ラッシュ列伝

ユーサン

進化には対価が必要。時には退化も必要

現在、箱根に一撃をくらってしまった状況である。俺は思考を巡らせこの危機的状態から抜け出したい。シュタイナーでとりあえず動きを見る。葉山は相変わらず動きが全く見えない。箱根に関してはとびひざげりからのかかと落としの変形により後ろに下がるみたいだ。だとしたら、まずは自分も引こう…(この思考…なんとわずか0.8秒)後ろに下がろうとしたその時香川の存在が間見える葉山からの反撃が無い位置を完全に把握済みで既に箱根を自身と葉山で挟み2人を巻き込むつもりで衝撃を与えるつもりだ。箱根は完全によろめいてるので避けられない、葉山も制空権があったとしても飛んできた箱根を受け身の体制に引っ張る程度、、箱根にはダメージが入る。なら、自分がとる選択肢は引くのではなく制空権の視界にあえて入り意識を散らすことである(ここに至るまでの秒数はなんと1.1秒)葉山が次の瞬間何かが弾けるような音がした。それは葉山の上履きが地面を踏み込み力を入れる体制になる際にこちらにも分かるほどの威圧を込め放ってくる瞬間であった。箱根をさらに制空権で香川の打撃のルートから逃れさせた。さらに箱根の行先はまたもや俺の方へと。さらには香川の攻撃はそのまま葉山に行くわけだが、多少かする程度でその後は流すように香川を避けた。その矛先はまたしても自分の方であった。箱根は野生的な反射神経で殴り込みにかかってきた。その底は1度見たから反応出来るはずだ。だが…体が動かない。それもそうだ何度も考えては体が動く限りの速さで思考に追いつくように動かしたのだ。(ここまでの行動までの秒数わずか1.4秒)でも、ここで動かなくてはダメだ、進化してこのわけも分からぬ戦いに終止符を切らねば。指先から体の中央に向けて体が動かせる感覚が分かる。そう動かせる体は有効に使わないと勿体ないよな。そう思うとこちらに襲ってくる箱根に向かい腹に蹴りを食らわした。そうするととびひざげりを透かされた香川の後追いを箱根が受けそのまま手を地面に着く。「先輩。よく反応できますね。そんなホイホイ体が。」香川は少し引き気味に言う。どちらかと言うと少し不気味な笑みを浮かべているから引き気味に見えるのだろう。楽しんでいるようだ、どことなく様になってはいるがその笑みは似合わなすぎてやばいぞ。
「何やってんだよ!葉山!痛てぇじゃねぇか」箱根は少々腹ただしく言っていた。「いや、今のは君がいけないだろう。わざわざ格好の的になり、助けてやったと思えば体勢も立て直せずに…やれやれ。」逆に葉山の方は完全に呆れ顔であった。この会話のおかげで少し体に休憩を挟めた。今ならまた体を動かせる、いける。
一目散に飛び出し絶界もどきを発動させた。
香川も少し遅れて動き出す。まだ2人は揉めているようだ。あと、彼らまでの距離5m…その途端空気が変わった。「すまないが、箱根。今度はこっちが主導権を頂く。」「ケッ。しゃーないか。譲ってやんよ」2人がそう言い放つと葉山は空手の基本的な構えとは少々違うクンフーに多少なりとも似ている構えであった。下段突きを匂わせる構えであるが、腕が伸びきっていない。完全に防御よりに腕を受け身用に曲げていたのであった。「こう見えて行動までは間があるものの、やはり香川さんは速いですね。本当に驚きです。」そう呟くと何もいな…香川のいるポイントを完全に捉えており足を引っ掛け浮いた所に下段突きの構えをこのためかと言わんばかりに綺麗に決め地面に転がっていく。予想外過ぎる。その後葉山は箱根をこちらに投げ、葉山もこちらに向かっていく。「投げられるって分かってりゃー問題ないぜ!」箱根は自分の手前で着地をしてその体勢のどこから脚力を活かせるのかと言わんばかりに足のバネをつかい顔面への強打をもろに食らってしまった。一筋縄ではやはりいかないな。そもそも、あの制空権が厄介すぎる。だがしかし、制空権ってまえユウが言っていてたがただの型のようなものに過ぎないと。攻撃を察知し反応するまでの反射神経を研ぎ澄ます為に集中と体の神経全てを自分の間合い全てに張り巡らせているもんか。なのであれば絶界もどきのように制空権もどきも出来るのではないか。いや、出来なくても一か八かの択しか今はない。感覚としてはシュタイナーはほぼ無視。さらに間合いを完全に把握し心を静かに沈め冷静と相手の動きをみる。
少しずつあたりの背景が空想へと変わっていくのを感覚的に聴覚的に視覚的に捉え始めた。あたかも湖の中心に舞い降りる天使かのごとく静かに今なら湖に浮けるような感覚であった。
「奴の気配が変わった。気をつけろ箱根」葉山は自分の集中力を悟ったとのか箱根に警戒を促す。だがしかし、箱根は警戒などしたとて引くような人間ではないのは見ていて把握済みだ。
「そんなもんみりやぁ分かるわ!そんでも野生の勘が言ってる。今ここで誰が食い止めると、そんなことより香川は任せた」
時すでに遅い。香川は多少傷を負わされたがそんなんで倒れる器ではないとシュタイナーではなく自分自身が呟いている。なんだが、感覚的には静かだが心は常にハイな気分だ。
箱根がこちらに近づいてきた。あと数センチこっちに来た瞬間動く。制空権もどきになっているのか分からないが完全に間合いを把握している気がする。そう、そして香川がこちらに向かってきていることも。
「うりやぁ」箱根がこちらの間合いに詰めて殴りかかってきた。それを嘲笑うかのように跳ね除け払う。多分こんな感じだろうと行動したのが吉と出た。簡易性ではあるが成功だ。そのまま、香川が現れ倒れかかってるノーガードの腹へと一撃蹴りあげた。箱根はこの予想外の蹴りが効いたのか腹を抑えもがき倒れた。
これが、シュタイナーを捨てて得た能力。
だがしかし、本当に勝てるのか.......これ?

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