龍の子
2話『転生』
ここ、どこだっけ?
あぁ、そうだ。自分の部屋だ。
俺は助かったのか?
そうだ!確かあの後、警察が飛び込んできて…
「うっ!」
思い出せない。
なぜ自分の部屋に居るんだろう?
『違うよ。ここは僕の部屋だよ』
え?
答えたのは紛れもなく俺の声だった。
気がつくと目の前に、自分と全く同じ姿の少年がにこやかにほほえみながら佇んでいた。
「お前は、…誰だ?」
もちろん自分は一卵性双生児でもなく歳の離れた愚兄以外に家族は居ない。
『僕は始まりの世界、「ガイア」の管理者って言えば分かる……筈もないか。そうだなぁ〜。つまりはそう、神様!神様さ!!ちなみに、君の世界は終わりの世界。って言われてるけど終わりも始まりも特に名前に意味が無いからあんまり気にしなくていいよ!』
「あぁ、神様!神様かぁ。なるほどね〜」
うんうんと頷きながら話を聞き。
「ってんなわけあるかぁぁ!そもそも神様だと言うのならなんで姿格好が全部まるっと俺の姿をしてやがる!!」
『あぁ、これ?ぶっちゃけ言うと僕自身は君の姿格好をしてるつもりは無いんだけどなぁ。ただ僕は別名「写し身の神」とも呼ばれてて相対した転生者や転移者の姿と全く同じ姿になるんだよ。ちなみに、移し身の神とか現し身の神とか色んな風な呼び方で呼ばれてややこしいんだけど全部僕だから安心して』
「な、なるほど…。すると言うとあれかい?俺は異世界に転移召喚されるってわけですかい??」
『いいや、違うよ君の場合は転生だよ!』
「て、転生。という事はやっぱり俺は死んだのか…」
『あれ?思ったよりも飲み込みが早いね』
「はい。俺はあの世界では二人も殺した事になってるみたいで…きっと天罰が下ったんですよね?」
『え?何言ってるの?天罰なんてある訳ないじゃん。君変なこと言うねぇ』
唖然とする俺を尻目に清々しいほどの笑い声が部屋に響く。
そして。
「あ、あの何がそんなにおもしろいんですか?」
『っくひひっ!。だって君が天罰だなんて言うからさ!まだ、そんなもの信じてる生き物が居るなんてさ!天罰なんて人間が勝手に作った迷信だよ。そもそも、僕達は君達が死ぬまで干渉しちゃいけない事になってるんだよ。でもまぁ、君が死んじゃったのは偶々だね。御愁傷様だよ』
「そ、そんなぁ…」
『まぁまぁ、そんな話は置いといてさ。君はなぜこの神の部屋に来たか分かるかい?』
「そんな話……、いえわからないです」
『なら教えてあげよう。それはね、君が終わりの世界の住人でありながら『スキル』を保持していたのが発覚したからだよ』
「スキル…ですか?」
『そう。思い当たりは無いかい?例えば急に自分が強くなったりした…とか』
「そ、そういえば…」
『思い当たる節があるようだね。そして君はそのスキルを使って「LvUP」をしてしまった』
「れべる…あっぷ?ですか?」
『そうだよ。元々君の住んでいた世界には存在しない概念だ。だが、極々稀に居るんだ。君の世界にも千差万別のスキルを保持している人間が。そういった人たちはみんな君がこれから転生する『ガイア』に勇者として召喚されることになっているんだ。まぁ、勇者と言っても討伐する悪者は目立って居ないんだけどね!』
「…それじゃあ俺もその勇者ってやつに転生するのか?」
『いや、残念ながら君は勇者にはなれない。君は今、死んでいる事を忘れているのかい?死者は転移はできないんだ。なにしろ召喚する肉体が無いしね。それに本来だったら君のスキルが発現したその日に、君は死んでいたんだ。だから「お告げの神」は召喚士にも君の存在を知らさなかった』
「なっ!?結局死んでたって。銃弾以外に一体何で死ぬはずだったんですか?」
『LvUPだよ。さっきも言ったと思うけどLvUPは君の世界には存在しないもの。本来は肉体が急激な成長を遂げる痛みにに耐えれるように出来てはいないんだ。だけどなんでかな?何かが起こって耐えちゃったみたいだね!まさに運命をも変える力ってやつ?』
たしかに物凄く身体の節々が痛かったな。もうなんか身体全身がボロボロに崩れ落ちるんじゃ無いかってくらいに。てか、気絶したしな。
「そ、それで結局俺のスキルって何なんですか?」
肝心なスキルの事を聞くのを忘れていた。
『あぁ、えっとね君のスキルの名前は「吸魂」死んだり殺したりした生き物から経験値を多めに貰えるスキルだね!むしろこのスキルだからこそ一気にレベルアップしちゃったって感じかな?』
「「吸魂」…ですか」
んんん。なんかすごい微妙そうなスキルだなぁ。
『そう!そして使いやすいようにスキルに合わせて君の転生する種族を形成するからね!確か「吸魂」はオルタス…いや、どっかの魔族が所持してたスキルだね。今はもう死んじゃったみたいでめっきり見かけないらしいけどね!うん、スキルに合わせるとなると君は魔族に転生する事になるけどOKかな?』
OKも何も一度死んだのにお情けで転生させてくれるだけありがたい話だ。転生する種族なんて気にしてらんないな。
「はい、OKです」
『よーし、了解だ!最後に普通なら勇者達にしか与えられてないスキルだけど君は気に入ったから特別に「鑑定」のスキルもオマケしちゃうよ!これは内緒ね』
か、鑑定?なにそれ??
