勇者に惚れた元魔王が嫁になるそうです
プロローグ
「おい勇者これの色のついた氷はなんじゃ? 食べれるのか? 」
「これはかき氷っていう食べ物だな、食べるか? 」
「食べるぞ! 」
魔王が世界を支配しようと魔王軍vs人間の戦争が各地で起こった時、ある青年が立ち上がった。その青年は世界でも珍しい黒髪黒目であり、生まれながらに剣に愛されていた。
その技量は5歳の頃には大人でも勝てないほどだった。その噂を聞きつけた国王は少年を勇者として鍛えるため王国騎士団に迎え入れ、少年を徹底的に鍛えあげた
それから程なくして魔王が現れた、17となった青年は勇者として世界を救うべく魔王討伐に乗り出した。
「ククク、よく来たな勇者よ」
魔王は全身が骨でできたアンデットだった、魔法使いのような紫のローブに炎のように揺らめく赤い瞳、右手にはねじれた木の上部に瞳と同じ赤色の宝玉の嵌はまった杖を持っていた。
「お前の仲間達はどうした? あぁ我の手下に殺られたか? 」
「あいつらはそんな簡単に殺されない! 俺がお前を殺して世界を救ってみせる! 」
「クククなら、これ以上の言葉は不要だな」
「そうだな、いくぞ魔王! 」
それから戦いは三日三晩続き魔力も力も使い果した魔王はその体を地に伏せていた、だがまだ息はある。
「お前はなぜ、世界を支配しようとした」
「外の世界を、見たかった、それだけだ」
「そうか、なら俺が世界を見せてやるよ」
「ククク、それは楽しみだな。さぁ我を殺して世界を救え、勇者よ」
勇者は深く頷くと剣を両手に持ち上げ、振り下ろす。ただそれだけの動作で世界を支配しようとした魔王はこの世から消えた。後に残ったのは満身創痍の勇者と、魔王の亡骸。そして魔王が最期まで手放さなかった赤い宝玉の嵌った杖。勇者は魔王の亡骸を埋葬して杖を持ち帰った、だた外の世界を見たかった魔王が生きた証として。
魔王との戦いから5年の月日が流れ22才となった勇者は魔王を倒した後、王国に帰る事は無く己が救った世界を旅していた。王国は勇者が魔王と相打ちになったと国民に告げた、そのおかげで勇者は旅をすることができる。ともに戦ったかつての仲間も置いてきて。
そして今、勇者はオーニオという王国から最も遠い商業都市に滞在していた。
「お客さん、朝だよ〜」
この商業都市にある宿屋の一室に元・勇者は泊まっていた。
「おはようございます、女将さん。もう起きてますよ」
「そうかい、なら朝食を持っていくね」
「いつもありがとうございます」
「気にしなくて良いよ」
この商業都市に滞在し始めてもう20日になる。元勇者はこの商業都市で日々のんびりと静かに暮らしていた。お金は勇者時代に溜まっていたものを少しずつ使っている。今日もまた街を歩き、日が暮れたら宿に帰り今日と変わらない明日を迎える。そうやって勇者時代にできなかった日常を過ごしている。
「お客さん、朝だよ〜」
いつもと同じ声に起こされ、女将さんに返事をしようとした時、自分の隣に違和感を感じた。かかっていたシーツをとるとそこには紫色の髪が特徴的な15才くらいの女の子がいた。
「え、夢? ちょ、ちょっと待て。俺は昨日何をした、街を歩いて宿に帰って酒場で食べて、ベッドに入って寝たよな? 女の子を連れて来た覚えは無いよな。じゃあこの女の子は? 一体なんなんだ」
「お客さん?どうしたんだい」
「い、いや、なんでもないです。ちょっと寝坊してしまって」
今この女の子の存在がばれたらマズい、とりあえず誤魔化しておく。
「女将さん、すみません。今日の朝食は無しでお願い出来ますか? 」
「一体どうしたんだ、体調が良くないのかい?」
「そんなところです、すみません」
