世界を渡る私のストーリー

鬼怒川 ますず

英雄紛いの偽物15

「なんで、なんで直らないのよ!!」

魔王になって永遠を彷徨うリアンと同じように発狂した人物がいた。
彼女はガンガンと黒いディスプレイの表面に、その焦った顔と同じように真っ赤に腫れ上がった拳を入れる。
その顔はいつもの慈愛に満ちた女神の面影はなく、ただの人間の女が暴れているだけでしかない。
綺麗な部屋、ただ発光しているだけの神の部屋は辺りが散らかっており、それが元は神聖な道具だとは思えないほどに粗末なゴミと化していた。
はぁはぁと息を荒げながら、女神オステはいくつものページが乱雑に挟まったフォルダを取り出すと、そこから次の人物を探し始める。


「誰かいないの!!!誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か!!!!!あの意味分かんねぇクソ女を倒せるようなマジで強いの!!!もうタイムアタックとかやってる場合じゃねぇ!!早くなんとかしねぇと私の世界が消えちまう!!」


女神は必死にページをめくる。
しかし、該当するような人物はおらず、それどころか有力視していた人物は軒並みリアンに殺されてしまっていた。


「クソ!本当に全員クソ!!全部クソゲー!!!」


そう叫んでフォルダを壁にぶつける。
大きな音ともにバラバラに様々な人間の情報が書かれた紙が舞う。
それを見てから女神は力なくその場にへたり込む。
興奮しすぎたせいか、上手く呼吸も出来ない。
神なのに。


「な、なんで…なんでこんな事になるのよ…」

女神は泣きながら頭を抱える。
ここまでの事態に何故なってしまったのか。
そう思い詰める彼女は、つい先日のことのように思い出す。

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