を横に薙いで焼き払い、2発めを袈裟斬りの要領で切り落とし3発目を踏み台にカミュの元へと近づく。だが新たに這い出たツタが翔太を拘束する。
「ハッ!不覚だったなトドロキ!これで終わりだ!」
翔太の胸を貫かんとツタが飛来する。
あ、これ俺死んだわ
脳がそう認識し諦める。だが反射的に信号が残っていた体はまだ生きることを諦めていなかった。ありえないほどの力で拘束されたツタを引きちぎり胸に飛来したツタを焼き切る。そしてそのままカミュへと剣を振り下ろす。だがカミュも剣で防御しまたもツタを飛来させる。
「まだまだぁ!『エンチャント   竜巻』!」
同じように灰色の魔法陣が剣を通過する。瞬間翔太の剣を元に巨大な花をも巻き込む竜巻が発生した。
「ぐぁぁぁ!何だこの風魔法ぁ!だが俺を舐めるなぁ!」
後ろの花は翔太を巨大なツタで弾き飛ばした。翔太はそのまま壁に叩きつけられる。
「終わりだァ!死ねぇ!トドロキィ!」
カミュの命により花の中心に巨大な黄色い魔法陣が形成される。その魔法陣は光を集め、今にも射出しそうだった。
「光魔法『大輪の向日葵』!」
光線が魔方陣から放たれる。その光線は一直線に翔太へと向かって行っていた。
「ショウタ!あなた勝つんでしょ!?ここで勝たなきゃいつ勝つのよ!勝って!ショウタぁぁぁぁぁ!」
エレナの叫びが翔太の耳に届く。
「あぁ、分かってるさ。俺は負けない、こんな奴に!」
瞬間脳裏に言葉がよぎる
「勝ちたいか、ならば使え、我をな」
翔太は言葉の主を探そうとするがそれよりも早く脳から反射して返ってきた信号が口に届き言葉を紡ぐ
「剣よ、罪を砕け」
剣が言葉に反応して強大な光を発する。
......行ける!
翔太はそのまま剣を振り上げる。そしてまた脳裏をよぎる言葉を発する。
「『雷切』」
振り下ろされた剣から大輪の向日葵の3倍はあるであろう光線が放たれる。その光線は向かってきたものを打ち負かしカミュごと吹き飛ばした。その光線は少しずつ消えてゆき、そして最後は消滅した。そこにカミュの姿はなかった。
「......勝者、トドロキ ショウタ!」
レオの声を聞きエレナとネルソンが喜ぶ。
観客席の方に歩み寄ろうとした瞬間
あれ?体が重くなって.......目がよく見えねぇ......
段々と足取りが怪くなりそのまま地面に倒れ伏す。
そして翔太の意識はそのまま暗転した。
「すまないねぇ昼時に」
「気にしてないよネルソンさん、今日は何するんだっけ?」
「本当は君にお礼をしたいところなんだが君の噂が一日でこの街の国王の耳に入ってね、
私に君を城まで連れてくるように頼まれたんだ」
「へぇ.......国王ねぇ」
「おや、あんまり驚いてないようだね?」
「なんかそれを越した出来事がいくつもあったからさ~」
「はっはっは、実に君らしいねとりあえずお礼はまた今度になるが許してくれ。そしてついたぞ」
「なぁ、エレナなんで黙ってんの?」
「だ、だってあなた国王よ国王。この国の王様よ。緊張するに決まってるでしょ!」
「もう、なんか感覚狂ってるわ俺」
そんな話をしていると突然馬車が止まる。外を見てみると鎧を着た兵士の人が二人門の前に立っていた。見上げてるとそこにはとても立派な城が確認できた。
「すっげぇ.....」
翔太は感嘆の声を漏らす
「さぁ、君たちここからは徒歩だよ」
「それではついてきてください王の元へ案内しましょう」
城門が開き中に入る。まず目に入ってくるのは巨大なシャンデリア、とてもきらびやかで綺麗に光っていた。そして柱の近くに置かれている台の上のツボはとても高いものだろうということは分かった。階段を上がり扉の前へ案内される。そして扉が開かれ中の様子が見えた。中心には豪華な椅子に腰掛けているまだ50代くらいに見える男性、この人が王様だろう。そしてその左には70代くらいの白髪の老人がいた。この人は大臣だろう。そしてその周りにには兵士達が立っていた。
「私が付けるのはここまでです。そしてここより先は我が国の王の間です。くれぐれも無礼のないように」 
翔太たちは王の前まで歩みを進めるそして片膝をつくよくある服従ポーズをしてみた、それに習いエレナとネルソンもそのポーズをとる。
「君がトドロキ ショウタ君だね?噂は聞いているよ、なんでもこの街初めてのカンスト冒険者だとか。どこの国の出身なんだね?」
「山の中の村なんで名前がなくて......」
「君はずっとそこに居たのかね?」
「そうですね、ずっといました」
「ふむ、ならば君はずっとその村にいた事になる。レベルが上がるのはカードに登録してからだったかな?」
国王は隣にいた大臣に問いかける。すると大臣は少し考えた素振りをして
「一応そうではありますが例外は付き物ですからね、きっと知らないうちにモンスターをも狩っていたのではないかと」
と答える。
「それよりも王、名を名乗られた方が良いかと。こちらだけが知るというのは王の嫌う不平等と言うものです」
「おっと、これは不覚。すまない、私の名はジレン・シルフォード。ここより南に行った
王都レティアの国王ロイ・シルフォードの弟にあたる。よろしく頼むよ」
「よろしくお願いします」
ん?待てよ、シルフォード?確かエレナって下が.......
