世界を渡る私のストーリー

鬼怒川 ますず

無力な万能を持つ支配者20

衛兵達は全員我先にと玉座から出ると、残った3人は顔を合わす。
皇帝は不愉快そうな顔で私を見るが、私は単刀直入に彼に聞いた。

「…さて、あなたはこの世界ではない所から来たのは間違ってないかしら?」

「…間違いはない、昔のことだからもう薄れたが、俺は確かに死んでからここに来た。んで俺の正体を知っているお前はなんだ?神の使いじゃないのか?」

「あなたとは立場が違うけど、同じくくりでいうなら異世界転生者よ。そして異世界転移をして旅をしている」

「ほぉ…俺と同じ異世界転生者か…生まれた時代も世界が同じかは知らんが、同じ境遇と言うのなら俺はお前を歓迎しよう。ようこそ、俺の世界へ」

そう言って皇帝は私を歓迎するかのように腕を広げるが、私はそれを無視してその場から彼に言った。

「どうしてこんなことをしたの?」

こんなこと。
その質問の意味を皇帝は分かっているはずだ。
しかし、皇帝はその質問には答えたくないかのように顔を逸らした。

「こんなことか…そうだよな、知らない奴が見たらこんな事なんだろうよ…クソが」

「…どうやら狂気に陥ったとかってわけではないようね」

「はっ!狂気に陥ったか! 確かに俺は狂っているんだろうが、この世界で右往左往する人間の言うことが真実とは限らんだろう」

「それはどう言う意味かしら?」

私のその問いには皇帝は答えてくれた。
虚ろな目で、まるで未だにその地獄から逃げられないような目で、私のことを見ながら。

「…少し長くなるが話してやるよ。この世界のこととその上に立つ忌々しい奴のことを」

そう言って皇帝は語ってくれた。
この世界にきてからのこと、そして神のことを。

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