龍の子
8話 『龍激』
「さて、昼休憩もそろそろ終わりにして次はいよいよ【龍激】の特訓の時間だな!」
龍激、母さんの家に伝わる門外不出の秘伝の技!
なにそれ!めっちゃかっこいいじゃん!!
龍激マスターに絶対なってやる!
「おほんっ!…と、言っても私も龍激の全てを知っているわけではないのだ。一応、基礎として体得方法を習っただけだからな!」
えぇー
「母さん、何もそんな残念な事をドヤ顔で言わなくても…」
「そこっ!うるさい!!私は龍激が多少使えなくても結構強い部類だったのだ!ぞ…」
うわぁ、最後にちょっと自信無くしてるぅ!!
これ、子供の前だからって見栄を張る親の典型的なやつだ!!
「うわぁ!お母様すごい、すごい!!」
ミーシャは飛び跳ねて喜ぶ
「うむ、そうであろうそうであろう!」
満更でもない顔で。
ミーシャ、お願いだから母さんをお立てるのはやめてくれ。後々うざそうだ…。
「…それで、龍激の初歩の初歩ってどんなのか見せてくれるんだよね?」
「当然だ、まずは私が先に見せてそれを真似るのだ!」
ん?
「よしっ!今から龍激を発動させるから、少し離れてるのだ!」
え?離れる?そんな危ないものなの?
「わ、わかったよ。行こう、ミーシャ」
俺たちはその場から離れ、龍激を発動させる母さんを見守る。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ビリビリとした空気がこっちの方まで伝わってくる。地面が揺れ、母さんを中心に波紋のような亀裂ができている。
一目でわかった。
「やばいっ!ミーシャ!もっと離れてっ!!」
「ほえぇ〜…。っ!?う、うん!!
やばい、間に合わない。
これで死ぬとかシャレにならないぞ!この馬鹿親っ!!
もう、間に合わない。
そう思いミーシャを護るように覆被さる。
「ぐっ…!」
最後に力が暴発しそうになった母さんの方をチラりと覗いた。
するとそこには激しく舞い上がった土埃の中にある膨大なエネルギーの塊と一つの人影が見えた。
その一つの影は膨大なエネルギーに近づきそのまま
ポカンっ!
殴った。
「あうっ!?」
「あうっ!?じゃねーよ!!お前が龍激の修業を子供達につけるって言うから急いで駆けつけてみれば。案の定危ない事になってたじゃねーか!」
一体何が起きたんだ?
「色々聞きたい事と言いたい事が死ぬほどあるが、とりあえずお前らは家の中に入ってろ。」
「あ、あの!でもっ!」
ぎろりと鋭い眼に睨まれて気づいた。
この男性も母さんと同じドラゴンだ。
俺は母さんには敵意が無いのを察し、言う通りに家の中で二人を待つことにした。
「そんで、誰に許可を取って勝手に龍激を教えてやるつもりだったんだ?昨日も数十年ぶりに連絡を寄越したと思ったらいきなり『久しぶりなのだ!子供たちに龍激を教えるので!じゃあね!』って!許可も何もあったもんじゃないぞ!」
男は響く様な声で怒鳴り散らした。
「そ、それは。ちょっと子供たちにはかっこいいところを見せたいなぁ。と、思って…。」
ミアレはしょんぼりした口調で呟く様に言い放った。
「もごもご喋るなっ!危うくあの二人はおろかダンジョン自体も崩壊しかけるとこだったんだぞ!!弁明の余地などあるものか!そもそもお前は昔っからそうだ。龍激もろくに扱えないのに何故教えようなどと思い至ったんだ!」
男はきつく言い放つ。
「それは…そのぉ、ごめんなさい!」
「謝る相手が違うだろ?ちゃんと危険な目に合わせたあの魔族の少年と、種族は不明だがもう一人の少女に謝るべきだろう。そして元の住んでいた場所に帰して来い」
余所余所しげに話す男にミアレは一言。
「なっ!?ダメなのだ!あの子達は、私の息子と娘。帰る場所はあの家しかないのだ!」
泣きそうな上目使いでミアレは男を見つめる。
「う…。しかし、実子ではない二人に龍激を教えるなどあってはならん!認められぬぞ!!」
男は断固として子供たちに龍激を教える事を許さない。
「じゃあ、せめてあの子達二人に今のことを伝えてくれないか?私の口から言うのは…少し辛い…のだ…」
泣き崩れるミアレに慌てた男は。
