色彩を宿す者たち〜銀を宿した少女(元青年)は異世界を生き抜く〜

スーノ

第九話 第二層と暴君竜戦・前半

「っと、感嘆ばかりしてられないな」

「春斗、あそこだけ平らになってる場所があるよ」

冷夜の向いている方向には直径500m程の円形状の平らなステージのような場所があった

「なんかひと昔前のゲームのボスステージ見たいな場所だな」

「あー、そうだね。一応降りる前に戦闘態勢整えておく?」

そう言うと春斗は首を縦に振り肯定した





ー《銀天姫装》"銀天姫装"
《固有武装:銀天姫の双剣》

ー《金天帝装》"金天帝装"
《固有武装:金剣帝の大太刀》

「なぁ、近づくたびに嫌な予感が増してるだけど」

「いや、でももう出入り口閉まってるからどうにもならないよ」

その言葉の通りに二人が入って来た場所は既になにも無くっている

「しかもこの場所あれ以外に出入り口無いみたいだからね」

「まあ、ここまで来たからにはやるしかないんだろうな」

ここまでこれば嫌でも分かる。あのステージの上に乗った瞬間に何が起こる事は、しかもそれは絶対にオレ達にとって良くないだと言う事も

「さて、鬼が出るか蛇が出るか。」

春斗がそう呟いたのと同時にオレ達はステージの上に降り立った




「「……っ!」」

着地した次の瞬間に感じたのは、ステージの中央にいきなり現れた〈気配〉とそれが放つ威圧感

「この威圧感、オレ達が戦った【原初の怪物】の半分くらいの力があるんじゃないかな?」

「それじゃあ、俺達二人であの時の【原初の怪物】に挑むようなものか」

確かに、あの時は乃亜さんの《特異能力》のバフがあって能力値の殆どが2倍になってたからあの時の【原初の怪物】の半分くらいの力が有ればあの時と同格の敵を相手取るのと同じ事かな

「見た目とかは全く違うけどね」

「そうだけど、まあいいじゃん」

現れた灰色の怪物の見た目は暴君竜ティラノサウルスだった。ただしサイズは全長60m程博物館などで見る骨格標本のサイズの4倍近くはある

「それじゃあ、やりますか!」

「おう」


ー《銀天魔導》"銀槍・二槍"
銀色の槍が二本、冷夜の前に現れ暴君竜の目を狙い放たれる

ー暴君竜は頭を振り槍を側面から破壊する

ー《金天剣帝技》"剣帝金斬"
暴君竜が槍を破壊する隙に接近し、足に金色の斬撃を放つ

ザシュッ

大太刀が暴君竜の足を傷付ける

ー暴君竜は足を春斗に向けて払う

春斗は足と自分の間に大太刀を滑り込ませ受ける

カンッ

大太刀と暴君竜の爪が当たる音が響き春斗の体が宙を舞う

ー暴君竜は追撃を掛けるべく春斗の方角に向き直り

ー《銀天魔導》"銀天爆"
白銀色の爆破が胴体を襲う

「ーー」

注意外の攻撃に僅かに声を上げ怯む

ー〈空中機動〉
春斗はその間に靴の『技能』を起動し暴君竜から離れる

ー暴君竜が冷夜に突撃する

ー横に転がり回避し暴君竜の足に接近し
《銀魔導剣技》"銀天瞬撃・二連"
突撃の勢いを乗せ左右の手から春斗が攻撃した場所に銀色の斬撃を放ち離脱する

「ーーー」

傷付いた場所を攻撃されやや声を上げながらも突撃の勢いを殺し体を回転させ尻尾を冷夜に振るう

ー《銀魔導剣技》"銀天重撃"
回避不可と判断して銀色のオーラを纏う双剣を尻尾に打ち付け迎撃し接触の衝撃を利用して後ろに飛び上がりバク宙の要領で回転して着地

ー《金天剣帝技》"剣帝金極斬"
尻尾を振るい隙だらけの暴君竜に接近して白金色のオーラを纏う大太刀で攻撃しそのまま股下を潜り抜ける

「ーーーーー」

暴君竜は悲鳴を上げ攻撃された方角にタックルを仕掛けるが空を切る

ーそのまま目に付いた冷夜に噛み付き攻撃を掛ける

ー瞬発値を生かし高く跳躍して回避する

ー暴君竜は冷夜の着地点で口を広げる

ー《銀天魔導》"銀氷壁"
暴君竜の口の真上で足元に銀氷壁を作りそれを蹴り更に跳躍そのまま落下した銀氷壁が暴君竜の喉奥に命中する

「ーーー」

その痛みで声を上げた暴君竜に
ー《金天剣帝技》"金斬飛刃・四連"
四発の空飛ぶ金色の斬撃が命中する

ー《銀魔導剣技》"銀姫天波斬"
落下の勢いを乗せた白銀色のオーラを纏う双剣で暴君竜を斬る

ー暴君竜は痛みを堪え息を溜め咆哮を上げる

「ーーーーーーーーーー!!!!!」

ー暴君竜は咆哮を止めると近くにいた冷夜に喰らいつく

冷夜は近距離で咆哮を浴び怯んでいて動けない

「…ま…ずい」




ー万物踏破の靴"地上モード"
〈瞬間機動〉
《金天剣帝技》"剣帝金斬"
春斗が間に入り下顎に斬撃を叩き込み口を強引に閉じさせ、冷夜を小脇に抱え全力離脱




「冷夜大丈夫か?」

「…ごめん、聞こえない。多分鼓膜が破れた」

その言葉の通りに冷夜の耳からは血が流れていた

ー親愛の証"念話"
春斗が左手人差し指の金と銀で宝飾のされた指輪の機能を起動する

『これなら聞こえるか?』

『うん、ありがとう。さっきは助かった』

『ところで立てるか』

そう聞くと冷夜は体を軽く確認して

『大丈夫そう』

『それなら降ろすぞ』

その言葉に首を縦に振り肯定し降ろして貰った。

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