龍の子
9話 『孫マゴ大作戦!』
「お前達二人には怖い思いをさせて本当に申し訳なかった!その、ごめん…なさい!」
部屋に入ってくるなり母さんが俺たち二人に謝罪をしてきた。
「大丈夫だよ。俺もミーシャも特に大きな怪我は無かったし、それに母さんが少し見栄っ張りでおっちょこちょいなのも知ってたからね。ミーシャも分かってくれてると思うよ?なっ!」
同意を求めるためにミーシャに問いかける。
「うん、お母様カッコよかったよ!」
まぁ、そういう事じゃないんだが…
もしかしてこの子はお馬鹿さんなのかな?
「ミーシャもあれが出来るようになれるの?」
母さんからちゃんと龍激がちゃんと習得できるのか?
あれほどのエネルギーの暴発。見栄っ張りな母さんの事だから恐らく龍激の中でもとびっきりの技を使ったに違いない。
「問題ないのだ!…私からはすこし事情があって龍激は教えられなくなりそうなのだが、先ほどやってきて男の人が教えてくれるそうなのだ。あの人は私よりも龍激が得意だからすぐ習得できるぞ」
俺ら二人にしか聞こえないような声で母さんは言った
「ほんと!?やったぁ!」
感情を爆発させるミーシャ
「おばか!声がでかいのだ!」
おばかて…
「と言うか、母さんはなんでさっきから小声で話してるんだ?」
「それはだな、実はあの男の人は気難しい性格をしていてな。お前たちに龍激を教えるのを止めようとしているのだ。そして、小声で話してるのはあの男の人の硬い頭を一気に柔らかくさせるための作戦を伝えるからなのだ」
なるほど、やっぱり実子ではない俺らに龍激を教えるのは躊躇われるのか。
「よし、それでは作戦を伝えるのだ。なーに、簡単な事なのだ。今から私がやる事を真似れば良いのだ。いくぞ!」
一体、何をすると言うのか。
母さんは少し屈んで、そのまま両手をグーにし顎に添えて、上目遣いのまま少し声のトーンを高めてこう言った。
「お願い!おじいちゃん!私達に龍激を教えてくださいな!」
キラ☆
んなっ!?
何を言ってるんだこの人は!
しかも、おじいちゃん??
「いいか、絶対にこれを真似るのだ。あの男を動かすにはこれしかないのだ。私からやっても良かったのだが、やはり直接龍激を教わるお前らがやったほうが効果抜群だろう。うむ、題して『孫マゴ大作戦!』だ!」
うわ、目がマジだ!
「いいか、ミーシャはエルの後に真似をするだけで良いからな?」
…やるしかないんだろうな。なんだかんだ龍激は俺に必要なものだ。
この作戦、何としても成功してみせる!
「パパ上、入ってきてくれ」
ぱ、パパ上?…
がちゃりと家のドアが開く。
「お父様と呼べ!!」
何年間も繰り返された熟練の掛け合いに思わず言葉が出てきたのだろう。
瞬時に緊張が解け、今にも吹き出しそうになる。
しかし、男がこちらを見つけるとまたしても部屋は緊張の渦に巻き込まれる。
本当にあんな作戦で平気なのか?
「ふむ、君たちがミアレが拾ってきた子供達だな。先ほどは私の娘が怖い思いをさせたようだ。誠に申し訳なかった。可哀想に、まだ震えているのか」
いや、あんたの放つ緊張感に震えてるんだよ!
てか、この余所余所しい感じはまだ、俺たちの事を家族だと認めてないのが分かる。
少しムカつくな。
「さて、色々と話もしたいが単刀直入に言わしてもらう。君達には身勝手で申し訳ないが龍激を教える事は出来ない。本当なら龍激の伝授も断った上で君たちを元いた場所に帰してあげないといけないのだが、どうやら君達は産まれた時からここで暮らしてる様だね。それなのに急に外に出て暮らせなどと可哀想な事は言わない。だが、このダンジョンに居座っても良いが龍激は教える事はできな…っ!!」
!?
なんだ、この威圧感は!?
