【嫌われ体質】自覚したら最強?かも

久留米天狗

(31)戦いの末

(31)戦いの末



スラダン=ジョン、ヘルプシー=ルド。
名前を呼ばれた二人が驚いた、岩影からこちらを見る。
ウナが肩に座っていたので更に驚く。

「わたしはウナ、風の妖精。だいすけは怖くない。襲ったりしない」
ルド「私達が見えるのですか?」
「あぁ、声も聞こえる」
ジョン「ですよね、風の妖精ウナを連れているのですから」
「聞きたい、何故スライムの穴に結界を張ったんだ?」
ジョン「クリーム=ソーダを謝らせたかった」
ルド「ってスライムが言ったから」

スライムが人間の言葉を喋った事に驚いたらしい、いくら妖精でもスライムの言葉は解らない。

ジョン「話せるスライムだったから協力しました。」
「ここは、スライムしか出ないのか?」
ジョンわたし地下迷宮ダンジョンですから、スライムしか出ません。」
「出続けるのか?」
ジョン「上限は有りますが、減れば生まれます」
「法則みたいな物は有るのか?」
ジョン「ここでは青までしか出ません。能力はランダムです。狂暴なスライムも生まれません」
「だから、(調教後)町で使えるんだな」
ジョン「スライムに喋らせようと無茶をしなければ、こんなことにはならなかったんです。」
ルド「でも、そのお陰でスライムが話せるようになってるんですけどね」

「ここには、二人で(住んで)居るのか?」
ルド「たまたまここへ来ただけです。」
「相当魔力消費してるな。回復しないのか?」
ルド「結界を張り続けてましたから、あなたたちがソーダを連れて来てくれて良かったです。 これで、帰れます」
「ところで、あの結界ってどういう仕組みだ?」
ルドの説明タイム


その頃、スライム×101vs.ソーダが始まっていた。
100体のスライムが不規則に攻撃してくる。
 ソーダの右から後ろから左から時には上から、ソーダはスライムを避け、当たりそうなスライムを受け止め下ろす、余裕だ…、100とはいえスライムだ。 それが油断を生んだ。 攻撃のリズムが変わり、1匹が当たると避けきれなくなった。
ドン「あたっ」 ドン「わっ」
ドンドンドン「くっ」
ドンドンドンドンドンガブッ「ギャー」
ガブッガブッガブッガブッ 噛まれた

説明タイム中もスライムとの戦いを見ていた。
「スライムに歯が有るのか?」
ジョン「無いです」ルド「無いはずです」

ソフトが笑っていた。
ウナも笑っていた。
俺もおかしくなってきた。
説明タイムが終わり、『条件壁コンディションシールド』を修得した

スライムを観察中 あれが、スラちゃん?
1匹がスライムを先導しているようだ
姿を消している。 (『擬態』獲得)

スライム達は満足したのか、ソーダから離れた。 ソーダはべちゃべちゃ、スライムのよだれ? スライム達との戦いの末、ソーダは粘液でべちゃべちゃだ。

ソフトは笑っていた。
ウナも俺も笑いが消え、「気持ち悪い」
ウナの呟きに同調シンクロした


「スラちゃん、その辺で許してあげて」
ソフトがスライムに語りかける

「ダメ、許さない! わたしに***ピー***ピーな事したソーダは許さない。」
ボン ジョン、ルド、ウナ、ソフトから何か出た。俺も言葉を失った、ソーダがそんなことやあんなことをしたとは…、これはスライムが怒っても仕方ないだろう。スライムはメスだし、スライムにあんなことやそんなことが出来たことにも驚いた。

「なぁ、スライムにあんなことやそんなことが出来るのか?」
「し 知らないわよ。だいすけのスケベ」
「私達も聞いたことありません」
ウナにスケベ扱いされ、100歳越えの妖精のジョンもルドも知らないと言う。


「『条件壁コンディションシールド』、解除リリース条件、二人のバトル終了」
スライムの広場の隅にシールドを展開、ソフトとソーダのバトルが始まった。
 ソーダへの一方的な教育的指導。ソーダが悪いから、こちらに被害が及ばない様にソフトが心置き無く本気が出せるようにしてあげた。これは夫婦間の問題でもあり、俺は、手を出さない。
 スライムたちもシールドのこちら側に避難。 全てのスライムの避難を確認後、土壁を造った。『条件壁コンディションシールド』は不可視…透明な壁だから。
 攻撃は通らないが見たくない。




