悪魔と女の子

長宮 らそな

くま太郎とトランプ


一応部屋に来たはいいんだけど…


見舞い品多くない?

友達いなくても、親とか親戚からっていうのはわかるけどさ

いや、それにしても多くない?

フルーツ、お菓子、本、花、ぬいぐるみ、etc.etc…

その中でも、綿原莉子の上半身くらいの大きさはある、大きなクマのぬいぐるみが目を引いた。

そんな僕に気づいた綿原莉子が

「この子?この子はね!くま太郎って言うんだよ!ほら、くま太郎挨拶して!」

と言うと腹話術で

「こんにちはクマ!僕はくま太郎!仲良くしてね。ルシファーくん!」


『クスッ』

「やっと笑ったー!ずっと笑わないから心配だったんだ!」

『…心配してくれてたの?』

「うん!無理に連れて来ちゃったかなとか、なんだこいつって思われてないかな?とか」

『ありがとう…』

「どういたしまして!それじゃ遊ぼう!何して遊ぶ?トランプとかあるよ!」

『じゃあトランプしよっか。』

「うん!」

ちょっと心が痛むけど、僕は連日彼女と遊んだ。

そんなある日、8日目に僕は自分の中にある、ある感情の存在に気づいた。


好きになっていたのだ。

彼女のことが、恋愛対象として。

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