『あ、「鑑定」っていうのはね。例えば生き物とか道具とかに使ったらそいつの戦闘能力とか見れちゃったりするんだ。他にも使い道はあるけど。まぁ、中々便利だから持ってて損はしないぜ!そんな鑑定をなんとLvMAXでプレゼントしちゃうよ!』
「あ、ありがとうございます」
俺のぎこちない感謝に神様はニッコリと笑って。
『うん!おっと、そろそろ肉体の形成も終わる時間だね。それじゃあ君の第二の人生がうまくいくように応援してるよ!バイバイ。もう死ぬんじゃないぜ!』
「はい!死なないように細々と暮らしていくつもりです。お世話になりました!」
神様と別れの挨拶を交わすと暖かい光が俺の身体を包み込みそれから意識が少しずつ遠のいていった。
作者です。
三回くらい寝落ちして書きました。
はい、どうでもいいです。ごめんなさい。
とりあえず完走させるまでは頑張ります。
あぁ、そうだ。自分の部屋だ。
俺は助かったのか?
そうだ!確かあの後、警察が飛び込んできて…
「うっ!」
思い出せない。
なぜ自分の部屋に居るんだろう?
『違うよ。ここは僕の部屋だよ』
え?
答えたのは紛れもなく俺の声だった。
気がつくと目の前に、自分と全く同じ姿の少年がにこやかにほほえみながら佇んでいた。
「お前は、…誰だ?」
もちろん自分は一卵性双生児でもなく歳の離れた愚兄以外に家族は居ない。
『僕は始まりの世界、「ガイア」の管理者って言えば分かる……筈もないか。そうだなぁ〜。つまりはそう、神様!神様さ!!ちなみに、君の世界は終わりの世界。って言われてるけど終わりも始まりも特に名前に意味が無いからあんまり気にしなくていいよ!』
「あぁ、神様!神様かぁ。なるほどね〜」
うんうんと頷きながら話を聞き。
「ってんなわけあるかぁぁ!そもそも神様だと言うのならなんで姿格好が全部まるっと俺の姿をしてやがる!!」
『あぁ、これ?ぶっちゃけ言うと僕自身は君の姿格好をしてるつもりは無いんだけどなぁ。ただ僕は別名「写し身の神」とも呼ばれてて相対した転生者や転移者の姿と全く同じ姿になるんだよ。ちなみに、移し身の神とか現し身の神とか色んな風な呼び方で呼ばれてややこしいんだけど全部僕だから安心して』
「な、なるほど…。すると言うとあれかい?俺は異世界に転移召喚されるってわけですかい??」
『いいや、違うよ君の場合は転生だよ!』
「て、転生。という事はやっぱり俺は死んだのか…」
『あれ?思ったよりも飲み込みが早いね』
「はい。俺はあの世界では二人も殺した事になってるみたいで…きっと天罰が下ったんですよね?」
『え?何言ってるの?天罰なんてある訳ないじゃん。君変なこと言うねぇ』
唖然とする俺を尻目に清々しいほどの笑い声が部屋に響く。
そして。
「あ、あの何がそんなにおもしろいんですか?」
『っくひひっ!。だって君が天罰だなんて言うからさ!まだ、そんなもの信じてる生き物が居るなんてさ!天罰なんて人間が勝手に作った迷信だよ。そもそも、僕達は君達が死ぬまで干渉しちゃいけない事になってるんだよ。でもまぁ、君が死んじゃったのは偶々だね。御愁傷様だよ』
「そ、そんなぁ…」
『まぁまぁ、そんな話は置いといてさ。君はなぜこの神の部屋に来たか分かるかい?』
「そんな話……、いえわからないです」
『なら教えてあげよう。それはね、君が終わりの世界の住人でありながら『スキル』を保持していたのが発覚したからだよ』
「スキル…ですか?」
『そう。思い当たりは無いかい?例えば急に自分が強くなったりした…とか』
