俺をかわいい女の子にしてください!

ゆーD

友達は大物

 ミューナは歌いながら友達であるエミリの家へ向かっている。
 この街は四層構造となっていて一番外側の一層が平民の暮らす住宅街。
 そして二層目には商人たちの暮らす商店街や学校、娯楽施設がある。
 そして三層目は権力の少ない貴族家や有力な商人が住んでいる。
 最後の四層目は王族と有力貴族しか住めずここだけは他と違い10メートル程の壁が立っていたり入るのに通行税がとられ、念入りにチェックされる。
 もちろんミューナの家はこの四層にある。
 そしてミューナが今歩いているのは同じく四層で向かう先はこの国で一番大きい建物の王宮である。

 警備である人に挨拶をして王宮にあげてもらいエミリの部屋に向かう。
 本来ならば顔パスなど絶対にしてはならない行為だがエミリの数少ない友人として王が直属に命令を下したのだ。
 
「エミリちゃん遊びきたよー!」
 そして扉がバンっ!と開く
「ミューナちゃん待ってたよおおおお!!」
 エミリはミューナほどにかわいい子が好きらしくミューナはその格好の餌となっていたのだった。
 しかしミューナもやられるだけではなく立派にやりあうのだった。
 何を言おう、エミリはこれぞ王族の娘と言わんばかりの綺麗な顔立ちに白髪で華奢な体で清楚な白とワンピースを着ている。イメージも純白といった感じだが間違ってはいないだろう。大人っぽい感じではないが決して幼いというわけでもない。これがまたそそる。うん。
 エミリは現在ラザーニャ魔法学校の生徒会長をやっていてミューナと同じく十二年生だ。

 エミリはミューナ達が入学してくるまで優秀な魔法士として皆から頼られていたがミューナ達がきっかけでそれがなくなってしまい、少し八つ当たりしようかとミューナを見に行ったときにやられてしまったのだ。ミューナの圧倒的なかわいさに。
『かわいいは正義』こんな言葉がある。まさしくそれだった。エミリは自分のことは比較的整っている方だと自分でも思っているがそんな自分が霞んでしまうほどのかわいさを兼ね備えているミューナを見て一瞬にして虜になってしまった。
 またミューナの性格が天然で可愛さを振りまくためにエミリの心は浄化されすぐに好きになってしまった。

 エミリのことを『エミリちゃん』と呼べるのはこの先どこに行ってもミューナだけだろうとエミリは思う。なぜな自分は王族でどこにいってもエミリ様だの第一公女様だのとそんな扱いばかりだからだ。
 そんな中でのミューナな存在はエミリの中でとてつもなく大きくなって今では滅多に人を部屋に入れないエミリがミューナとお泊まり会までしてしまうほどである。

 ただ今日は勉強会という名のエミリが監修したファッションショーであった。
 エミリが持っている服をミューナに着せカメラに似たような魔道具で撮影していく。シャットというらしい。
 エミリの中ではこのファッションショーは自分の私欲を肥やすとても重要な時間なのである。
 そのため何があろうと撮影を続けるしミューナが変な動きをするとすぐさま指摘して激カワなポーズを取ってもらう。
 これを繰り返すこと三時間。なんとかファッションショーは終わりミューナはエミリのベットで倒れていた。
 落ち着きのないミューナにとって止まり続けるこのファッションショー+撮影会は苦痛でしかない。
 ならなぜ続けているかというと次の楽しみがあるからである。
「ふふふ、エミリちゃん。覚悟はできてるよねぇ?えへへへ」
「いや、ちょっとまっ━━━━━━」
 その瞬間ミューナがエミリに飛びついた。
「いやっ、あっだめ!ちょっとそこは・・・・・・っ!んっ!」
「えへ、えへへへへ、エミリちゃんかわいいぃぃ!」
 そう。そこには完全におかしくなってしまったミューナがいた。
 ミューナはエミリと出会った初日にエミリに抱きつかれた瞬間に気づいてしまった。
 このさわり心地と肉付き感そしてこの匂いは天性のものだと。
 もうこうなるとミューナは止まらないためエミリはこの時間に耐え抜くしかないがエミリもミューナに抱きつかれて嫌なわけではなくむしろ喜んでいる側なので一石二鳥といったところなのだろうか。


 一時間ずっと触り続けたあとミューナはエミリを抱き枕にして寝てしまった。
 もちろんエミリは起きているがミューナの寝顔はこの世界の何ものにも変えられないほど美しく先ほどからシャットでミューナの寝顔を撮りまくっている。
 個人的なミューナファイルがとうとう100を超えるということで厳選した写真を作りたいのだがどれもこれもが自分好みで選べないのが最近の悩みであるエミリだった。

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