世界を渡る私のストーリー
英雄紛いの偽物21
ツヅリとミレーナは魔王城に向かう。
道中様々な敵と出くわしたが、そんなのを適当に倒して先へ先へと進む。
最初はミレーナの翼を使って一気に南の大陸まで行こうとしたが、世界のバグが酷く、上空の空間の状態が不安定になっていので諦めた。
ツヅリなら自力でなんとかできるが、ミレーナはそこまで特別な力を持っているわけでもないので、もし巻き込まれたら命が危ない。
だからこそ徒歩のみで攻略に向かう。
2人の目の前に広がる世界はそれほどまでに壊れていた。
人々は普通に暮らしているが、この世界の住人ではない2人には意味の分からない事をしているようにしか見えない。
汚物にしか見えないモノを食料として売る商店。
椅子もないのに座ることが出来る飲食店。
兵士の鎧が全員バラバラで、酷いものは武器すら透明で見えない。
建物もズレていたり、他の建物と混ざり合っている。
そんな世界が普通のように過ごす彼ら、すでに女神の力も及ばないほどに壊れていることがわかる。
「…本当に魔王を倒したところで、この世界は元に戻るのか?」
「それは分からないけど、この世界をおかしくしている魔王をどうにかすれば結果はどうなろうが、世界は先に進める。そのあとはあの女神がなんとかするでしょ」
2人はそんな奇妙で不気味な世界を旅して、ようやく南の大陸へと上陸した。
魔獣も魔王の幹部も手強くなった感じはあったが、ミレーナとツヅリにそんなものは何の意味もない。
ただあしらうだけで、彼らは倒されるのだから。
「………」
しかし、ツヅリは倒した魔獣の数体が奇妙だった事に気づく。
この世界の魔獣は全て何らかの欠陥が生じてきている。
魔王の幹部も例外なくそうだ。
でも、稀に何のバグも起きていない魔獣がいた。
そ実力はこの世界の魔王の幹部よりも低く、大して高くもないのだが、なんの異常も見られないその体はまるでこの世界にやってきた自分たちのようだ。
「…ミレーナ、あの世界を覚えてる?私と同じ万能を持っている同じ異世界出身の皇帝がいた世界」
「あぁ、あの世界か。どうしたんだ急に?」
「…あの時、あの人から誰によって万能の力を得たか聞いてなかったんだ、それが何かも私には分からなかった」
「そう言えばそうだが、別に違う世界のことだし気にする事でもないだろ?それよりもツヅリは魔剣に用があるんだろ、あんな奴のことなんて些細な事に過ぎないんだから忘れよう」
ミレーナはあの皇帝にバカにされた事を未だに根に持っており、その話をあまりしたがらない。
だが、ツヅリは考える。
心の何処かで引っかかっている、何処かの誰かの介入に。
そして、二人は壊れきった魔王城に辿り着く。
道中様々な敵と出くわしたが、そんなのを適当に倒して先へ先へと進む。
最初はミレーナの翼を使って一気に南の大陸まで行こうとしたが、世界のバグが酷く、上空の空間の状態が不安定になっていので諦めた。
ツヅリなら自力でなんとかできるが、ミレーナはそこまで特別な力を持っているわけでもないので、もし巻き込まれたら命が危ない。
だからこそ徒歩のみで攻略に向かう。
2人の目の前に広がる世界はそれほどまでに壊れていた。
人々は普通に暮らしているが、この世界の住人ではない2人には意味の分からない事をしているようにしか見えない。
汚物にしか見えないモノを食料として売る商店。
椅子もないのに座ることが出来る飲食店。
兵士の鎧が全員バラバラで、酷いものは武器すら透明で見えない。
建物もズレていたり、他の建物と混ざり合っている。
そんな世界が普通のように過ごす彼ら、すでに女神の力も及ばないほどに壊れていることがわかる。
「…本当に魔王を倒したところで、この世界は元に戻るのか?」
「それは分からないけど、この世界をおかしくしている魔王をどうにかすれば結果はどうなろうが、世界は先に進める。そのあとはあの女神がなんとかするでしょ」
2人はそんな奇妙で不気味な世界を旅して、ようやく南の大陸へと上陸した。
魔獣も魔王の幹部も手強くなった感じはあったが、ミレーナとツヅリにそんなものは何の意味もない。
ただあしらうだけで、彼らは倒されるのだから。
「………」
しかし、ツヅリは倒した魔獣の数体が奇妙だった事に気づく。
この世界の魔獣は全て何らかの欠陥が生じてきている。
魔王の幹部も例外なくそうだ。
でも、稀に何のバグも起きていない魔獣がいた。
そ実力はこの世界の魔王の幹部よりも低く、大して高くもないのだが、なんの異常も見られないその体はまるでこの世界にやってきた自分たちのようだ。
「…ミレーナ、あの世界を覚えてる?私と同じ万能を持っている同じ異世界出身の皇帝がいた世界」
「あぁ、あの世界か。どうしたんだ急に?」
「…あの時、あの人から誰によって万能の力を得たか聞いてなかったんだ、それが何かも私には分からなかった」
「そう言えばそうだが、別に違う世界のことだし気にする事でもないだろ?それよりもツヅリは魔剣に用があるんだろ、あんな奴のことなんて些細な事に過ぎないんだから忘れよう」
ミレーナはあの皇帝にバカにされた事を未だに根に持っており、その話をあまりしたがらない。
だが、ツヅリは考える。
心の何処かで引っかかっている、何処かの誰かの介入に。
そして、二人は壊れきった魔王城に辿り着く。
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