女将さんに謝り部屋に戻る。あれが夢で部屋に戻ったら女の子はいませんでした、ってのが良かったのになぁ。ベッドの上では紫髪の女の子がまだ眠っていた。
「おい、起きろ。朝だぞ」
「ん〜ぅん、あ、おはよ〜」
「おはよう、でお前はどこから入って来た」
「それよりも、早く外に連れて行くのじゃ」
「なんで? 」
勝手に人の部屋に入って来た挙句外に連れて行けと? 我儘過ぎる女の子だ。
「あの時の事は嘘だったのか!? 」
「あの時も何も俺は今日、初めてお前に会ったんだぞ」
「なぜ嘘を言う、お前に我に『俺が世界を見せてやる』と言ったではないか」
「じゃあお前はもしかして・・・・魔王か? 」
「そうじゃ、見て分からんか?」
あらためて自称魔王を見る。真っ白のワンピースに明るい紫色の髪に炎のように赤い瞳、街に出れば誰もが見惚れる様な女の子だ。魔王らしいところは炎ように赤い瞳と髪の色がローブと同じぐらいだ、魔王は全身が骨で出来たアンデットだったのだ。人間の女の子ではない。
「まだ分からんのか、なら我の杖を出せ。持っておるのだろう、それで証明できる」
「・・・・わかった」
マジックアイテムの収納の指輪から赤い宝玉の嵌った杖を出し、自称魔王に渡す。
「『配下召喚』モモンガ」
宝玉部分からリスみたいな小さい動物が出てきた。そして今の魔法は魔王が使用していた魔法だ、もっともあの時はこんな小動物じゃなくてアークスケルトンソルジャーとかアークスケルトンビショップなどの一体一体が馬鹿みたいに強いモンスターを息をするように大量に召喚していたが。
「本当に魔王なんだな」
「だからそうじゃと言っておるのに」
ありえない、魔王は倒したはずだしなにより魔王は全身骨だった。今目の前にいるのは可愛い女の子だ。
「どうやって生き返ったんだ、俺は確かにお前を殺したはずだぞ」
「ちゃんと死んだぞ、けど死ぬ前にお前が世界を見せてやると言ったからお前の所に来たんじゃないか」
「あぁ、そうか。確かに言ったな」
「そうだだから外に連れて行け」
確かに外の世界を見せてやるって言ったけど、まさか生き返るとは思わないしな。
「それで、どこに行きたいんだ? 」
「そうじゃな、この街はどうじゃ? 」
「よしきた、女将さんに見つからないように行こうか」
転生?した元・魔王に約束した世界を見せてやる為に部屋をこっそり出た、俺が女の子を連れて部屋にいたってバレたら社会的に死んでしまう。仮にも元勇者が社会的に死んだ状態で旅に出れる訳ないからな!
「おい勇者これの色のついた氷はなんじゃ? 食べれるのか? 」
「これはかき氷っていう食べ物だな、食べるか? 」
「食べるぞ! 」
「おばちゃんかき氷1つ」
そして冒頭に戻り、宿を抜け出した俺達は街を巡っていた。
「あいよ!銅貨一枚ね、まいどあり!」
「おい勇者、こっちの雲みたいなのはなんじゃ食い物か? 」
「それはわたあめって食べ物で砂糖で作られたお菓子だ、食べてみるか?」
「良いのか? 」
「もちろん、おっちゃんわたあめ一つ」
「あいよ、銅貨一枚な」
この商業都市では毎日がお祭り騒ぎのように屋台がいたる所でひしめきあっている。そんな中、勇者と魔王は街のメインストリートを仲良く並んで歩いている。
「そういえばまだお前の名前を聞いてなかったな」
「ん、そうじゃったな。我の名はルヴィア、ルヴィア・サタニアじゃ」
「ルヴィアか、それじゃあよろしくなルヴィア」
「うむ、よろしく頼む。それで、勇者の名はなんじゃ? 」
「俺はアレク、アレク・アルベルトだ」
俺の名前を聞くと、ルヴィアは太陽のように眩しい笑顔で言った。
「アレク、我はこの世界の事を知らん。だから我にこの世界を見せてくれるか」
「もちろんだ、この世界の隅から隅まで見せよう! 」
