片思い
16話 覚醒
はっ!
「はぁ、はぁ、はぁ。ここは…」
辺りを見渡すと白い部屋だった。近くにはスクールバッグがカゴの中に収まっていた。
(さっきと雰囲気が違う。落ち着く。 )
起き上がって分かったことは、ベッドの上だったということ。
泣きながら寝ていたようで目から涙を流していた。
(ゆ、夢だったんだ…)
私は胸をなでおろした。
ホッとしたのか、また涙が出る。
すると扉からノックしてきた。
「失礼します。あ!起きたー?」
養護教諭が部屋に入ってきて私の様子を見にきてくれた。
「大丈夫?倒れちゃったね〜。」
私は養護教諭の言葉に「…はい」と言い、ティッシュ箱からティッシュを取り出した。
鼻をかんでちょっと落ち着いた様子になった私に養護教諭が話しだした。
「どう?調子は。ちょっとは落ち着いた?」
私は頷き涙を拭い、放心状態になり、ボーッとしていた。
「沼田さんにはびっくりすること2回目だね〜。理科の織田先生から内線入った時は何ごとかと思ったよ笑。」
「え?私…何かあったんですか?」
正直言ってほとんど覚えていない…
インパクトが強すぎる夢のせいで現実何があったのか、よく分からなかった。
養護教諭が話してくれたことは、私が教室で倒れて織田先生から内線が入り、担架で保健室へ運ばれたということだった。
そして、担架で運んだ人の一人が田辺だったということだった。
(どうりで魘(うな)されるわけだ)
「沼田さんの顔、真っ青でしんどそうだったよ。織田先生も慌てててびっくりしてたよ。田辺君は冷静だったけどね。」
田辺が冷静になれたのは多分、織田先生が冷静じゃなかったからだと私は勝手に判断した。
(それにしても、何で田辺が?もう一人は先生かな〜。)
私がそんなことを考えていると養護教諭は「あとねー」と話し出した。
「なんか意外な子も来てたなー。あ!園崎さん!田辺君と園崎さんが沼田さんを担架に乗せてきたんだよ!」
私はその言葉に驚き、目を丸くした。
(え?何その意外な組み合わせは⁉︎田辺はともかく園崎さんもなんて…)
私が驚いていると養護教諭はニコニコしながら私を見た。私はそのニコニコの表情から?マークしか出てこなかった。
「園崎さんね、これであの件はチャラってことでって言ってたけど?なんかあったの?」
え?何のこと?と思ったが、だんだん覚醒してきた私はそのことを思い出した。
(あ…謝らなかったからかな。気にしてくれてたんだな。)
と言う思いとは裏腹にこうも思った。
(それとこれとは別でしょう?まぁ、いいかっ!)
私は納得したように「あー、あれね」と呟いた。
またもやニコニコする養護教諭。
「良かったね!」とも言う養護教諭に私はただただ頭をひねることしか出来なかった。
帰宅後、私は部屋に入って真っ先に鞄からある物を取り出した。
大事に大事しまっておいたあの紙を。
(あ!あった!翔太先輩の!)
早速、携帯に翔太先輩の携帯の番号とアドレスを登録した。
携帯を眺めてはにやけてしまう。
『ニヤニヤして気持ち悪〜。』
私は田辺に言われたことを思い出し、顔をパンパンと叩き、にやけていた顔をただした。
(嫌なこと思い出しちゃったよ!気をつけなきゃ。ああ、翔太先輩〜。あ!登録したことメールしなきゃ!)
私はワクワクしながら翔太先輩にメールを打つのだった。
幸せだったな、翔太先輩にメール打つの…
本当に本当に幸せな時だったんだよ。
もう…出来ないけどね。
「はぁ、はぁ、はぁ。ここは…」
辺りを見渡すと白い部屋だった。近くにはスクールバッグがカゴの中に収まっていた。
(さっきと雰囲気が違う。落ち着く。 )
起き上がって分かったことは、ベッドの上だったということ。
泣きながら寝ていたようで目から涙を流していた。
(ゆ、夢だったんだ…)
私は胸をなでおろした。
ホッとしたのか、また涙が出る。
すると扉からノックしてきた。
「失礼します。あ!起きたー?」
養護教諭が部屋に入ってきて私の様子を見にきてくれた。
「大丈夫?倒れちゃったね〜。」
私は養護教諭の言葉に「…はい」と言い、ティッシュ箱からティッシュを取り出した。
鼻をかんでちょっと落ち着いた様子になった私に養護教諭が話しだした。
「どう?調子は。ちょっとは落ち着いた?」
私は頷き涙を拭い、放心状態になり、ボーッとしていた。
「沼田さんにはびっくりすること2回目だね〜。理科の織田先生から内線入った時は何ごとかと思ったよ笑。」
「え?私…何かあったんですか?」
正直言ってほとんど覚えていない…
インパクトが強すぎる夢のせいで現実何があったのか、よく分からなかった。
養護教諭が話してくれたことは、私が教室で倒れて織田先生から内線が入り、担架で保健室へ運ばれたということだった。
そして、担架で運んだ人の一人が田辺だったということだった。
(どうりで魘(うな)されるわけだ)
「沼田さんの顔、真っ青でしんどそうだったよ。織田先生も慌てててびっくりしてたよ。田辺君は冷静だったけどね。」
田辺が冷静になれたのは多分、織田先生が冷静じゃなかったからだと私は勝手に判断した。
(それにしても、何で田辺が?もう一人は先生かな〜。)
私がそんなことを考えていると養護教諭は「あとねー」と話し出した。
「なんか意外な子も来てたなー。あ!園崎さん!田辺君と園崎さんが沼田さんを担架に乗せてきたんだよ!」
私はその言葉に驚き、目を丸くした。
(え?何その意外な組み合わせは⁉︎田辺はともかく園崎さんもなんて…)
私が驚いていると養護教諭はニコニコしながら私を見た。私はそのニコニコの表情から?マークしか出てこなかった。
「園崎さんね、これであの件はチャラってことでって言ってたけど?なんかあったの?」
え?何のこと?と思ったが、だんだん覚醒してきた私はそのことを思い出した。
(あ…謝らなかったからかな。気にしてくれてたんだな。)
と言う思いとは裏腹にこうも思った。
(それとこれとは別でしょう?まぁ、いいかっ!)
私は納得したように「あー、あれね」と呟いた。
またもやニコニコする養護教諭。
「良かったね!」とも言う養護教諭に私はただただ頭をひねることしか出来なかった。
帰宅後、私は部屋に入って真っ先に鞄からある物を取り出した。
大事に大事しまっておいたあの紙を。
(あ!あった!翔太先輩の!)
早速、携帯に翔太先輩の携帯の番号とアドレスを登録した。
携帯を眺めてはにやけてしまう。
『ニヤニヤして気持ち悪〜。』
私は田辺に言われたことを思い出し、顔をパンパンと叩き、にやけていた顔をただした。
(嫌なこと思い出しちゃったよ!気をつけなきゃ。ああ、翔太先輩〜。あ!登録したことメールしなきゃ!)
私はワクワクしながら翔太先輩にメールを打つのだった。
幸せだったな、翔太先輩にメール打つの…
本当に本当に幸せな時だったんだよ。
もう…出来ないけどね。
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