目の前の男性でも母さんからでもない。
俺の後ろ隣に居るミーシャからだ。
「この威圧感は一体…。いや、以前にもどこかで感じた事がある。しかし、彼女はもう……ありえない!」
男が何やらぶつくさと呟いている。
「ミーシャはお母様と兄貴が居るこの場所が唯一のおうちなの。それなのに、はなればなれにしようとするおじいさまなんて大っ嫌い!!おじいさまのお馬鹿!!」
ミーシャ、物凄く怒ってるのは分かるけど離れ離れ問題は割と解決に向かってたぞ?
「…そんな、まさか!!そのお怒り方。そしてこの不器用に溢れ出る魔力。やはり、貴女はあのお嬢様なのですね!容姿もどことなく似ている気はしていましたが、ここまでくれば間違いありません!」
え?あ、あー。え?そういう??
ん!?
「おじいさま、何言ってるかわからない!!お馬鹿っ!!」
ボゴっ!!
うわっ、えげつない音したぞ!ミーシャ、いつのまにそんなに強い物理技を覚えたんだ…。
鳩尾に蹴り入れただけだけど。
「ふふ、懐かしいですね。お嬢様の魔力で馬鹿みたいに強化された蹴りを私が龍激を使って受け流す。このやり取りはもう400年と少しほどぶりだな…結局お嬢様は龍激の習得までには至りませんでしたが」
何を言ってるんだ?この男は。
「馬鹿な事を言わないでよパパ!!お嬢様って、昔パパが務めてた先代魔王城での話をしてるのだ?そんな古い時代の話まだ、私も産まれてないのだ!!」
魔王城!!そんな大層なとこで働いてたのかこの男。
ってか、それミーシャってばものすごい経歴の持ち主だったりするのかなぁ…。
「あぁ、そうだ。今頃は子供の一人や二人くらい居てもおかしくないくらいの立派な女性になっているはずだな。……生きていればな」
むむむむむ??
生きていれば?
え?ミーシャ、死んでるの??
「む〜〜??」
ミーシャ本人も思考が追いつかないみたいだ。
「お嬢様は生まれつき魔法が不得意でな。その代わりなのか、何故か魔力を呪術のエネルギーとして扱う事ができたのだ」
呪術…。
俺も何者かに咒を掛けられてる。
なんだろう、何故か他人事の様に感じない。
「そして、呪術の中には死者を一度だけ蘇らせる…いや、魂をこの世に縛り付け。新たな肉体に宿らせる『世縫いの咒』と言うものがあるのだ。お嬢様はもしかしたらその術を使い再びこの世に舞い戻って来たのかもしれぬ」
なるほど、そうして戻ってきた魂が宿ったのが今のミーシャの肉体って事か。
「あの、一つ聞いてもいいですか?」
ふと、思った疑問を投げかける。
「なんだ?」
「あの、どうしてミーシャ?は死ぬことになったんですか?」
お嬢様?なんて名前なのかわからないからとりあえずミーシャって事にしておいた。
「馬鹿兄貴、ミーシャは死んでない!」
あ、確かに本人の目の前でこの質問の仕方は少しだけ拙かったな。
「うむ、良いだろう教えてやる。まず、始めに答えを言っておこう。お嬢様が死ぬ原因にあったのが人間の王族だ」
確かに、この国は召喚してすぐに王族の都合のいい様に勇者に洗脳を掛けるとかしないとか良からぬ噂を聞くからな。
「王族が?」
「そうだ昔、人間の国と魔族の国の二大に分かれていた時代があったのだ。今でこそドラゴン族も立派な種族として認められてはいるが当時はほとんどが人間や魔族のペットや乗り物の類。そして龍皮は耐熱、耐寒両方に優れることから狩の対象になっていたのだが…。うむ、龍族の話は今はいいか」
ちょっと聞きたいけど、とりあえずミーシャ?が死んだ理由が優先だ。
「うむ。そして、魔族と人間の二つしか無かったこの国は頻繁に戦争を繰り返していたのだ。しかし、人間側には異世界から人間を召喚する術があった。そう、勇者だ。勇者は我ら魔王軍に対しパーティと言われる少数精鋭で対抗出来るほどの実力を持っていたのだ。そして、事は起きた。俺がドラゴン達に応援を求めるため一旦戦線を離脱し、郷に帰るため飛び立った後の事だった。魔王城の方角に空から一筋の光の柱が降ってきたのだ。嫌な予感がした。俺がすぐさま引き返した時にはもう遅かった。魔王城には一つの気配も残さずただ肉の焦げた臭いが辺りに充満していたのだ。城の外には丸焦げになった勇者や王国兵士の死体が沢山転がっていたのだ。後にこの事は、くだらない戦争を繰り返す地上の生き物達に神が怒り、どちらが悪か明白に裁きを下したとかなんとか人間の王が堂々と宣言していたのを思い出すよ」
神が手を下す?
