月を照らして

eyu

銀色の月

こんにちわ!月です!みんなにはルナって呼ばれてます!
ガイアをお守りするために生まれてきた私ですが、生まれてからずっと私をいつも明るく照らしてくれるのは、憧れのアグニ様!きゃー!でもでも、それは私だけじゃなくて、みんなを照らしてくれてるってすぐに気付いて、なんだか悔しいの。
あぁ、私だけのアグニ様になってくれたらっていつも思っちゃう私って馬鹿よね…。

「ルナ、今日も輝いてるね。素敵だよ。」
「えぇ!あ、ありがとうございます!アグニ様もいつもよりとっても眩しいです!」
「それはよかった。僕の輝きが弱くなると母上が怒るし、何よりせっかくの生き物の命を失うことになるからね。気を付けないと、ガイアまで怒らせてしまうよ…。」
「…アグニ様ったら、またガイアのこと気にかけてる…。」
「ん?どうしたんだい、ルナ。」
「ああいえいえ!ガイアお姉様も怒ると怖いですからね~!アグニ様に何かありましたら私も黙ってないですよ!」
「ははは、ルナは優しいからね。きっと、ガイアも頼もしいと思っているさ。」
「!あ、アグニ様…!」

「もーうるさい!いっつもイチャついてんじゃないわよ!」

「おっとガイアが起きたみたいだ。」
「当たり前よ、アンタの暑苦しい存在感におちおち眠れやしない。」
「ガイアったら!アグニ様に失礼だわ!」
「そのアグニ贔屓太陽信仰どうにかしてくれない?どこぞの生き物と同じ発想で気持ち悪いわよ。」
「あわわ!母上に知られたらガイア怒られるよ!」
「母上の玩具だもんね。あーあ、父上と一緒の方が楽で良かったのにな…。」

この広い箱庭にいる前に、私たちは父上といつも一緒に過ごしていた。何もないところで、ただ自由に過ごしていたけれど、私は今の方が面白くて好き。

「かわいいね、小さな命。一生懸命で、ひたむきで、ずっと見ていたいな。」
「ルナは知らないのよ。この小さい生き物が何をしているのか。私の体を貪りながら、どんどん増えていくの。
母上が何を考えているのか、よく分からないけれど、私はルナみたいには思えない。」
「ガイア、母上はきっと考えてくださっている。
僕たちを創造してくれてたときから、それは変わらない。
拗ねてはいけないよ。」

ー私はガイアが羨ましい。アグニ様はいつもガイアを気にかけてる。母上も、ガイアのことばかり。
私はガイアを守るために生まれてきた盾。たくさん星屑を食べてきて、ちょっと不恰好なのがコンプレックス。
小さな命を守ることができて嬉しいけれど、なんとなく寂しい気持ちになるの。

コメント

コメントを書く

「文学」の人気作品

書籍化作品