世界を渡る私のストーリー
英雄紛いの偽物20
全ての話を包み隠さず話したオステ、彼女達はそれに半ば同意する形で世界を救う勇者という役目で旅に出発した。
オステは最初チート武器などをお勧めしたが、それは要らないと言われた。
部屋でディスプレイを眺めながら彼女達の旅を眺めるオステだが、説明した時の2人の反応で不安になったことがあった。
ツヅリは、最初はなぁなぁに聞いていたが、途中から顔つきを変えて必死に話を聞いていた。まるで怒っているかのように、憤りながら私に同意した時は、その気迫だけで女神の私が恐怖を久方ぶりに感じた。
ミレーナの方は話を聞いていてもちんぷんかんぷんだったが、やはりツヅリと同じところで顔が変わった。
まるでその名が求めているものだという、期待が篭った目だった。
自室でそんな回想に耽るオステは、最後の賭けである彼女達に期待を込める。
「魔王を倒して世界を救うって、本当の大事だったんだなぁ…私がまさか助けられるとは…」
オステ自身が始めたくだらない遊び。
今までの経験で、どんなゲームも最短の道に危機など今までなかった。
どうやって"早く"倒せるか、それだけだった。
そこに世界の平和と誰かを救うなどは、ただのイベントにすぎない。
だからこそ、オステは自身がやった事を反省した。
全てを護る女神が、ただの遊びで多くを傷つけることになった事、それは恥ずべき行いだ。
だからこそオステは、彼女達がどうやってあの魔剣を操るリアンを倒すか見届ける。
それしか出来ないから。
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