能力しかないこの世界で

卯月色

神速の足

一方和斗と国次はどこかのトンネルにいた。
「こりゃひでーな。」
「出口を岩で塞ぐやつがいるとはな…」
「おい、国次のその足?の能力でこの岩壊せないのか?」
「うーん…出来ないことはないが問題点が二つあるな…」
「問題点?」
「うむ…1つ目は…いやまず俺の能力の話をしよう。俺の能力は足の白筋を一時的に増やす事が出来るんだ。つまりとてつもなく早くなれるという事だ。だがこれにはデメリットがある。この能力を使った後は体が動かなくなってまうんだ。それとこの能力白筋が増えるというだけで特に防御力が高くなったりしないから普通に攻撃するとダメージが来るんだ。」
「う…うん…」
「よく分かってないな?まあ要するに1つ目の問題点は岩を攻撃すると俺にもダメージが来るってことだ。」
「なるほど。」
「よし、分かってくれたみたいだな、それで二つ目なんだがあの岩を壊すためには俺は結構スピードをつけないといけない。だからこの岩の先に何があるか分からない状態は結構危ないという事。」
「まあその点は俺がどうにかフォローしてやるよ。」
「そうか、じゃあ思いっきりいくぜ!」
そう言って国次は後ろに下がっていった。その時トンネルの入り口にまで下がった国次はあることに気がつく。
(車が1台も来ない…これはもしかして俺たちだけをここに呼び寄せる罠か?そうしたらもしかすると花ちゃんのほうにも何か罠があるのか?)
そう思いつつも前に全力ダッシュして、岩に向かって蹴りをいれた国次の目の前に人影が現れる。
「!?なんだと…」 
国次の蹴りはその人物を避けきれずに蹴ってしまった。素早い蹴りで吹き飛ばすと思っていたがなんど高速の蹴りは受け止められていた。
「その程度か…まだまだだな。」
国次を受け止めた男はそう言い放った。その男はとてつもなく大柄で服を着ていても分かる様な程の筋肉があった。
「俺は岩本 牙刀(いわもと がとう)征服軍の人間だ。今日はお前らを倒すためにここに来たが…その程度じゃ何も護れないぞ。」
そう言い放って牙刀は国次の足をしっかり掴んだ。

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