「これはかき氷っていう食べ物だな、食べるか? 」
「食べるぞ! 」
魔王が世界を支配しようと魔王軍vs人間の戦争が各地で起こった時、ある青年が立ち上がった。その青年は世界でも珍しい黒髪黒目であり、生まれながらに剣に愛されていた。
その技量は5歳の頃には大人でも勝てないほどだった。その噂を聞きつけた国王は少年を勇者として鍛えるため王国騎士団に迎え入れ、少年を徹底的に鍛えあげた
それから程なくして魔王が現れた、17となった青年は勇者として世界を救うべく魔王討伐に乗り出した。
「ククク、よく来たな勇者よ」
魔王は全身が骨でできたアンデットだった、魔法使いのような紫のローブに炎のように揺らめく赤い瞳、右手にはねじれた木の上部に瞳と同じ赤色の宝玉の嵌はまった杖を持っていた。
「お前の仲間達はどうした? あぁ我の手下に殺られたか? 」
「あいつらはそんな簡単に殺されない! 俺がお前を殺して世界を救ってみせる! 」
「クククなら、これ以上の言葉は不要だな」
「そうだな、いくぞ魔王! 」
それから戦いは三日三晩続き魔力も力も使い果した魔王はその体を地に伏せていた、だがまだ息はある。
「お前はなぜ、世界を支配しようとした」
「外の世界を、見たかった、それだけだ」
「そうか、なら俺が世界を見せてやるよ」
「ククク、それは楽しみだな。さぁ我を殺して世界を救え、勇者よ」
勇者は深く頷くと剣を両手に持ち上げ、振り下ろす。ただそれだけの動作で世界を支配しようとした魔王はこの世から消えた。後に残ったのは満身創痍の勇者と、魔王の亡骸。そして魔王が最期まで手放さなかった赤い宝玉の嵌った杖。勇者は魔王の亡骸を埋葬して杖を持ち帰った、だた外の世界を見たかった魔王が生きた証として。
魔王との戦いから5年の月日が流れ22才となった勇者は魔王を倒した後、王国に帰る事は無く己が救った世界を旅していた。王国は勇者が魔王と相打ちになったと国民に告げた、そのおかげで勇者は旅をすることができる。ともに戦ったかつての仲間も置いてきて。
そして今、勇者はオーニオという王国から最も遠い商業都市に滞在していた。
「お客さん、朝だよ〜」
この商業都市にある宿屋の一室に元・勇者は泊まっていた。
「おはようございます、女将さん。もう起きてますよ」
「そうかい、なら朝食を持っていくね」
「いつもありがとうございます」
「気にしなくて良いよ」
この商業都市に滞在し始めてもう20日になる。元勇者はこの商業都市で日々のんびりと静かに暮らしていた。お金は勇者時代に溜まっていたものを少しずつ使っている。今日もまた街を歩き、日が暮れたら宿に帰り今日と変わらない明日を迎える。そうやって勇者時代にできなかった日常を過ごしている。
「お客さん、朝だよ〜」
いつもと同じ声に起こされ、女将さんに返事をしようとした時、自分の隣に違和感を感じた。かかっていたシーツをとるとそこには紫色の髪が特徴的な15才くらいの女の子がいた。
「え、夢? ちょ、ちょっと待て。俺は昨日何をした、街を歩いて宿に帰って酒場で食べて、ベッドに入って寝たよな? 女の子を連れて来た覚えは無いよな。じゃあこの女の子は? 一体なんなんだ」
「お客さん?どうしたんだい」
「い、いや、なんでもないです。ちょっと寝坊してしまって」
今この女の子の存在がばれたらマズい、とりあえず誤魔化しておく。
「女将さん、すみません。今日の朝食は無しでお願い出来ますか? 」
「一体どうしたんだ、体調が良くないのかい?」
「そんなところです、すみません」
女将さんに謝り部屋に戻る。あれが夢で部屋に戻ったら女の子はいませんでした、ってのが良かったのになぁ。ベッドの上では紫髪の女の子がまだ眠っていた。
