【嫌われ体質】自覚したら最強?かも

久留米天狗

(95)パパが、居なくなったら…。

(95)パパが、居なくなったら…。



ジ・ザパードへの近道の山道を激走中

人の気配を感じた
「おかしいな、『ロケートアイ』での5人の冒険者パーティーには、まだ追い付かない筈なんだけど」

気配の方へ静かに行くと、怪しい男達
木の上に上がり、様子を確認。
「急いでいるのに…、変なの見つけちゃった」

洞窟らしい穴の前に居るのは、見張り?
冒険者を『ロケートアイ』で見た時に反応は無かった
『ロケートアイ』盗賊
洞窟の中の人数、諸々が確認できた。
合計6人の盗賊、外に2人、中に4人。

「盗賊の隠れ家かな?」
「こんな時、スマホがあれば写メするのに」

“ランコママ、ジ・ザパードへの山道で、盗賊の隠れ家?を見つけちゃったんだけど、どうしたらいい?”

ランコママ→カイブンさん→ジ・ユグの商業ギルド→ジ・ユグの冒険者ギルドとジ・ザパードの冒険者ギルドへ知らされた。

討伐隊が来る…到着予定が、5時間後

「5時間は待てない。」
「ペアの冒険者も心配だから、このままって事は出来ない。」
高速で処理、盗賊を麻痺させる。
拘束し、万が一麻痺が解けても動けなくしておく。
盗賊が、驚いたのは言うまでもない。

『ロケートアイ』他に仲間は?
居ないから、大丈夫かな?

“ランコママ、盗賊、麻痺させたから、ジ・ザパードへ向かうね”
一応、念話しておく

洞窟の中の物を確認。
盗賊の物とは明らかに違う道具袋が 5つ
『ロケートアイ』持ち主は?
「…。」殺され、埋められていた

ボクは、穴を掘り、盗賊の首から下を埋めた
「これで、逃げられ無いね」
「彼らを殺してなかったら、こうならなかったのに…。」
真っ直ぐ埋めたら、掘り返す時に大変かと思い、砂浜に埋めるように寝かせた状態、違うのは、うつ伏せ海老反り、背骨が悲鳴をあげます、呼吸がしにくいです。砂で無く、土です、重たいです。


パパが居たら【死者蘇生】で生き返らせられたかな?

ボクは、死体の埋めてある場所の地図を書いて、置いてきた。

ランコママに、念話する。
“盗賊に殺された冒険者の遺体を埋めてある場所の地図を置いておきます”
“アメイヤちゃん、大丈夫?”
ボクの声のトーンがいつもと違ったから?心配するランコママ

“他にも遺品らしい物、盗品らしい物あるけど、ジ・ザパードに向かうね”

ボクは、盗賊の隠れ家を後にする。

大きく息を吸い、吐く、深呼吸して気持ちを落ち着かせ、ジ・ザパードへ走り出す。

盗賊に殺された冒険者にも、ボクくらいの子供、居たのかな?
パパが、居なくなったら嫌だ!
急に悲しくなった
パパが、居なくなったら嫌だ!

走る速度が上がる

暗くなりかけの山道を激走する

サソリも夜行性、アンデッド系も暗闇で活動する、それらを食べたからか? ボクは、暗くても視覚的に問題がない

5人の冒険者を避けるため、遠回りした

魔物を分解しながら進む

早く、パパに会いたい

早く、センターに行きたい

山道を抜け、ジ・ザパードへの街道へ出る

もう、すっかり日が沈み月明かりの中をジ・ザパードへ走る

普通の商隊が6日、近道の山道を通る冒険者でも5日かかるところを10時間で走破、夜中の3時、ジ・ザパードへの連絡が行っていたのか、門は閉まっていたが、門番が門の前に立っていた。

「ハアハア こんばんは ハアハア」
息が乱れる程、激走してきた

「君が、アメイヤかな?」
門番から声がかけられた
「はい、ハアハア ボク ハアハア アメイヤです」
「連絡を受けたのが17時過ぎてたぞ、ジ・ユグから10時間で着くなんて信じられん」
門番は連絡を受けていたが、まさか子供が走って来るとは信じていなかった

