神殺しの狂戦士達

TAKUMI

覚悟の強さと別れ


レナが仁達のもとへ戻ってくるまでのわずか5分。
その間で、仁は飛躍的に成長していた。

なぜだろう?
仁の頭のなかに浮かんでくる数々の可能性。
その一つ一つがとても眩しく感じ、何か靄がかかっているようにも思えた。

その中の1つ、仁が感じた中で最も光輝いていたものを手に取るようにしたその瞬間そのアイデアが開花した。
生成ジェネレート
仁には新たに覚えた魔法の名前が、その能力が、あの本を使わなくてもわかった。

仁は近くに落ちていた木の枝を拾い手のひらに乗せた。
生成ジェネレート
そう唱えてから、仁はその木の枝に意識を集中させ想像した。

木の枝にある一つ一つの粒子の形態を変え、スライム状に作り替える。そこから自分の好みの長さ、固さ、鋭さ、形に変形させていく。
その間、わずか5秒。

意識を魔法に集中させ、木の枝に魔力の粒子を付着させ、さっき想い描いた物に形を変えていく。
そこから10秒たった後、仁が手にしていた物は木の枝ではなくなっていた。

長さ : 1,5メートル
固さ : やや固め
形  :刀状
鋭さ : 鋭利

の刀を手にしていた。

わずか15秒で。

夏恋は驚きのあまり声もでないようだった。


パチ  パチ   パチ

その時、仁達の後ろから拍手をする音が聞こえた。
後ろを振り向くとそこにはレナが立っていた。

「まったく。お前達はいったい何個の魔法を覚えるんだ?例外にもほどがあるぞ。」
「俺もビックリしてるんだけどさ。まだまだあるんだよね。まー、今は使えないみたいだけど。」
………………。



そんなやり取りをしてから一ヶ月がたった今、仁と夏恋はさらに強くなっていた。
状況判断能力、戦闘能力なども確実に身に付いていた。
でも、仁と夏恋はこの世界になんの違和感も感じなくなっていた。
神の存在をも忘れかけていた。
そんな時、レナのもとに一通の音声メッセージが届いた。

〔レナ。気をつけて。奴等が動き出した。想像を遥かにしのぐ強さだった。でも…………。はぁー。私も気が狂ったかな。奴等がちゃんと強くなってくれたことがこんなに嬉しく思えるなんて………………。ゴホッ、ゴホッ。私はもう長くない。治療すればなおると思っていたけど、思った以上に傷が深かったみたい。じゃあね。レナ。あの世で、また会おう。〕

「……あぁ。すぐいく。」

今はどこか優しく包まれた場所にいるであろう親友に少し寂しげな顔をしながら……。
一人、空に向かって呟いた。







書いてて思ったんだけど。生成ってチートじゃね?
武器生成とかだったらまだよかったかもしれないけど、生成だとなんでもありだよな……。
まー、いっか。



次回
冒険


お楽しみに

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