戦闘員No.25の活動日誌

とろろこんぶ

Andersの陰謀とその過程

ある日曜の駅前。
総督は仁王立ちで俺たち戦闘員を見ている。
俺を含め20人あまりの戦闘員は覆面マスクを身につけ、直立不動している。ちなみにドクターは寒いから欠席。

「私はAnders8代目総督である。今日、諸君らに集まってもらったのは言うまでもない…。我々の崇高なる目的のためだ!」
「イエッサー!!」

戦闘員はぴしっと敬礼した。Andersの活動は定期的にやってくる。なにも毎日こたつでまったりしている訳じゃない。戦闘員だってきちんといるんだから。少なくとも25人は。

「本日の活動は!ティッシュ配りだ!」

総督がポケットティッシュを掲げた。

「この活動を遂行することで近隣のスーパー、ドラッグストアは大打撃を受けるだろう。それが狙いだ!悪いことだからな!」

おおおおと歓声があがる。ちなみにティッシュの中には募金を呼びかけるちっちゃいポスターが入っている。昨夜俺と総督で作りました全部手書きです。


Andersの活動はこーゆーのばかりだ。それらしい理由を付けて奉仕活動をする。
総督がそれを望むから。だから、誰も何も言わない。覆面集団がティッシュ配る姿はそれはシュールだけど、誰も通報しない。

「きっといつか正義のヒーローが来るだろうから、それまで待ってればいいんだ。」

総督はそう言ってティッシュを配り続けた。その背中は少し大きく感じた。

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