「ぼ 冒険者カードをいいか?」
冒険者カード赤と試練の塔オルドルタワーのクリアの証を出した

試練の塔オルドルタワークリアの証! か 確認した、ようこそ、ジ・ザパードへ、アメイヤ君」

門を開けてもらい、ジ・ザパードへ
馬車で、冒険者ギルドのジ・ザパード支部に案内された。

〈ギルマス室〉
「ようこそ、ジ・ザパードへ、連絡は受けてたよ。アメイヤ君。流石に10時間で着くとは思って無かったがね」
「こんばんは、アメイヤです。夜遅くにすみません。」
「4歳で礼儀正しいな…、ご両親の教えかな?私は、冒険者ギルドジ・ザパード支部ギルドマスターのシウボラワ・ギム。お父さんのだいすけさんの事は、ジ・ユグで聞いたと思うが、最終確認はベドザパードのドラコスさんに会ったのが最後、その後は確認されていない。ドラコスさんの言うには、王都センターの冒険者ギルド本部に行った筈だと言うことだけ、王都センターの門を通った履歴は無い。そして、ギルド本部の闘技場が使用不能に、管理者オルドルが消えたと言うことしか解っていない。」
「本部でも、今まで無かった事態で困惑している」

「そうですか、ジ・ユグで聞いたときのままですか?」

「今日はもう襲い、ギルドの方で宿を手配している、そこで休みなさい。」
「ありがとうございます、ボクは、センターに行きたいのですが?」
「アメイヤ君、きみは冒険者の前に4歳の子供だ、体の事を考えなさい、君に何かあって悲しむ者は居ないのか?お母さんは悲しまないのか?」
ママ、ウナ、ランコママ、ビューティー…、ボクが居なくなったら、悲しまない訳がない、体を壊せば心配する

「解りました、今日は宿で休み、明日センターに行くことにします。」

ボクは、手配された宿屋で一夜を過ごすことにした。

ベッドが広い…、ボクは初めて、一人で寝る

パパが、居なくなるなんて…
『ロケートアイ』パパ
『ロケートアイ』パパ
見つけられない、ボクが弱いから?
ボクは、枕に顔を埋め泣いた
布団をかぶり、声が漏れないようにして泣いた

やはり、疲れていたのだろう
宿の人に起こされるまで寝ていた
コンコン コンコン
「アメイヤさん、起きてますか?」
「は はい、起きてます」
「朝食の準備出来てます、下へよろしいですか?」
「はい、直ぐに、行きます。」

顔を洗い下に降りた
ギムさんが居た。
「寝られたかな?」
「は はい、起こされるまで」
「大人の言うことは聞くもんだろ?」
「はい、気を付けます」
「宿代は、魔力寄付ドネーションで払えるだろ?」
「赤ランクは宿屋無料じゃなかったですか?」
「そうだったか?」
ボクは、カウンターで魔力寄付ドネーションした。ちゃんと加減して1000。
宿屋の人もギムも驚いた。

「ち 違うなぁ竜人は」

「お世話になりました。ご飯、美味しかったです。」
「こちらこそ、魔力寄付ドネーション、ありがとうございます」

「お世話になりました。センターに行きます。」
「茶屋には寄るようにした方がいい。こちらの確認も出来るし、お父さんの情報が入るかもしれんからな。」
「はい、ママ達に心配かけないようにします」
「ママ達?」
「パパには、四人ママが居ますから、ボクには四人ママが居ることになるんです」

「そ そ そうなんだね、四人ママが…。」

ボクは、ギルマスギムさんに見送られ、センターに向かった。




追記
盗賊は、確保された。
冒険者の遺体も回収された
隠れ家にあった遺品・盗品はジ・ユグの冒険者ギルド預りとなった。
鑑定後、持ち主に返される
持ち主不明の物は、売却されアメイヤのものとなる。
アメイヤは、売却を保留してもらう、『ロケートアイ』で、持ち主を確定させたいと懇願した。
鑑定で解らなかった持ち主も『ロケートアイ』で、特定し、家族へ返された。


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