感じた違和感

ノベルバユーザー128449

そこにある恐怖

春。桜がピンクに染まる季節。いい。桜というものは春が一番心を清らかにさせる。更に頭もいい感じになる。なんていったって今日から僕は高校生だ。高校生って青春感じたり感じなかったり、友達と屋上で馬鹿言い合ったり…etc
おっと小説とは違う事を話してしまった。さて本題に入ろうか。


僕の名前は斉藤 綱海冒頭で話した通り万王子大原学園の新男子高校生だ。僕のただの世間話だが、僕は中学生の時は友達と心霊スポット(廃墟や事故現場)など沢山行っている。つまり心霊スポット巡りが趣味なのだ。しかし高校生になったのだから心霊スポットなど行かないようにしよう。そう思っていた。
「綱海くん…だよね?」
そう呼ばれて声の主の方を見ると黒髪のショートで可愛らしい顔立ちの身長は170cmある僕のひと回りふた回りも小さい女子だった。
「あ、うん、そうだよ」
こんな可愛らしい女子と話すのは初めてなので少し動揺しながらも返事をした。
「じ、実は、綱海くんに話したいことがあって…」
「ん、何?」
戸惑いながらも返事をした僕を知ってか知らずか彼女も緊張しながら話した。
「綱海くんって心霊スポット巡りが趣味なんだよね。友達から聞いた。」
「うん。趣味では無いけど行く事は行ってるよ。」
僕の事を心霊研究家か何かと勘違いしているのだろうか。すると
「綱海くんって久美さん知ってる?」
その女子が言う久美とは万王子大原学園に入学してきた地味な女の子だった。
「入学して来たばかりだからあまり知らないけど…どうして?」
そう問うと、彼女は、
「その子、なんか変なの。私が挨拶しても話しかけてもあ、うんだのどうも。だのしか返してこなくて…」
そうか。そういう人を知らないのか。
「それって人見知りじゃないかな?話すのは恥ずかしいと思うけど…」
僕はそんな事を言った。
「えぇ。そんな風には思えないけどなぁ。」
彼女はそう言うと俺に話しかけてみて!と強く言ってきたので分かったと言わざるを得なかった。
翌日の放課後、時間が余っていたし部活は入っていなかったし「久美」が居たので話しかけることにした。
「く、久美。ちゃん。?」
俺は昔っから初めて会う人にもちゃんとか君とかつける人なんでまあ癖なんだろうな。
「あ、うん。」
久美は俯いたままそう返事をした。あぁ、焦れったい!と思ったがこれが彼女なのだから仕方あるまい。
「私に話したい事があるから来たの?」
周りに聞こえない。俺と久美にしか聞こえない微かに聞こえるほどの小さな声。
「あ、うん」
そこで俺は頷いた。
「は、話ってな、に?」
途切れ途切れの微かな声だったが聞き取れた。
「あの、黒髪のショートの女の子いんじゃん。その子が久美ちゃんの事心配してたよ。」
「え、ほんと?謝らなくちゃ」
と、話してる内に違和感を感じた。
「あれ、久美ちゃん。俺と話してる時普通だね。なんで?」
俺が問いかけると久美が
「綱海くんと話してると心がドキドキするの、だから普通の女の子でありたいなって」
え?どういう事だ?と、思い聞こうと思った時、タイミングが良いのか悪いのか
「私、綱海くんが好き。」
突然の告白だった。
「え、それって…」
あまりにも早すぎる展開に頭が追いついていかない。どうしよう。告白?俺なんかに?ここ生きてきた中で告白なんかされたことないぞ?どうすればいいんだ?頭がごちゃごちゃになって真っ白になった。
「き、気持ちは嬉しいけど、その、ごめん、まだあまり話してないし話してないから何も知らないし…」
「はぁ、やっぱりね」
なんだろう。さっきまでに無いオーラを久美は醸し出していた。
「芥川龍之介という人を知っているか?その人の作品の中で羅生門というものがある。その中である台詞が「悪い事した者にした悪は許される」だ。お前は今、私に悪い事をした。だから私も悪を働く。」





「死ね」






その瞬間、俺、斉藤 綱海の首は見事に吹き飛んだ。まるで剣で一瞬の速さで切られたように。
だめだ。首切られるとかまじ鬼畜だろ!そして綱海は死んだ。と思ったのだが、
「…くん。…くん!綱海くん!」
ハッ!ここは?どこだ?見たことの無い天井だ。
「良かった。生きてたのね。首がもうなんだろ。切られてそこにゴロっと生首が置かれてたもんだから私きゃぁぁぅぁぁわぁって叫んで病院まで運んできてあげたのあのままじゃ死んでたもんね。」
「で、でもどうやって僕の首を?」
そうだ。生きてる事など二の次だ。どうして切られたはずの俺の首が今こうやって付いていて呼吸もできるのか。
「そんなの私の力でふんっ!ってやってとやっ!ってやってぐちゃぐちゃにしたのよ。ま、成功率は5分5分だったけどね☆」
あれ、僕がいた場所って…
「あれ、事故現場って教室…ですよね?なんで貴方が教室に?」
「あー。それそれなんか非通知で呼び出されたのよ。1時間後に教室に来いって!」
「何それ怖っ!」
怖っ!ただ単に怖っ!てことは
「久美はこうなることを確信していて…」
「かもね」







翌日、学校で登校するな否や教室を見ると見事に汚い。生徒も唖然としていた。ま、そりゃそうか。
ところで…じっとくる視線がある。久美だ。久美は俺が生きていた事にとてつもない驚きとショックを与えたのだろう。それから久美は毎日放課後になると首を切ってきた。その度に介護士に助けられた。



おしまい



あとがき
見て下さりありがとうございます。作者の未完成ナイトです。こういうジャンルは書かないというかあまり得意では無いのですがまぁ書けたので良かったです。

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