蜜玉ちゃん食べるか?」
102個(スライム101+俺)の蜜玉と欠片(妖精3人分)をランドセルから出した。
※欠片をランドセルの中にも入れた。



「お前らは、迷子の妖精じゃ無いんだな?」
ジョンわたしは、このスライムの穴の管理者です。」
ルドは、人間界のパトロールの任を受けてます。」
「だいすけも精霊パーク様から、迷子探しを頼まれてる」
「「何者です。だいすけさんは?」」
「俺の事はいい、スライム、お前はどうするんだ? ソーダへの復讐は済んだんだろ?」
スライム「…、だいすけは人間?」
「へ?そうだが、人間に見えないか?」
スライム「何で妖精と話せるの?」
「さあ? 知らん」
スライム「でも、だいすけが妖精の言葉を話せて良かった」
「は? 妖精の言葉を話してはないぞ」
出来るとは思うが…。
スライム「でも、今、妖精と話してるじゃない?」
ウナも、ジョンもルドも「?」

「確かに話してるが、人間の言葉を使ってるぞ」
「でも、今、話してる…??????? スライムワタシが、人間の言葉を使ってる?」
「スライムが人間の言葉を使ってるよな」
同意を求めた。
「うん、スライムが人間の言葉を使ってる」
「「はい、スライムが人間の言葉を使ってます」」

「えーっ!」
何故驚く?

「ワタシ、喋れてるの?人間の言葉を…。」
「おかしなスライムヤツだな、気づかなかったのか?」
「ワタシ、妖精と話せてると思ってた」
「妖精とも話せてるな、人間の言葉を使って」
「じゃあ、ソーダはワタシを話せるようにしたって事?」
「そうなるな。 ***ピーなことをした結果だとしても」

パリン 結界が壊れた ソーダとソフトの戦いが終わった。 土壁を消した。

戦いの末、ソーダがボロボロになっていた。
装備もボロボロ、虫の息…。自業自得と言えばそれまでだが…、やり過ぎてない?

「もういいか?」

「最低…。」はぁはぁはぁ

スライムがソフトに飛びつき抱き付いた。ソフトはスライムを受け止めた。
「ワタシ、ワタシ、話せる…。」
「そうね、話せるようになってるわ」


「町で働いてもいいと思うスライムは着いてきてくれ」
ピョン ピョン プニョ プニョ

ソーダを放置して
ソフトはスライムを抱いて、ヘルプシー=ルドは妖精の門を開いて妖精界に戻り、スラダン=ジョンはスライムの穴に残り、俺はスライム軍団を引き連れ、スライム育成所へ戻った。

スライム軍団を引き連れた俺に、門番は驚く。その事は冒険者ギルドへ知らされ、後に呼び出される。


スライム育成所で、ランドセルからスライムを出し、元の大きさに戻す。(『小さいパルゥス』を解除。)
スラちゃんとソフトはそれを見て驚く。

「これだけ、やる気のあるスライムが居たら、当分大丈夫だろ?」
「忙しくなるわね」ニコッ
「ワタシも手伝う」
「じゃあ、従魔手続きをしないといけないわね。この施設初のスライムの従魔になるわね」
ソフトはスラちゃんを抱き締めた。

◆冒険者ギルド◆
ソフトはスラちゃんを従魔登録した。
スライムのスライムテイマーの誕生

ギルド職員も初のスライム従魔登録に驚く、更にスラちゃんが、人間の言葉を話して驚く。

俺は、ギルドマスター室に呼ばれた。
ギルドマスターアリス(カマゴリラ)がニコニコしながら俺を見る。
ソーダの失態と妖精の存在を話さず、上手く話をでっち上げた。 自己満足する。

「そぉ~、スライムが~話せるように~なって~、ストライキをしたのねぇ~」
「ソーダがちょっと過激な調教をしたみたいだ。 その事が原因かは解らんが、それがきっかけでスライムが話せるようになったと思う。」
「それで~、結界が出来た原因は~解らないと言うことね~」
「俺は、結界の仕組みがよく解らん、でも今はその結界も消えている。」
「今まで通り~、スライムの穴が~使えるのね~、ア・ナ・が」
何故『穴』を強調する?
「今回のスライム捕獲の依頼はどうなるんだ? 俺が連れてきたのは42匹だ。話せるスライムは数に入れてない。」
「下で、報告してね、42匹を手懐けた~って。」


俺が呼び出された時点で受付のお姉さんピッツァには知らされていたのでスムーズに捕獲報酬とポイントが貰えた。
42匹だと知ると職員全員驚いた。
(ソフトの依頼達成証明書に42匹とあった)
ギルドの新記録だと言う。因みに今までは、6匹(ソーダとソフトの同記録)だったそうだ。ケージ3個(1つに二匹)、ケージで運べる限界かな?
 俺は、スライムに着いてきてもらったから42匹いけた、ランドセルだけでも8匹だったから、新記録にはなっていた。




〈余談〉
 スライムの二キロの移動は体力的に厳しい、俺がエリアヒールで回復しながら移動したのは、言うまでもない。
 教育訓練を受けてないスライムが二キロ着いてきたのは、スキルとスラちゃんと蜜玉飴ちゃんのお陰だ。1キロと町到着時に蜜玉飴ちゃんをあげた。スライム達が俺の言うことが解ったし、スラちゃんがスライムの穴の中で基礎訓練をしていたから。

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