ジャージのおじさんチート異世界探検記

ビッグバン

俺は死んだはずだった

「お前は何なんだ。新手の魔物か。」

手に武器を持ち私を包囲している村人の一人が私に問いかける。私は今の状況が理解出来ず、今まで状況を整理していた。私は確か軍の大元帥に直接意見して、それから拉致され、新作の兵器の実験台にされ、戦場に送りこまれたのまでは覚えている。

しかし、そこからの記憶が曖昧だ。確か体を操られて謎の亀の上に乗った空飛ぶ城に一発撃ち込んだのまでは覚えている。それから確か城に反撃され、。

そこまで彼が思い出した時だった。村人達はシビレを切らしたのか突然攻撃してきた。村人の拳が私を襲う。しかし、私には傷一つ付ける事が出来なかった。

それもそのはず私が身に着けているヘルメットとジャージは核爆弾の直撃を受けても壊れない優れもの。

このジャージの防御力から考えれば例え鉄の武器だとしてもダイヤモンドを爪楊枝で貫こうとするようなものだ。私がそんな事を考えてるいると村人の一人が私にこう言った。

その防御力間違いねえ。お前魔物の類だな。みんな本気でやっちまえ

そう言うと村人達は一切に何やら呪文らしきものを詠唱し始めた。

私は村人達を見て流石に焦った。そして、幸いヘルメットの機能により私はどんな言語も話す事が出来るを思い出し、私は翻訳機能を起動して、村人と話そうとした次の瞬間、
雷、氷、水、岩、土、炎、風、このよのあらゆる者が私を襲った。しかし、私には傷一つつかない。しかし、威力が強すぎたのか私に当たって砕けた岩が跳ね返り村人に襲いかかろうとしている。私は村人達を岩から守り、瞬時にこの天変地異を腕振り払い消して見せた。すると、村人達の態度ががらりと変わった。村人達は私を取り囲む様にして土下座し、泣きながらこう言った。

「どうか、私どもの非礼をお許しください。あなたを攻撃した村人全員この命を持って、自害しつぐなわさせていただきます。ですからどうか、村だけは襲わないで下さい。」

私はどうやらまだ魔物だと思われている様だ。  

私は村人達に言った。

「私は君達を襲うつもりはないし、魔物でもない、私は訳あって異世界からやってきたこの呪われた装備をまとったタダの人間だ。私を襲った村人達よ。気にする必要はありません。いきなり、こんな、化け物じみたヘルメットをかぶったオッサンが現れたら攻撃するのもしかたありません。」

それを聞いた。村人達の顔から微笑がこぼれ、私を見てこう言った。

あなたが勇者様ですか、やった。やっと勇者の召喚に成功したぞ。今まで失敗ばかりで魔物ばかり召喚していたから間違えて襲ってしまいました。申し訳ごさいません。伝承通りだ。呪われた装備を纏いし、勇者異界から現れし時、魔王は倒され、世界に平和が戻ると。

こうして、俺はいつのまにか、勇者にされ、魔王討伐の旅に出る事になったのだった。

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