「わ、わかった!二人には俺から直接伝える。だが、それきりだ。その後に俺がここを出るときには二人も一緒に地上に連れて行く。いいな?」
「…はい、パパ」
ミアレはしょんぼりとして顔をうつむかせた。
「ゴホンっ!父上と呼べとあれほど…。まぁ、分かればいい。さっさと行くぞ」
男は咳払いをひとつした後にもはや、決まり文句となったセリフを吐く。
「しかし、パパ上。その前にあの二人に先に謝りたいのだ。よろしいか?」
「当然だ。その責任はお前にある。最後になるのだ、わだかまりは無くしてこい。あと、父上と呼べ」
そして二人の話は終わり子供二人が待つ家へと足を運んだ。
ごめんなさい。更新だいぶ遅れました。
誰が見てようと見ていないとも。拙いながら必ず完結はさせますので、これからもどうかよろしくお願いします。
今回は短くなってしまいました。今後このくらいの短さになってしまうことも多々あると思います。大変申し訳ありません。
誤字脱字、以下不明な点などがあればご指摘いただけるとありがたいです。
今回の秋葉
今日、いつも通り千里眼で色んな町のある方角を覗いていたらついに、エイル君の魔力を発見した。私と比べたらものすごく小さくて、息を吹きかければ消えてしまいそうなほどに揺らめいていた。
近くにもう4つほど魔力が見えた。一人は恐らく女の子。エイル君より少しだけ少ない魔力だ。ガールフレンドかな?なんだか少し妬けてしまうなぁ。あとは、平均より少しだけ強いくらいの大人の魔力が二つ。だけど、一つは眠る様に静かに、もう一つは今まさに命が尽きかけている。そして、その人の体を突き刺すように最後の一つが…。まさに、莫大な魔力そのもの。しかし、しっかりと人の輪郭をかたどっている。魔力からしたらまだまだ私には追いつかないが。それでも、そこらへんの勇者を除いた人間達に比べたらとてつもない力を秘めている。どうやらエイル君達に敵対している訳ではないようだ。
これだけ強いお友達がいるならぽっくり殺されちゃうなんて心配は無さそうだね。
念のため明日にはこの街をでて、エイル君のいる街を目指すとしようかな!
龍激、母さんの家に伝わる門外不出の秘伝の技!
なにそれ!めっちゃかっこいいじゃん!!
龍激マスターに絶対なってやる!
「おほんっ!…と、言っても私も龍激の全てを知っているわけではないのだ。一応、基礎として体得方法を習っただけだからな!」
えぇー
「母さん、何もそんな残念な事をドヤ顔で言わなくても…」
「そこっ!うるさい!!私は龍激が多少使えなくても結構強い部類だったのだ!ぞ…」
うわぁ、最後にちょっと自信無くしてるぅ!!
これ、子供の前だからって見栄を張る親の典型的なやつだ!!
「うわぁ!お母様すごい、すごい!!」
ミーシャは飛び跳ねて喜ぶ
「うむ、そうであろうそうであろう!」
満更でもない顔で。
ミーシャ、お願いだから母さんをお立てるのはやめてくれ。後々うざそうだ…。
「…それで、龍激の初歩の初歩ってどんなのか見せてくれるんだよね?」
「当然だ、まずは私が先に見せてそれを真似るのだ!」
ん?
「よしっ!今から龍激を発動させるから、少し離れてるのだ!」
え?離れる?そんな危ないものなの?
「わ、わかったよ。行こう、ミーシャ」
俺たちはその場から離れ、龍激を発動させる母さんを見守る。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ビリビリとした空気がこっちの方まで伝わってくる。地面が揺れ、母さんを中心に波紋のような亀裂ができている。
一目でわかった。
「やばいっ!ミーシャ!もっと離れてっ!!」
「ほえぇ〜…。っ!?う、うん!!
やばい、間に合わない。
これで死ぬとかシャレにならないぞ!この馬鹿親っ!!
もう、間に合わない。
そう思いミーシャを護るように覆被さる。
「ぐっ…!」
最後に力が暴発しそうになった母さんの方をチラりと覗いた。
するとそこには激しく舞い上がった土埃の中にある膨大なエネルギーの塊と一つの人影が見えた。
その一つの影は膨大なエネルギーに近づきそのまま
ポカンっ!