「そ、そういえば…」
『思い当たる節があるようだね。そして君はそのスキルを使って「LvUP」をしてしまった』
「れべる…あっぷ?ですか?」
『そうだよ。元々君の住んでいた世界には存在しない概念だ。だが、極々稀に居るんだ。君の世界にも千差万別のスキルを保持している人間が。そういった人たちはみんな君がこれから転生する『ガイア』に勇者として召喚されることになっているんだ。まぁ、勇者と言っても討伐する悪者は目立って居ないんだけどね!』
「…それじゃあ俺もその勇者ってやつに転生するのか?」
『いや、残念ながら君は勇者にはなれない。君は今、死んでいる事を忘れているのかい?死者は転移はできないんだ。なにしろ召喚する肉体が無いしね。それに本来だったら君のスキルが発現したその日に、君は死んでいたんだ。だから「お告げの神」は召喚士にも君の存在を知らさなかった』
「なっ!?結局死んでたって。銃弾以外に一体何で死ぬはずだったんですか?」
『LvUPだよ。さっきも言ったと思うけどLvUPは君の世界には存在しないもの。本来は肉体が急激な成長を遂げる痛みにに耐えれるように出来てはいないんだ。だけどなんでかな?何かが起こって耐えちゃったみたいだね!まさに運命をも変える力ってやつ?』
たしかに物凄く身体の節々が痛かったな。もうなんか身体全身がボロボロに崩れ落ちるんじゃ無いかってくらいに。てか、気絶したしな。
「そ、それで結局俺のスキルって何なんですか?」
肝心なスキルの事を聞くのを忘れていた。
『あぁ、えっとね君のスキルの名前は「吸魂」死んだり殺したりした生き物から経験値を多めに貰えるスキルだね!むしろこのスキルだからこそ一気にレベルアップしちゃったって感じかな?』
「「吸魂」…ですか」
んんん。なんかすごい微妙そうなスキルだなぁ。
『そう!そして使いやすいようにスキルに合わせて君の転生する種族を形成するからね!確か「吸魂」はオルタス…いや、どっかの魔族が所持してたスキルだね。今はもう死んじゃったみたいでめっきり見かけないらしいけどね!うん、スキルに合わせるとなると君は魔族に転生する事になるけどOKかな?』
OKも何も一度死んだのにお情けで転生させてくれるだけありがたい話だ。転生する種族なんて気にしてらんないな。
「はい、OKです」
『よーし、了解だ!最後に普通なら勇者達にしか与えられてないスキルだけど君は気に入ったから特別に「鑑定」のスキルもオマケしちゃうよ!これは内緒ね』
か、鑑定?なにそれ??
『あ、「鑑定」っていうのはね。例えば生き物とか道具とかに使ったらそいつの戦闘能力とか見れちゃったりするんだ。他にも使い道はあるけど。まぁ、中々便利だから持ってて損はしないぜ!そんな鑑定をなんとLvMAXでプレゼントしちゃうよ!』
「あ、ありがとうございます」
俺のぎこちない感謝に神様はニッコリと笑って。
『うん!おっと、そろそろ肉体の形成も終わる時間だね。それじゃあ君の第二の人生がうまくいくように応援してるよ!バイバイ。もう死ぬんじゃないぜ!』
「はい!死なないように細々と暮らしていくつもりです。お世話になりました!」
神様と別れの挨拶を交わすと暖かい光が俺の身体を包み込みそれから意識が少しずつ遠のいていった。
作者です。
三回くらい寝落ちして書きました。
はい、どうでもいいです。ごめんなさい。
とりあえず完走させるまでは頑張ります。
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