確か生き物が暮らす世界に干渉するのは出来ないんじゃなかったんだっけ?
『そうだよ!そのせいで亡くなった遺族からすごいバッシング受けたんだから!全く人間風情が神を名乗ってわけわからない事するのはやめて欲しいよね!!』
うわ、なんか出てきた。
まぁ、でもやっぱりそういう事か。
味方の勇者や兵を囮にしてきっと何かどデカイ魔法でも放ったのだろう。
『生き物の魂を燃料にして放つとてつもない技だったなぁ。生き物にしか効かないんだけどね!因みに技の考案者はこれまた勇者さんだよ!』
ある程度ネタバレしてくれるのはありがたいんだけど、この神様、俺に付きまとってて良いのだろうか。
『大丈夫!今は妹に全部任してるから!それよりも君に芽生えた新しいスキルの方が気になるなぁ』
神にも妹って居るんだ…。
可哀想に。
『あたま良いからだいじょーぶだよー』
可哀想に…。
「どうしたのだ?さっきからぼーっとして。まぁ、子供にこんな話をしても難しかったか。これでもかなり省略したつもりなのだが…」
そう言えばお話の途中だった。
 
この人ちょっとだけ話し長いんだよなぁ。
「まぁ、いいか。こうして先代魔王『ディグノス・マグノリア』様と唯一の娘である『レイア・マグノリア』お嬢様は命を落としたとされているのだ」
次回へ続きます。
おはようございます。凄い羽の虫です。
急展開です。
だれか、俺の考え読み取って代筆してくんないかなぁ…。なんて。
レイア「え、なにその展開マジで知らんわ!え?怖?なになに?転生って!てか私からなにか話したらネタバレになるし話さないよ??はい、おしまいおしまいー!」
部屋に入ってくるなり母さんが俺たち二人に謝罪をしてきた。
「大丈夫だよ。俺もミーシャも特に大きな怪我は無かったし、それに母さんが少し見栄っ張りでおっちょこちょいなのも知ってたからね。ミーシャも分かってくれてると思うよ?なっ!」
同意を求めるためにミーシャに問いかける。
「うん、お母様カッコよかったよ!」
まぁ、そういう事じゃないんだが…
もしかしてこの子はお馬鹿さんなのかな?
「ミーシャもあれが出来るようになれるの?」
母さんからちゃんと龍激がちゃんと習得できるのか?
あれほどのエネルギーの暴発。見栄っ張りな母さんの事だから恐らく龍激の中でもとびっきりの技を使ったに違いない。
「問題ないのだ!…私からはすこし事情があって龍激は教えられなくなりそうなのだが、先ほどやってきて男の人が教えてくれるそうなのだ。あの人は私よりも龍激が得意だからすぐ習得できるぞ」
俺ら二人にしか聞こえないような声で母さんは言った
「ほんと!?やったぁ!」
感情を爆発させるミーシャ
「おばか!声がでかいのだ!」
おばかて…
「と言うか、母さんはなんでさっきから小声で話してるんだ?」
「それはだな、実はあの男の人は気難しい性格をしていてな。お前たちに龍激を教えるのを止めようとしているのだ。そして、小声で話してるのはあの男の人の硬い頭を一気に柔らかくさせるための作戦を伝えるからなのだ」
なるほど、やっぱり実子ではない俺らに龍激を教えるのは躊躇われるのか。
「よし、それでは作戦を伝えるのだ。なーに、簡単な事なのだ。今から私がやる事を真似れば良いのだ。いくぞ!」
一体、何をすると言うのか。
母さんは少し屈んで、そのまま両手をグーにし顎に添えて、上目遣いのまま少し声のトーンを高めてこう言った。
「お願い!おじいちゃん!私達に龍激を教えてくださいな!」
キラ☆
んなっ!?
