普通な僕の非日常

Kuro

プロローグ

  突然だが、「普通」という言葉をご存知だろうか?
いや、別に馬鹿にしてるとかそうゆう訳では無いのだけれど。
その「普通」という言葉は僕によく似合っている言葉であると自負している。誰に聞いても僕は「普通の人」、「普通の高校生」などと言われるだろう。
自他共に認める凡庸さだ。ここまで来れば誰も否定出来まい。
そんなこと言われて嬉しいのか?だって?
嬉しいに決まってるじゃないか。僕は狙って「普通」と自分を結びつけ、そのイメージを確立したのだから。

大抵の高校生なら特別な存在でありたいはずだ。
実際、目立ちたがり屋という言葉が多く使われるのも中高校生だろう。思春期は他人による承認欲求を欲しがる傾向にあるから仕方の無いことだ。だが、僕はそれを捨てた。いや、違う。捨てざるを得なかったのだ。
まぁ、その話は先にとっておくとして。


僕、佐藤 翔太がどれだけ普通なのかということを知っていてもらいたい。


    現在高校一年生。一人暮らし。十六歳。山羊座。血液型はO型。日本の平均身長、平均体重をキープ中。
中流家庭で育ち、両親と弟が一人。親族に呪われた人もいなければ、勿論超能力者もいない。
そして、非常に言いづらく残念なことであり、重要な告白であるが・・・・・・




妹も、仲のいい幼馴染もいない。



無念としか言いようのない。何度神を呪ったことか。
別に弟が嫌いとかそうゆうことではなく、単に妹が欲しかった。
今からでも両親に頼もうか。
・・・・・・まぁ、この歳で両親にねだったりなんてしたらカオスな状況が目に浮かぶので絶対にしないが。

これまでの話をご理解いただけだろうか?
軽くプロフィールを説明しただけで5割以上のことを知られてしまう凡人、それが僕だ。

    おっと、一つ大事な情報を忘れていた。
僕にはちゃんと友達がいる。これはかなり重要だ。
ぼっちか否かで普通であるかそうでないかが決まると言っても過言ではない----いや、言い過ぎか。


ここでさらに重大な情報を提供しよう・・・・・・
それは・・・・・・



男友達だけでなく女友達もちゃんといる!!!



どうだどうだ?かなり刺さっただろう?
おや、そこで歯噛みしているキミ。
それに、「ムキーッ」と言いながらハンカチを噛みちぎってるキミ。
「何が普通だ、この詐欺師」
「リア充じゃねぇかク○野郎」とか思ってるキミ。
怒りや嫉妬を鎮めてくれ。
僕は詐欺師なんかじゃない。
ましてや、リア充でも○ソ野郎でもない。
最初で言ったように僕は普通なんだ。
普通が一番似合うから普通という冠を与えられ呼ばれるようになったのだから。
ここらで薄々気づく人もいるだろうが、僕の凡庸個性がさらに強調される理由と嘘つきではない理由は、近似値の記号で結ばれる。


その理由とは・・・・・・


僕の男友達と女友達同士がものの見事にカップルないしは、口噛み酒をお互いに飲みたがる関係を形成しているのだ。(口噛み酒は違うか)
これを見てる人の満面の笑みが浮かぶよ。
だから、そっちは僕の姿を思い浮かべてほしい。
「ムキーッ」と言いながらハンカチを噛みちぎりモゴモゴしている姿を。(勿論飲み込みません)



    話はかなり脱線したが、僕については七割ほど知ってもらえたと思う。(友人関係で二割)
この辺でプロローグは終わりにしようと思う。
最後に・・・・・・
今から語られる物語は僕、佐藤翔太と仲間たちで紡がれるあまりに普通で非日常な物語である。

コメント

  • 鬼怒川 ますず

    1話から面白い、プロローグもまた良い感じにできており大変勉強になります。これからも更新頑張ってください!

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