「おい、起きろ。朝だぞ」
「ん〜ぅん、あ、おはよ〜」
「おはよう、でお前はどこから入って来た」
「それよりも、早く外に連れて行くのじゃ」
「なんで? 」
勝手に人の部屋に入って来た挙句外に連れて行けと? 我儘過ぎる女の子だ。
「あの時の事は嘘だったのか!? 」
「あの時も何も俺は今日、初めてお前に会ったんだぞ」
「なぜ嘘を言う、お前に我に『俺が世界を見せてやる』と言ったではないか」
「じゃあお前はもしかして・・・・魔王か? 」
「そうじゃ、見て分からんか?」
あらためて自称魔王を見る。真っ白のワンピースに明るい紫色の髪に炎のように赤い瞳、街に出れば誰もが見惚れる様な女の子だ。魔王らしいところは炎ように赤い瞳と髪の色がローブと同じぐらいだ、魔王は全身が骨で出来たアンデットだったのだ。人間の女の子ではない。
「まだ分からんのか、なら我の杖を出せ。持っておるのだろう、それで証明できる」
「・・・・わかった」
マジックアイテムの収納の指輪から赤い宝玉の嵌った杖を出し、自称魔王に渡す。
「『配下召喚』モモンガ」
宝玉部分からリスみたいな小さい動物が出てきた。そして今の魔法は魔王が使用していた魔法だ、もっともあの時はこんな小動物じゃなくてアークスケルトンソルジャーとかアークスケルトンビショップなどの一体一体が馬鹿みたいに強いモンスターを息をするように大量に召喚していたが。
「本当に魔王なんだな」
「だからそうじゃと言っておるのに」
ありえない、魔王は倒したはずだしなにより魔王は全身骨だった。今目の前にいるのは可愛い女の子だ。
「どうやって生き返ったんだ、俺は確かにお前を殺したはずだぞ」
「ちゃんと死んだぞ、けど死ぬ前にお前が世界を見せてやると言ったからお前の所に来たんじゃないか」
「あぁ、そうか。確かに言ったな」
「そうだだから外に連れて行け」
確かに外の世界を見せてやるって言ったけど、まさか生き返るとは思わないしな。
「それで、どこに行きたいんだ? 」
「そうじゃな、この街はどうじゃ? 」
「よしきた、女将さんに見つからないように行こうか」
転生?した元・魔王に約束した世界を見せてやる為に部屋をこっそり出た、俺が女の子を連れて部屋にいたってバレたら社会的に死んでしまう。仮にも元勇者が社会的に死んだ状態で旅に出れる訳ないからな!
「おい勇者これの色のついた氷はなんじゃ? 食べれるのか? 」
「これはかき氷っていう食べ物だな、食べるか? 」
「食べるぞ! 」
「おばちゃんかき氷1つ」
そして冒頭に戻り、宿を抜け出した俺達は街を巡っていた。
「あいよ!銅貨一枚ね、まいどあり!」
「おい勇者、こっちの雲みたいなのはなんじゃ食い物か? 」
「それはわたあめって食べ物で砂糖で作られたお菓子だ、食べてみるか?」
「良いのか? 」
「もちろん、おっちゃんわたあめ一つ」
「あいよ、銅貨一枚な」
この商業都市では毎日がお祭り騒ぎのように屋台がいたる所でひしめきあっている。そんな中、勇者と魔王は街のメインストリートを仲良く並んで歩いている。
「そういえばまだお前の名前を聞いてなかったな」
「ん、そうじゃったな。我の名はルヴィア、ルヴィア・サタニアじゃ」
「ルヴィアか、それじゃあよろしくなルヴィア」
「うむ、よろしく頼む。それで、勇者の名はなんじゃ? 」
「俺はアレク、アレク・アルベルトだ」
俺の名前を聞くと、ルヴィアは太陽のように眩しい笑顔で言った。
「アレク、我はこの世界の事を知らん。だから我にこの世界を見せてくれるか」
「もちろんだ、この世界の隅から隅まで見せよう! 」
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