殴った。
「あうっ!?」
「あうっ!?じゃねーよ!!お前が龍激の修業を子供達につけるって言うから急いで駆けつけてみれば。案の定危ない事になってたじゃねーか!」
一体何が起きたんだ?
「色々聞きたい事と言いたい事が死ぬほどあるが、とりあえずお前らは家の中に入ってろ。」
「あ、あの!でもっ!」
ぎろりと鋭い眼に睨まれて気づいた。
この男性も母さんと同じドラゴンだ。
俺は母さんには敵意が無いのを察し、言う通りに家の中で二人を待つことにした。
「そんで、誰に許可を取って勝手に龍激を教えてやるつもりだったんだ?昨日も数十年ぶりに連絡を寄越したと思ったらいきなり『久しぶりなのだ!子供たちに龍激を教えるので!じゃあね!』って!許可も何もあったもんじゃないぞ!」
男は響く様な声で怒鳴り散らした。
「そ、それは。ちょっと子供たちにはかっこいいところを見せたいなぁ。と、思って…。」
ミアレはしょんぼりした口調で呟く様に言い放った。
「もごもご喋るなっ!危うくあの二人はおろかダンジョン自体も崩壊しかけるとこだったんだぞ!!弁明の余地などあるものか!そもそもお前は昔っからそうだ。龍激もろくに扱えないのに何故教えようなどと思い至ったんだ!」
男はきつく言い放つ。
「それは…そのぉ、ごめんなさい!」
「謝る相手が違うだろ?ちゃんと危険な目に合わせたあの魔族の少年と、種族は不明だがもう一人の少女に謝るべきだろう。そして元の住んでいた場所に帰して来い」
余所余所しげに話す男にミアレは一言。
「なっ!?ダメなのだ!あの子達は、私の息子と娘。帰る場所はあの家しかないのだ!」
泣きそうな上目使いでミアレは男を見つめる。
「う…。しかし、実子ではない二人に龍激を教えるなどあってはならん!認められぬぞ!!」
男は断固として子供たちに龍激を教える事を許さない。
「じゃあ、せめてあの子達二人に今のことを伝えてくれないか?私の口から言うのは…少し辛い…のだ…」
泣き崩れるミアレに慌てた男は。
「わ、わかった!二人には俺から直接伝える。だが、それきりだ。その後に俺がここを出るときには二人も一緒に地上に連れて行く。いいな?」
「…はい、パパ」
ミアレはしょんぼりとして顔をうつむかせた。
「ゴホンっ!父上と呼べとあれほど…。まぁ、分かればいい。さっさと行くぞ」
男は咳払いをひとつした後にもはや、決まり文句となったセリフを吐く。
「しかし、パパ上。その前にあの二人に先に謝りたいのだ。よろしいか?」
「当然だ。その責任はお前にある。最後になるのだ、わだかまりは無くしてこい。あと、父上と呼べ」
そして二人の話は終わり子供二人が待つ家へと足を運んだ。
ごめんなさい。更新だいぶ遅れました。
誰が見てようと見ていないとも。拙いながら必ず完結はさせますので、これからもどうかよろしくお願いします。
今回は短くなってしまいました。今後このくらいの短さになってしまうことも多々あると思います。大変申し訳ありません。
誤字脱字、以下不明な点などがあればご指摘いただけるとありがたいです。
今回の秋葉
今日、いつも通り千里眼で色んな町のある方角を覗いていたらついに、エイル君の魔力を発見した。私と比べたらものすごく小さくて、息を吹きかければ消えてしまいそうなほどに揺らめいていた。
近くにもう4つほど魔力が見えた。一人は恐らく女の子。エイル君より少しだけ少ない魔力だ。ガールフレンドかな?なんだか少し妬けてしまうなぁ。あとは、平均より少しだけ強いくらいの大人の魔力が二つ。だけど、一つは眠る様に静かに、もう一つは今まさに命が尽きかけている。そして、その人の体を突き刺すように最後の一つが…。まさに、莫大な魔力そのもの。しかし、しっかりと人の輪郭をかたどっている。魔力からしたらまだまだ私には追いつかないが。それでも、そこらへんの勇者を除いた人間達に比べたらとてつもない力を秘めている。どうやらエイル君達に敵対している訳ではないようだ。
これだけ強いお友達がいるならぽっくり殺されちゃうなんて心配は無さそうだね。
念のため明日にはこの街をでて、エイル君のいる街を目指すとしようかな!
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