Eater

DD

成人

俺は今、レムリアという街の王宮に居る。今日は成人の儀、これで晴れて大人の仲間入りだ。

街では謎の怪人による殺人事件が多発していて犯人探しなんかも行われているが中世の魔女狩りと何ら変わらず冤罪だらけ、罪のない人が沢山処刑されている。
魔女狩りは民衆が主になって行われていたみたいだけど今回の怪人狩りは国王の命令で行われている。国王の無能さには呆れた。

そんな国王が今目の前に居る。噂で聞いた通りオーラの無い人だ、俺でも国王になれるんじゃないかと錯覚してしまう。

そんな国王が成人証書を読み上げ、僕が証書を受け取る為、王の前に立っている。

国王が証書を読み上げた後、俺は頭を下げて両手で証書を受け取る…ってあれ、受け取れない。

顔を上げると国王が死んでいた、国王の両隣に居た護衛の兵士も死んでいる。3人とも心臓の部分に氷柱が刺さっていた。

後ろを見ると、俺と同じ、今日成人する連中が恐れ戦いた表情で天井を見ていた。
天井を見上げると冷気を発し氷の鎧を身につけた怪人と目が合った。

「あ、死んだな」そう思った。

怪人狩りのおかげで死人は沢山見たが怪人は初めて見た、まぁ、おそらくこいつが怪人なんだろう。

でも手足がない、しかも宙に浮いているから何だか幽霊みたいだ。

死ぬ前というのは随分冷静みたいだ、ぼーっと怪人を見つめていると怪人は怯えている新成人の方を向き、氷柱の雨を叩きつけ惨殺した。

流石に怖くなってきた、俺はゴクリと唾を飲み、歯を食いしばって顔を伏せ、覚悟を決めた。

「やっと見つけた」

気のせいだろうか、優しそうな男の声が聞こえた。顔を上げると怪人は居なくなっていた。自分は何故か殺されなかったらしい。

暫くその場で突っ立っていると、部屋に兵士が入ってきた。ざっと30人はいるだろうか。

「見つけたぞ!」

「怪人だ!」

「よし!捕らえろ!」

あっという間に囲まれてしまった。どうやら俺を怪人だと思っているらしい。

「待ってくれ!俺は怪人じゃない!」

「黙れ!この怪人め!」

結局信じてもらえず俺は地下牢に閉じ込められた。

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