太平洋戦記 〜九七艦攻の戦い〜

11月光志/11月ミツシ

12月7日の訓練

あれから僕は、同じ部屋のルームメイトに挨拶をしに入った。
事実、ルームメイト兼九七艦攻の同じ乗組員である。
乗組員は配備書のとうりだった。

『機長』神重徳 光男かみしげ みつお兵長
『偵察員』御津 恒夫みつ つねお上等兵
『後方旋回機銃担当』茅三 紳一郎上等兵

という配属だった。
挨拶を終えその日は終わった。





12月7日は、少し肌寒かった。
今日は集中訓練があるそうだ。
各人員が、それぞれの役職を集中訓練するそうだ。だが、僕は銃手なので、あんまり関係がなかった
だが、僕は気が付いてしまった。
本来の日本海軍空母機動部隊は、12月2日にもう出航していたはずだ。つまり、僕の配属部隊である、日本海軍空母機動部隊は存在せず、別のとこに行く部隊だということを。

じゃあ僕らはなんなのか?

しかしそんな疑問を持っても、答えが返ってくる可能性は低い・・・というかありえないので、僕はこんな疑問を抱いたまま、銃手の訓練を行っていた。

正直、訓練は辛かった。
動いている敵機を偏差射撃をしながら当て、こちらへの攻撃が来る前に撃ち落とす。
これも平坦飛行中や平坦爆撃中などはマシだが、旋回中や敵機の攻撃を避けているときなどの重力が来ているときの射撃訓練が特にきつかった。





訓練が終わった午後、上官に僕らは呼び出された。
「神重徳兵長!御津上等兵!茅三上等兵以下3名、明日の訓練を中止し、同機12機とともに北海道へ渡れ。
燃料切れがないよう他の海軍基地経由で飛行せよ」

衝撃だった。
タイムスリップから2日で、北海道へ渡ることになるとは思わなかった。
というより、今僕がいる【大日本帝国海軍岩国航空基地】がどこにあるのかすらわからないのに、北海道まで飛ぶなんて・・・
「そして君らは、明日の午前5時半から、ラジオをつけるように」

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