何を言ってるんだこの人は!
しかも、おじいちゃん??
「いいか、絶対にこれを真似るのだ。あの男を動かすにはこれしかないのだ。私からやっても良かったのだが、やはり直接龍激を教わるお前らがやったほうが効果抜群だろう。うむ、題して『孫マゴ大作戦!』だ!」
うわ、目がマジだ!
「いいか、ミーシャはエルの後に真似をするだけで良いからな?」
…やるしかないんだろうな。なんだかんだ龍激は俺に必要なものだ。
この作戦、何としても成功してみせる!
「パパ上、入ってきてくれ」
ぱ、パパ上?…
がちゃりと家のドアが開く。
「お父様と呼べ!!」
何年間も繰り返された熟練の掛け合いに思わず言葉が出てきたのだろう。
瞬時に緊張が解け、今にも吹き出しそうになる。
しかし、男がこちらを見つけるとまたしても部屋は緊張の渦に巻き込まれる。
本当にあんな作戦で平気なのか?
「ふむ、君たちがミアレが拾ってきた子供達だな。先ほどは私の娘が怖い思いをさせたようだ。誠に申し訳なかった。可哀想に、まだ震えているのか」
いや、あんたの放つ緊張感に震えてるんだよ!
てか、この余所余所しい感じはまだ、俺たちの事を家族だと認めてないのが分かる。
少しムカつくな。
「さて、色々と話もしたいが単刀直入に言わしてもらう。君達には身勝手で申し訳ないが龍激を教える事は出来ない。本当なら龍激の伝授も断った上で君たちを元いた場所に帰してあげないといけないのだが、どうやら君達は産まれた時からここで暮らしてる様だね。それなのに急に外に出て暮らせなどと可哀想な事は言わない。だが、このダンジョンに居座っても良いが龍激は教える事はできな…っ!!」
!?
なんだ、この威圧感は!?
目の前の男性でも母さんからでもない。
俺の後ろ隣に居るミーシャからだ。
「この威圧感は一体…。いや、以前にもどこかで感じた事がある。しかし、彼女はもう……ありえない!」
男が何やらぶつくさと呟いている。
「ミーシャはお母様と兄貴が居るこの場所が唯一のおうちなの。それなのに、はなればなれにしようとするおじいさまなんて大っ嫌い!!おじいさまのお馬鹿!!」
ミーシャ、物凄く怒ってるのは分かるけど離れ離れ問題は割と解決に向かってたぞ?
「…そんな、まさか!!そのお怒り方。そしてこの不器用に溢れ出る魔力。やはり、貴女はあのお嬢様なのですね!容姿もどことなく似ている気はしていましたが、ここまでくれば間違いありません!」
え?あ、あー。え?そういう??
ん!?
「おじいさま、何言ってるかわからない!!お馬鹿っ!!」
ボゴっ!!
うわっ、えげつない音したぞ!ミーシャ、いつのまにそんなに強い物理技を覚えたんだ…。
鳩尾に蹴り入れただけだけど。
「ふふ、懐かしいですね。お嬢様の魔力で馬鹿みたいに強化された蹴りを私が龍激を使って受け流す。このやり取りはもう400年と少しほどぶりだな…結局お嬢様は龍激の習得までには至りませんでしたが」
何を言ってるんだ?この男は。
「馬鹿な事を言わないでよパパ!!お嬢様って、昔パパが務めてた先代魔王城での話をしてるのだ?そんな古い時代の話まだ、私も産まれてないのだ!!」
魔王城!!そんな大層なとこで働いてたのかこの男。
ってか、それミーシャってばものすごい経歴の持ち主だったりするのかなぁ…。
「あぁ、そうだ。今頃は子供の一人や二人くらい居てもおかしくないくらいの立派な女性になっているはずだな。……生きていればな」
むむむむむ??
生きていれば?
え?ミーシャ、死んでるの??