翔太が確信にたどり着く前に
「王よ、少し失礼してもよろしいですか」
後ろから声が聞こえてきた。振り返るとそこには鎧だけを着て、兜はとった男の人がこちらに向かってきていた。ぱっと見ればかなりモテる美男子という顔立ちで爽やかで真面目そうな雰囲気だった。いわゆる典型的な女性の理想のタイプというやつだ。
「どうしたレオ。なにか問題があったか?私は客人と談話中なのだが」
「実は私もその客人にお話がありまして、先日私の部下のカミュがそこの者に蹴られたと報告があったのです」
「本当か?」
「はい、間違いないかと」
「ショウタ君どういう事かね?」
「実はですね、俺の後ろにいるこの少女が襲われていた所を発見しましたので助けました」
「王様、私は彼に婚約求められました。ですが私は断りました、それだけなのに私は肩を切りつけられました」
「ふむ、そしてそこにショウタ君が止めに入ったというわけだね?ん?どこかで見たことが..........失礼だが名前を伺ってもよろしいかな?」
エレナは少し渋っていた。だがエレナが口を開いたその時
「王よ、そのものが言っていることはデタラメでこざいます!」
またも入口から声がした。その男に翔太とエレナは見覚えがあった。
乾いた目、人をゴミでも見るかのような目で見るその男を。
「そのものが私に攻撃してきたのであります!私は悪くありません!」
「しかしな、意見の相違が生じている以上どちらかが悪くてどちらかが良いということだからな」
そしてジレンは少し思案するように顎に手を当てたあとに先に喋ったのはカミュの方だった。
「おいそこの者、貴様の名前を聞いてなかったな。名を名乗れ」
「トドロキ ショウタだ、覚えとけクソ野郎」
翔太は怒りを顕にした鋭い眼光でカミュを射抜く。だがカミュは一切動じない。
「トドロキよ、俺と決闘しろ。あの時の借りが残っているからな」
「いいぜ、なら俺が勝ったら俺が見た状況を全て明かす、お前が勝ったらどんな事でも聞いてやるよ」
「言ったな?」
「言ったさ」
「王よ、そういう事になりましたがいかがしましょうか」
大臣は王に問いかける。すると王は迷うことなく
「そうだな、ショウタ君の実力を見る機会でもあるしな、良かろう、その決闘許可する!」
「それでは早速参ろうかトドロキよ、付いてこい」
「ああ、分かった」
「ショウタ、勝てるの?」
「ショウタ君大丈夫かい?」
二人は翔太を心配して声をかける、だが
「安心しろ、俺はあんな理不尽なやつに負けるほど弱くねぇ。絶対に勝つ」
二人の心配はその言葉で安心に変わった
~場所は変わり城内の闘技場~
西には腰に刺していた剣が背中に背負う形になっている少年、轟 翔太
東には剣を構え臨戦態勢をとっている男、カミュ
そしてその中央にはレオがいた。
「これより冒険者トドロキ ショウタと王国騎士団カミュの決闘を始める!決着はどちらかがギブアップもしくは戦闘不能になること!」
レオの決着条件の開示に緊張が走る。そして
「それでは、はじめ!」
開幕の合図が聞こえた。翔太は背中に背負った剣を鞘ごと抜刀する。対してカミュは変わりなく腰に指した鞘から剣を抜く。
「舐めているのかトドロキよ。そのようなもので私が倒されるとでも?」
「悪いが俺は血を見たくないからな、殴って気絶させる!」
「綺麗事だけでこの俺を倒せると思うな!」
カミュの左手が突き出される。突き出した左手から赤い魔法陣が顕現される。そして魔法陣からいくつもの炎が翔太に向けて放たれる。
「『爆炎の弾丸』!よけれるなら避けてみろ!」
行けるか......!
翔太は鞘を構え走り出す。そして一つ目の炎を、鞘を横薙ぎに払い両断する。そして間髪入れず入ってくる炎を半身を引いて避け、3発目を鞘を下から上に払い、切る。
「魔法を.....切っただと!?」
その現象にその場の誰もが驚いていた。魔法は元々幻覚から来たためそれを具現化したものを切るというのは誰も成し得なかったことなのである。故に魔法は『切れないもの』として定義されてきた。だがその定義を今日翔太が覆したのだ。その後も魔方陣から放たれる弾を全て切り裂く。
「何を驚いているのか知らねぇけど今度はこっちから行くぞ!」
いつの間にか翔太はカミュとかなり距離を詰めていた。翔太はその間は間の勢いで鞘を振り下ろす。しかしカミュは振り下ろされた鞘を剣で受け止める。だが、翔太の攻撃がそこで止まるはずがない。翔太は受け止められた剣から一旦鞘を離し、横薙ぎに鞘を振るう。カミュは横からくる殴打に反応できずに左胴に重い一撃を食らう。
「がッはぁ!」
カミュは鎧を装備しているにも関わらずその装甲を貫通して与えれた痛みに蹲っていた。もちろんそれを翔太が見逃すはずもなく、翔太はそのまま蹴りを繰り出す。蹴りは今度は右胴に刺さりそのまま数メートル後ろの壁に叩きつけられる。同時に砂埃が舞う。
翔太は追撃をせずにバックステップで後ろに下がって警戒をしていた。すると突然砂埃が風によって晴れ、カミュの姿がはっきりと視認できた。
「フフフ........ハハハハハハハ!いいぞトドロキ!ここまで楽しめるのは貴様が初めてだ!
