PROMINENCE

第17話 神のみぞ知る異変


  此処は天界と呼ばれる『神々の世界』である。

周りは緑で溢れ、空からは金色の光が射している。

正に神々しい場所であるのが一目瞭然。

幾つもの建物には神や天使が住んでおり、楽しそうに会話したり。

子供達は元気に走り回っていた。


そんな中、中央から延びる階段。

その先には大きな神殿が一つ存在した。


そして天照大御神はその神殿の中央で片膝を着き、神殿の奥にある大きな椅子に腰掛けている大男に頭を下げていた。

大男の顔には大きな白い髭が伸び、服から出ている両腕は筋骨隆々。

鋭い目付きでは人を殺せるのでは無いかと思われる。



そんな彼は『全能神ゼウス』である。


神の中では有名であり、人間に近い人柄である。


「ふむ。ルシファーの奴がその様な事を言っておったのか?」

低い声を鳴らしながら、髭を何度か撫でる仕草をするゼウス。

そのゼウスの言葉にアマテラスは更に頭を深々と下げ肯定する。

「よいよい、楽にせいアマテラスよ。 茶でも飲むか?」

  威厳は何処へやら。

目尻を下げたゼウスはアマテラスに頭を上げさせると、部下の天使にお茶を二人分用意せよと命じる。


「正直、力関係なら主の方が上何じゃがなぁ…。
支配力も申し分無し。部下からの信頼も厚い。
なぁ、そろそろ本気でワシと代わらぬか?」

「余り馬鹿を言うておると、部下に見捨てられるぞ?
妾は自由が良いしな」

「うぅむ。いっその事ルシファーと代わろうかのぉ」

  髭を撫でながらそんな事を口にすると、ゼウスの目の前に大きな黒い渦が出現する。


「おいおい。ボクのゲートが通れる様になったと思えば、何を下らない事を言ってるんだ?」


  そこには白髪でありながら、顔に黒い紋章を刻み。

悪魔の角を生やしたイケメンが立っていた。


「ゲートを開けて貰える様にする為に、妾を遣いとして此処へ呼ばせたのじゃろ?」

  アマテラスは呆れた様に腕を組み、その白髪のイケメンを睨む。

彼はルシファー。

かつて堕天し、悪魔の王として君臨した最強の悪魔である。

「しょうがないだろ?  ジジィを狙った人間を見付けたんだ。
一応、報告する義務はあるだろ?」

「ジジィとは何じゃ。ゼウスと呼べ ゼウスと」

「はいはい。兎に角、最初はこのメンバーで話をしよう。
少々やっかいな事件になりそうなんだ」

  ゼウスを軽く促し、ルシファーは真剣な表情で二人に話をしようと提案する。


アマテラスとゼウスは1度互いの顔を見て、それを受け入れる合図を目配せで行う。


「良かった。この話には色々な事が絡んで来るから、心して聴いてくれ」

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