世界を渡る私のストーリー

鬼怒川 ますず

英雄紛いの偽物3

私たちの盗賊団は次に狙う獲物を決めた。
それは、王から任務を承った少数のパーティー。
王から命令を受けて、ここからさらに南の未踏の地へと向かうもの。
彼らはその道中で深い森を抜けなければならないという。
深い森はもちろん私たち盗賊団の縄張りであり、情報屋から聞いた新しい情報だと少数パーティーの頭数は4人。
盗賊団はその20倍のメンバーだ。

王国から直々に命じられたというパーティーなら金品も武器も一流のものに違いない。
無い頭で考え、浅慮ながらもその屈強な肉体とタフさでいくつもの修羅場を潜り抜けた団長は、長年培った従来の襲撃で彼らを襲おうと言って酒を飲む。
酒を飲んで豪快に笑った後に他の者達も卑下た笑いでそれに賛同し、同じように酒を飲んで騒ぎ出す。
私はそれをただ静かに聞いているだけだ。
もう何度も経験したかもしれないそれを。

過去の私を見るのもおかしな話だ。
本当に、私は規格外だと、夢の中でも思う。

襲撃当日。
私たちは3班に分かれて彼らが来るのを待つ。
今か今かと、闇に紛れながらジリジリと標的がここを通るのを待つ。
待つこと‪1時‬間で松明が二つ見えた。
先に1組目が襲撃を行なった。
闇夜からの襲撃に驚いたのか、松明が激しく揺さぶられて動揺しているのがわかった。
そこから野郎どもの雄叫びと幾つもの悲鳴。どうやらこちらも数名やられたようで、被害が大きいかもしれない。
苦戦していると思い次に2班が攻め、より一層激しい音が響く。
そして3班が行こうとしたところで音は止んだ。
松明ももう消えてしまったのか灯りもなく、真っ暗闇になってしまう。

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