生かしてやろうと考えたが気が変わった!殺す!この魔王幹部『残虐のカミュ』カミュ・オルレアンがなぁ!」
太陽によって照らされていた白銀の鎧はどんどんと黒色に染まっていき、黒いオーラを纏うようになった。
おいおい、なんの世紀末だよこれは......
翔太は頭が痛くなるような感覚を覚えながらも変化を遂げるのを待っていた
「さぁ、トドロキよ!貴様にこの俺が倒せるかァ!『黄昏の花々』!魔王様よりさすがったこの力、貴様ごときに止めれるとは思わないがな!!」
カミュの足元に紫色の魔法陣が展開される。そしてその中から巨大な植物がカミュの後ろに生える。
「さっき俺は血を見たくないと言ったよな?だけどそれは人間の場合だ。もう人間でもないお前に慈悲なんて言葉はねぇ!」
翔太は鞘からその剣を抜き放つ。どこまでも透き通るような白い刀身が顕になる。そして翔太は地面を蹴り走りながら初めての魔法を唱える。
「『エンチャント   爆炎』!」
構えていた剣に赤い魔法陣が展開されるその魔法陣は刀身の柄から刃先へと通過していき完全に通過した瞬間燃え盛る炎が剣に絡む。
「ふん!死ねぇ!」
カミュは手を振り下ろし後ろの植物に命令する。すると地面からツタが出現し翔太に襲いかかる。
翔太は最初に来たツタを剣を横に薙いで焼き払い、2発めを袈裟斬りの要領で切り落とし3発目を踏み台にカミュの元へと近づく。だが新たに這い出たツタが翔太を拘束する。
「ハッ!不覚だったなトドロキ!これで終わりだ!」
翔太の胸を貫かんとツタが飛来する。
あ、これ俺死んだわ
脳がそう認識し諦める。だが反射的に信号が残っていた体はまだ生きることを諦めていなかった。ありえないほどの力で拘束されたツタを引きちぎり胸に飛来したツタを焼き切る。そしてそのままカミュへと剣を振り下ろす。だがカミュも剣で防御しまたもツタを飛来させる。
「まだまだぁ!『エンチャント   竜巻』!」
同じように灰色の魔法陣が剣を通過する。瞬間翔太の剣を元に巨大な花をも巻き込む竜巻が発生した。
「ぐぁぁぁ!何だこの風魔法ぁ!だが俺を舐めるなぁ!」
後ろの花は翔太を巨大なツタで弾き飛ばした。翔太はそのまま壁に叩きつけられる。
「終わりだァ!死ねぇ!トドロキィ!」
カミュの命により花の中心に巨大な黄色い魔法陣が形成される。その魔法陣は光を集め、今にも射出しそうだった。
「光魔法『大輪の向日葵』!」
光線が魔方陣から放たれる。その光線は一直線に翔太へと向かって行っていた。
「ショウタ!あなた勝つんでしょ!?ここで勝たなきゃいつ勝つのよ!勝って!ショウタぁぁぁぁぁ!」
エレナの叫びが翔太の耳に届く。
「あぁ、分かってるさ。俺は負けない、こんな奴に!」
瞬間脳裏に言葉がよぎる
「勝ちたいか、ならば使え、我をな」
翔太は言葉の主を探そうとするがそれよりも早く脳から反射して返ってきた信号が口に届き言葉を紡ぐ
「剣よ、罪を砕け」
剣が言葉に反応して強大な光を発する。
......行ける!
翔太はそのまま剣を振り上げる。そしてまた脳裏をよぎる言葉を発する。
「『雷切』」
振り下ろされた剣から大輪の向日葵の3倍はあるであろう光線が放たれる。その光線は向かってきたものを打ち負かしカミュごと吹き飛ばした。その光線は少しずつ消えてゆき、そして最後は消滅した。そこにカミュの姿はなかった。
「......勝者、トドロキ ショウタ!」
レオの声を聞きエレナとネルソンが喜ぶ。
観客席の方に歩み寄ろうとした瞬間
あれ?体が重くなって.......目がよく見えねぇ......
段々と足取りが怪くなりそのまま地面に倒れ伏す。
そして翔太の意識はそのまま暗転した。
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コメント
澤丸
城下町では?
ハイセ
街なのに国王?どゆこと?