桜雲学園の正体不明《アンノウン》

美浜

18話 初めての部活(1)

 今日も部活がある。
 ただ、アス研には別に出席しなければいけない曜日があるのではなく基本自由だ。
 だから今日はテストのために帰って勉強をしてもいいのだが、いや、むしろするべきなのだが、今日は部活に参加しようと思う。
 こういうのは初めが肝心だからだ。




  ガラガラ

 昨日とは違う意味で少し緊張しながら扉を開ける。  
 昨日は仮入部員として(俺の意思に関係なく入部させられたが.....)、今日は生徒会のスパイとして、アス研の部室に入る。
 

 ただ、少し、少しだけだよ? 期待してたんだ。昨日はあれだったけど(海崎かいざきがはd·········)、今日は定番のアレ・・があるんじゃないかって。

 うん、わかってた。
 特になにもありませんでした。


「あっ、けい、遅かったじゃない」

「そうだぞ、石崎いしざき、暇すぎて筋トレしすぎたじゃないか」

「············景が、来るまでは···········だらけてた」

「じゃあ、景くんも来たことだし、いこうか」

「えっ? どこにいくの?」

「景はまだアス研の活動についてよくわかってないでしょ? だから今日はいつも私たちがどんなことをしてるのか体験させてあげようと思って」

「·············いこ?」


 しょっ、しょうがないな、そんなに来て欲しいなら行ってあげなくもないけど·············




 そんなことで、初めての部活動をすることになりました。






 で、向かったのはテニスコート。
 この学園にはコートが6つあって、テニス部の人たちが一生懸命取り組んでいる。
 そんな中を俺たちは堂々と通っていく。
 すでに連絡がされているのか、特に気にする素振りを見せずに練習を続けている。
 
 ビュッッーン

 何かが俺の前を超高速で通りすぎた。
 

「あっ、ごめんなさ~い。大丈夫ですか~? 生きてますか~?」
 

 テニス部の一人が、ゆる~く生存確認をしてくれた。
 今のは当たってなかったからよかったけど、もし、当たってたら、確実に大ケガをしていたと思う。


「あっ、そうだ景、いい忘れていたけど、ここのボールに当たったら大ケガじゃ済まないわよ?」


 訂正。
 大ケガじゃ済まないらしい。

 いや、テニス部のサーブ速すぎるでしょ......
 打ったあと、気づいたらもう通りすぎてるって......
 どうやって避けるの?

 ちなみに俺以外のアス研のメンバーは難なく避けいる。
 どうやって避けているのかと、聞いたら......


「なんていうか、バーンってきたら、エイャーってやると、ワーってなるの。分かる?」


 全然分からなかった。
 それと、テニス部の人に聞いてみたらサーブの速度は大体400㎞ほど出ていたらしい。
 
 いや、おかしいでしょ。
 
  





 ちなみに、今のテニス(現実の)のサーブの最高速度は263㎞で、新幹線は300㎞ほどです。
 もちろん、テニス部の人はタレントを使ってサーブを打っていました。(純粋なサーブで400㎞出していたら人間じゃないです。)

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