26話　DOP vsテニス部　プランB！

　陽奈ころなのタレントを使って、一応他の人のを試してみたがなんと、アス研メンバー全員のタレントを使うことができた。

　もともとは部室で待機をする予定だったが、急遽きゅうきょ前線に投入される。

　初めてタレントを使えてご機嫌だった俺は何の迷いもなく部室を出ていったのだが、テニスコートへ着いて、自分の浅はかな考えに後悔することとなる。

　確かに俺は他人のカードを使えばタレントを使用することができるが、それはすなわち、俺がタレントを使っている間は味方がタレントを使えないということである。

　つまり···········

「うわあぁぁぁ～～！？」

　俺は本能にしたがって右に転がり込む。

　ビュッッン！
　するとさっきまで俺がいた場所に正確に、あの時速400kmのサーブが放たれる。

　危っねー。

「よっと」

　少しよそ見をしてるとまたサーブが飛んでくる。

　次はジャンプしてかわす。

　俺はさっきから何もできずに、テニス部が打つ殺人サーブを躱わしている。

　もし、俺が陽奈の〈フレア〉でも使うことができたなら状況は少し変わったかもしれない。

　タレントが使えて意気揚々と最前線に突っ込んだ俺だが、“俺が使用している間は味方が使えない”ことに気がつき、丸腰のまま特攻したものの状況は芳しくない。

　せめてもの救いは、いくつかのボールは陽奈のフレアによって消し炭になっていることだ。

　ここは、敵の本拠地である、テニスコート。

　コートの周りにはボールが外に出ないように高い柵が設置されており、入り口は南側にある一つの扉しかない。
　コートは6面が縦に並んでおり、一番奥に行くのは面倒だったりする。
　
　そんなコートの奥側に敵のフラッグがある。

　ちなみに、DOP の勝利条件は
・敵のフラッグを破壊する。
・敵のリーダー(部長)を戦闘不能にする。
の二つのどちらかを満たすことだ。
　また、時間内に決着がつかなかった場合は、その時点で順位が低い方が勝利することになる。　

　現在、アス研の順位は13位、テニス部は15位。

　つまりこのまま決着がつかなければ、アス研の負けとなる。

　そのため、部長である陽奈が前線に来て、少しでもフラッグ前の守りを薄くしたかったのだが、どうやら誘いには乗らないらしい。

　この様子では、フラッグを破壊するのは難しそうだな·······

　となると、プランBというやつだ。