殺人形と死の舞踏

ケツパ1号

episode1 オワリ

20XX年8月14日
??「起きろくそ兄貴ー!」
  そんな声が耳に響くと共に腹部に強烈な痛みが走った。
「ぐはぁっ!」情けなくもこれが僕、住良木黄金のこの日最初の言葉であった。

「何するんだよ美黒、、」

美黒「何ってこの超優しい妹であるこの私がわざわざ兄貴を起こしに来てやったに決まってんじゃーん♪」
  
満面の笑みで美黒は言った。
  
彼女の名は住良木美黒である先程彼女の言っていた通り僕の妹であり黒髪のロングのややボーイッシュで明るく元気な女の子である。
  
少女は僕の胸ぐらをつかみ、ぐらぐらと揺らした。


「はいはい起きますよ、わかったって、これ以上やるとまじで吐くからやめろって。」

  僕はそう言って美黒を落ち着かせ、

「これから着替えるから部屋から出てけ」と少女を部屋から追い出した。

  美黒は少々残念そうな顔を見せ階段を降りていった。 僕は着替え始め、ズボンを履き寝巻である服を脱ごうとしたとき、視線のような何かを感じ取った。


「美黒、、変態もいい加減にしろよな、」
そう言って服を脱ぐと特に誰もいなく、そういった気配もしなかった。
  
僕は視線や気配に敏感だったが今回は寝ぼけていたせいか勘違いしてしまったそうだ(この話は美黒に言わないでおこう)服を着ながら小さな声でひとり言を言った。
  

着替えが終わり僕は2階からの階段を下りた、下の階からはパンの焼けるとても良い匂いとゆったりとした鼻歌が聞こえてくる。


美黒「お!降りてきたベストタイミング!ベストなタイミングだよ兄貴!」

美黒はそう言って皿に料理を盛り付けた。

「今日のメニューはパンとサラダとそれとそれとベーコンと目玉焼きだよー兄貴は幸せ者だねーこんなにかわいい妹であるこの私にアニメみたいな朝食を作ってもらってるんだから♪」


黄金「そかそか」 

僕は言葉を華麗に受け流しテーブルに座り朝食を食べた。 

美黒「もーつれないなぁー」


しばらくくだらない会話がつづき朝食を食べ終える、
テーブルの隣には僕の鞄と美黒の鞄が並んで置いてあった。


美黒「兄貴、8時だよ、全員しゅっぱーつ!」

そう言って靴を履いている美黒に追い付き隣で靴を履いた。
              

               2人「行ってきます」「いってきまーす」


美黒は家のドアを開けた、その瞬間、、


僕の目の前に赤色のナニかが身体を覆い僕はたまらず目を閉じた。目を開き目の前に移る光景を理解するのに時間がかかった、、いや理解したくなかったというほうが正しいだろう。


   「あぁ、、あぁ、あ?、、、ああぁぁぁ!」


目の前には。

首のあったはずの妹の胴体とその奥に人形の謎の物体が僕の目に鮮明に写っていた。

次の瞬間僕は振り向き家の中に走り逃げ込む。走り走り走り走りキッチンに逃げ込みキッチンテーブルの下に隠れた、そこにはわずかにさっきのパンの焼ける良い匂いが残っていた。


「なんだよ、、なんだよあいつ!」


僕は声を震わせて小さなひとり言を始めた。


「美黒が死んだ、、美黒が、なんで?、どうして?、あいつはなんだ、今の状況はどうなっている?あいつは今どこにいる?」


僕は恐る恐るキッチンテーブルから少し顔を出す、目の前にいた化物を目視した、


化物はソファーやテーブルにぶつかって動けなくなっていた。


(あいつは美黒を殺した、何もしていない美黒を、あいつの人生を終わらせた。だから俺があいつを殺さなければ、、いや、殺す!そのためにはどうすれば良い?思考を巡らせろ!今あいつを殺すにはどうすれば良い?、、!?)


僕の目の前には先ほど美黒が使っていた包丁が一本置いていた。(これを使うしかない、タイミングは、、、、、、、3..2....1..今だ!!)


  僕はキッチンテーブルを飛び出して化物に向かって一直線に走る、

  そして右手にもった包丁に全神経を込め降り下ろした。

奇跡的にその瞬間化物は振り向き丁度首に包丁が突き刺さり化物はその場に倒れ込む、

僕は、、、、
何度も何度も何度も何度も首に包丁を刺しては抜くモーションを繰り返す。

謎の物体が機能を停止したのを確認し崩れ落ちる。


「やった、、やったぞ美黒お前の敵、打ってやったぞ!」僕は叫んだ、しかしその時背中が凍りつくように気配が後方から向けられる、「っ!」僕は反射的に気配の反対側へと跳び跳ねた、そしてその姿を確認した、、、、、した?、


僕の目に写ったものは、





                                  「美.......黒...?」



目の前には首のない美黒の身体があり、自身の身体が落し穴に落ちたかのように崩れ落ちる。

意識が遠くなり体が動かず唯一動く目を左にそらすとそこには見たことのあるズボンがあった。

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