戦闘員No.25の活動日誌

とろろこんぶ

ショッピングモール

いつもの3人。いつものテンション。今日は総督とドクターと大きなショッピングモールに来ている。四階建てでそこそこ広く、映画館までついている。学生からファミリーまで幅広い客層から愛されているショッピングモールだ。

お目当ての品はズバリゴキブリ対処用品。あの日の悪夢は繰り返してはならない。どっさりと買い込んだ。総督に怒られるぐらいに。
そのあと、ぶらぶらと店を回った。休日ということもあり、どの店も混んでいた。人気俳優主演の映画が本日公開というのも理由のひとつだろう。

「人がいっぱいだねえ。楽しいね、ニコ君。」
「ショッピングモールだからな。」
「ニコ、シューティングゲームで対決しよう!」

ドクターも総督もえらくはしゃいでいた。店内を走るな。



そんな、何の変哲もない休日になるはずたったんだ。

店内アナウンスがなった。ゲームセンターへ向かおうとしていた俺たちはふと脚をとめた。
アナウンスからは電子の声が流れ始めた。

『店内にいらっしゃるお客様、並びにスタッフにお知らせします。その場を動かず待機しなさい。』

突如、ガラガラガラという音か響いた。がん!と大きな音がした。フロアがざわざわとうるさくなる。

『このショッピングモールは只今閉鎖されました。外部との連絡は不可能です。』

フロアのざわめきがいっそう大きくなる。怒鳴り散らす者も現れる。そんな客を嘲笑うかのようにアナウンスは続ける。

『なお、ショッピングモール内には爆弾を仕掛けております。皆様が不適切な言動をとったとみなした場合、爆破させます。』

「…ハッタリだ。」
俺は小さく吐き捨てた。しかし、ドクターが首を降った。
「この際ハッタリかどうかは重要じゃないよ。これで私達は行動を規制された。どちらが優位な立場かを明確にされた。」

実際周囲の人間は全員怯えた表情をしていた。どうなってる。誰がこんな事を…?

『我々はAndersです。逆らわない方が賢明でしょう。』

アナウンスの声を聞いて俺たちは息を飲んだ。Andersだと?

「やってくれるね。」
ドクターが苦い顔をした。
「最近はともかく、Andersは世間公認の悪の組織。過去にも似たような事をしていた。連中は私達に罪を擦り付けようとしているね。」
そんな…。

「いや、Andersは今も悪の組織だ。」

ずっと黙っていた総督が静かに口を開いた。

「世間の敵であることは今も変わらない。だけど」
総督は天井を睨んだ。鋭い目だった。

「勝手にその名を使われるのは面白くないね。」
スイッチが入ったようだ。


「Andersの恐ろしさを見せてあげようか。」

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