俺が魔王になるまで

ビッグバン

覚醒のゴブリンロード

ゴブリンロードは激怒し、雄叫びを上げた。人間達への怒りもそうだが今回は自分の心の弱さにそれ以上の怒りを抱いていた。自分があの時、諦めなければ、ゴールドスライムは死ね事はなかったのに。一族の復讐の為に力を手に入れたというのにこれではだだ虐殺されていく仲間を見ることしかできなかったあの時、と一緒ではないか。自分の心の弱さが憎い。弱い自分が憎い。

ゴブリンの憎しみが限界を超えたその瞬間、奇跡は起きた。

ゴブリンの雄叫びに反応して冒険者達の装備が魔物化して冒険者達を襲い出したのだ。

冒険者達の装備は新人でなければ必ず自分が殺した魔物の体の部位を使い強化、もしくは材料として使ってある。
その殺された魔物達の無念の思いがゴブリンロードの雄叫びにより同調して魔物が誕生したのだ。

それを見た。新人冒険者達は仲間を見捨てて逃げ出した。

ゴブリンロードは怒りで視野が狭まり見えていなかった。だがこれがのちに彼の首を絞めることとなる。

ゴブリンロードは自分の着ている鎧に締め付けられ、自分の首を斬り落とそうとする剣を必死に抑えている冒険者達を全員殴り殺した。

例え原形が無くなっても、ゴブリンロードは殴り続けた。
こんな事をしてもゴールドスライムは戻って来ない。そんな事はわかっていた。
しかし、彼は殴らずにはいられなかった。

そんな時だった。
なんと金塊が光り始めスライムに変化したのだ。それを見たゴブリンロードは正気に戻り力を使い果たした反動で気を失った。





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