「む〜〜??」
ミーシャ本人も思考が追いつかないみたいだ。
「お嬢様は生まれつき魔法が不得意でな。その代わりなのか、何故か魔力を呪術のエネルギーとして扱う事ができたのだ」
呪術…。
俺も何者かに咒を掛けられてる。
なんだろう、何故か他人事の様に感じない。
「そして、呪術の中には死者を一度だけ蘇らせる…いや、魂をこの世に縛り付け。新たな肉体に宿らせる『世縫いの咒』と言うものがあるのだ。お嬢様はもしかしたらその術を使い再びこの世に舞い戻って来たのかもしれぬ」
なるほど、そうして戻ってきた魂が宿ったのが今のミーシャの肉体って事か。
「あの、一つ聞いてもいいですか?」
ふと、思った疑問を投げかける。
「なんだ?」
「あの、どうしてミーシャ?は死ぬことになったんですか?」
お嬢様?なんて名前なのかわからないからとりあえずミーシャって事にしておいた。
「馬鹿兄貴、ミーシャは死んでない!」
あ、確かに本人の目の前でこの質問の仕方は少しだけ拙かったな。
「うむ、良いだろう教えてやる。まず、始めに答えを言っておこう。お嬢様が死ぬ原因にあったのが人間の王族だ」
確かに、この国は召喚してすぐに王族の都合のいい様に勇者に洗脳を掛けるとかしないとか良からぬ噂を聞くからな。
「王族が?」
「そうだ昔、人間の国と魔族の国の二大に分かれていた時代があったのだ。今でこそドラゴン族も立派な種族として認められてはいるが当時はほとんどが人間や魔族のペットや乗り物の類。そして龍皮は耐熱、耐寒両方に優れることから狩の対象になっていたのだが…。うむ、龍族の話は今はいいか」
ちょっと聞きたいけど、とりあえずミーシャ?が死んだ理由が優先だ。
「うむ。そして、魔族と人間の二つしか無かったこの国は頻繁に戦争を繰り返していたのだ。しかし、人間側には異世界から人間を召喚する術があった。そう、勇者だ。勇者は我ら魔王軍に対しパーティと言われる少数精鋭で対抗出来るほどの実力を持っていたのだ。そして、事は起きた。俺がドラゴン達に応援を求めるため一旦戦線を離脱し、郷に帰るため飛び立った後の事だった。魔王城の方角に空から一筋の光の柱が降ってきたのだ。嫌な予感がした。俺がすぐさま引き返した時にはもう遅かった。魔王城には一つの気配も残さずただ肉の焦げた臭いが辺りに充満していたのだ。城の外には丸焦げになった勇者や王国兵士の死体が沢山転がっていたのだ。後にこの事は、くだらない戦争を繰り返す地上の生き物達に神が怒り、どちらが悪か明白に裁きを下したとかなんとか人間の王が堂々と宣言していたのを思い出すよ」
神が手を下す?
確か生き物が暮らす世界に干渉するのは出来ないんじゃなかったんだっけ?
『そうだよ!そのせいで亡くなった遺族からすごいバッシング受けたんだから!全く人間風情が神を名乗ってわけわからない事するのはやめて欲しいよね!!』
うわ、なんか出てきた。
まぁ、でもやっぱりそういう事か。
味方の勇者や兵を囮にしてきっと何かどデカイ魔法でも放ったのだろう。
『生き物の魂を燃料にして放つとてつもない技だったなぁ。生き物にしか効かないんだけどね!因みに技の考案者はこれまた勇者さんだよ!』
ある程度ネタバレしてくれるのはありがたいんだけど、この神様、俺に付きまとってて良いのだろうか。
『大丈夫!今は妹に全部任してるから!それよりも君に芽生えた新しいスキルの方が気になるなぁ』
神にも妹って居るんだ…。
可哀想に。
『あたま良いからだいじょーぶだよー』
可哀想に…。
「どうしたのだ?さっきからぼーっとして。まぁ、子供にこんな話をしても難しかったか。これでもかなり省略したつもりなのだが…」
そう言えばお話の途中だった。
 
この人ちょっとだけ話し長いんだよなぁ。
「まぁ、いいか。こうして先代魔王『ディグノス・マグノリア』様と唯一の娘である『レイア・マグノリア』お嬢様は命を落としたとされているのだ」
次回へ続きます。
おはようございます。凄い羽の虫です。
急展開です。
だれか、俺の考え読み取って代筆してくんないかなぁ…。なんて。
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