世界を渡る私のストーリー

鬼怒川 ますず

英雄紛いの偽物6

でも、彼らは私を引き渡すどころかパーティーの仲間になれと言い出した。
なんで私が、と言い返したっけか。
そしたら彼が「必要だから」と答えてくれた。
困惑したけど、今後どうするかもわからなかったので私はそれに従って彼らの旅に付き合うことにした。

私はただの盗人から【盗賊】という職業に移った。
そして彼らと一緒に南の未踏の大地を目指した。
パーティー内の編成は
【魔法使い】
【戦士】
【僧侶】
といったメンバーで、彼らはそれこそ熟練の腕を持つもの達ばかりだった。
盗賊団の時は避けてきた魔獣達も、彼らは怯まずに挑み、見事に生き残る。
そして彼、【勇者】と呼ばれた彼はそんな彼らでも苦戦する相手と戦い、ギリギリの勝負の末勝利を勝ち取ってきた。

私はそんな彼らについて行きながら、彼らの動きを真似ながらサポートに徹した。
動く廊下、トラップ、罠や敵の伏兵。
それらを観察することで見破る術も度重なる戦いで培い、一歩後ろから彼らの前に立つようにもなった。
そんな私を妹のように、彼は可愛がってくれた。
それが嬉しくて私はどんどん変わる。
いつも泣いていた口数が少ない私は、いつしか率先して提案を出してみんなを楽しませるパーティーの大切な一員へと変われた。

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