片思い

日向葵

10話 疑惑

即行でメイクも整え、泣いたことをいいことに涙袋でフォローし、いつもの私がここにいた。
今は本当に教室にいる。
そして何食わぬ顔をして4人を待っていた。
「あー!いたー!抜け駆けしたなー、華恋〜!」
いたずらっぽく愛梨が言い、他の3人も私の席の周りを囲んだ。
「ごめん、ごめん。なんかイライラしちゃって〜、ついっ!」と私はおどけて見せた。
「ついじゃねーよ!マジで変な空気になったんだからさ〜!」と。瀬名は私の席の前の椅子に座った。
愛梨:「でも、うちらちゃんと謝ったんだからねー!沼田さんに!華恋も適当にごめん言っときゃ良かったのに!」
華恋:「そ、そうだねー…あはは」
私はまた嘘をついた。謝る気ないのに…
瀬名:「もうこうなったらさ!行ってみようよ!先輩のとこ!」という瀬名に、「え?」と言った藍の言葉に私は内心(え?)と思った。
(何で藍が赤くなるの?)
蒼:「さんせーい!行こう!」
4人は軽やかな足取りでいくが私は足かせをはめられてるくらい重たかった。

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