アクティベート・オンライン

時塚オイモ

第19話 〜真の力、絶望〜

「お前達か!今度は逃がさない!」


「次こそ貴方達には、この世界から消えて貰います。」


信長とアーサーは剣を取り出して戦闘態勢をとるが、アーサーは違和感に気づいた。城ヶ崎姉弟はいるのに、肝心なゼウスとヘラの姿が無かった。信長とアーサーは不思議に思っていると2人の背後から誰かが凄い速さで攻撃しようとした。ゼウスだ。僕はそれに気づき慌てて2人に叫ぶ。


「信長、アーサー!後ろだ!」


「なっ!?しまっ!」


ゼウスは2人を殴る。信長とアーサーはゼウスの不意打ちに防御が間に合わず、腹に重い拳で殴り2人を壁まで吹き飛ばした。


「かはっ!!」


信長とアーサーはまともに喰らってしまい、大きなダメージを受けてしまう。僕は、心配になり2人の方へ走る。


「むっ!卑怯なお方だ!」


ルパンがゼウスを睨みながら銃で撃とうするが、ルパンの目の前にヘラが現れる。


「うふふふ。貴方の相手はこの私よ!」


そう言って、ルパンの得意技である誘惑をルパンに使って攻撃してくる。


「ふっ、私に誘惑とは……いいでしょう!どちらが先に誘惑されるか勝負といきましょう!」


ルパンは微笑みながら、ヘラに向かって誘惑をする。その頃、僕は信長とアーサーの状態を確認していた。


「大丈夫!?」


「うむ。というかあいつ!昨日より強くなっていないか?」


「ええ。まるで昨日の戦いは本気ではなかったような。」


信長とアーサーは少し動揺しながら、ゆっくりと立つ。まだ2人は、動くのが難しい。まともに立つのがやっとだ。それほど、ゼウスの不意打ちの一撃が効いたのだろう。何とか、2人が動けるまで時間を稼がないと。


「時間稼ぎはさせないよ!それと、本気ではなかったような……ではない。本気じゃなかったのさ!これが主神ゼウスの力だ!!行け!ゼウス!」


空は僕達の時間稼ぎに気づき、右腕を振り上げてゼウスに命令をする。すると、ゼウスが目にも留まらない速さで信長とアーサーを殴る。


「ぐわっ!」


「うっ!!」


だが、今度は用心していたのか何とか防御をしそこまで大きなダメージは負わなかった。しかし、それでも重い拳なので態勢が崩れてしまう。2人は何とか態勢を立て直しアーサーは信長に指示を出す。


「うつけ犬!昨日のように時間稼ぎを頼みましたよ。」


「私に命令するな!毒舌狐!」


そう言って信長は昨日と同じ、時間を稼ぐ為にゼウスと1対1で戦い始める。そして、アーサーが僕の所へ来て


「時間がありません。悠斗!お願いします。」


僕は頷き、アーサーと一緒に再び呪文を唱え始めた。


「我、黄金の剣を纏いしは全てのを無に還す力を得り、人の力を超え神の名をも凌駕する力を今、解き放つ!」


僕とアーサーは同時に呪文を唱え終えると剣が黄金の剣に変わっていた。そして、最後に技を言ってゼウスに攻撃する。


「エクス・カリバーーーーー!!」


黄金の剣はゼウスに当たり、僕達は勝ったと思った……のだが……煙の中に人影が見える。そして、段々と煙が薄くなっていき、信じられない光景が目の前にあった。


「嘘……だろ!?傷一つ付いてないなんて!」


昨日は傷を付けたあの大技が、今ゼウスの体に一つも傷が付いていなかった。すると、ゼウスはまた目にも留まらぬ速さでアーサーを殴り壁まで吹き飛ばし、信長を地面に叩きつけるように殴った。そして、信長とアーサーは倒れて動かなくなってしまった。


「信長!アーサー!」


僕は2人に叫ぶが返事が無い。空とゼウスは、それを見ながら笑う。


一方その頃、瑠美とルパンは………


「ぐっ……まさか……この吾輩が負けるとは……」


ルパンとヘラは誘惑攻撃の撃ち合いで、ルパンは負けて倒れてしまった。


「ルパン!?しっかりして!ルパン!」


瑠美は必死にルパンに呼び掛けるがルパンはもう限界で、動く事さえ出来なかった。


「おーほっほっほ!ヘラ、どうやら私達の方が一枚上手でしてよ!」


「うふふふ。そうね莉奈。私は女神ヘラ!神の中でも一番美しい女神!私に勝てる筈もないというのに。」


そう言って、莉奈とヘラは高笑いをしながら自慢気に喋る。この前に戦った時とは全然違う事に瑠美は動揺しながらルパンに必死に声を掛ける。そして、それを見飽きたのか莉奈がヘラに指示を出す。


「そろそろ終わりにしますわよ!ヘラ!」


そう言ってヘラに命令をしルパンに向かってトドメの技を出そうとした。ゼウスも信長とアーサーに向かってトドメを刺そうとした時、僕と瑠美は大きな声でパートナーの事を思いながら名前を叫んだ。すると、僕の右手の印と瑠美の左手の印が光り出し信長とアーサー、ルパンも急に光り出す。そして、トドメを刺そうとしたゼウスとヘラが一瞬で吹き飛ばされた。

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