世界を渡る私のストーリー
無力な万能を持つ支配者4
俺はそれから人間側の軍隊に入った。
体力や肉体作りは路地裏のルールというやつで養い、下地もある上で入隊したので俺の見てくれは悪いが中身は屈強に出来ている。
もちろん訓練はハードではあったが、とにかくついていくことができた。
軍の武器は俺の世界とは少し遅れたデザインで、変わった仕様のものばかりだった。
しかし、多種族間の戦争で培った戦術や対処法の応用で1発1発が必殺の武器とかしている。
もちろん相手も同じ数だけ技術力をあげている。
軍隊に入って直後に詳しい戦況も聞けた。
同盟国である獣人族とエルフ族の二国の補助を持って人間はこの戦争を維持し続けているらしく、後方支援と援助をする代わり戦争を人間が行うという関係だった。
しかし、最近の戦況が芳しくないことに人間を打ち捨てるような考えが出始めている。
そうなれば人間の終わり。
だからこそ俺は必死に戦線に立った。
最初の戦地、ゴブリン・オーク・海人族が手を組んで総攻撃を仕掛けた戦地。
おそらく最初からハードモードだった。
仲良くなった仲間は全員死に、俺は必死に逃げながら敵を殺し続けた。
敗北、それが意味するのは3種族の侵攻。
それを阻止しなければならない。
でも俺は動けなかった。
ガタガタと、あの襲撃の時のように震えてしまい立つことすらできない。
頭がおかしくなりそうだった。
もう無理だった。
誓いなんて捨ててしまおうと思った。
「若者がその勇気を振り絞り奮い立つその姿、なんとも健気で若さ特有の可愛さと青臭さがある。しかし、所詮は虚勢よな」
声が聞こえた。
仲間もいなくなった場所で、少なくなった兵士も疲弊して休んでいるのにこんなしゃがれた声の人間なんているはずない。
俺は最初は幻聴だと思った。
頭がおかしくなったと思って俺は答えた。
「あぁ…そりゃそうだ。俺なんてクソみたいな学歴と職歴の女誑しの馬鹿で青臭い芋みたいな男なんだぞ!そんな人間がどうしてこんな分けのワカンねぇ戦争に巻き込まれなきゃいけないんだ!!どうして俺はこんなところで銃なんて持って戦ってんだよ! 俺は日本でただ静かに…好きなことして過ごしたいだけだったのに…逃げてぇよ…逃げて生きてぇよ……」
俺の心中の叫びに、声は答える。
「…そうか、自身が底辺だという自覚があるのか。我が身可愛さで逃げ続ける兵士にもなれない屑か……カカカ、なんとも面白みのある道化か。ワシならば守るために戦線に出て散るか、腹を掻っ捌いて死ぬのに、貴様は戦いや自決でも死にたくないようだな!それでこそ人間だ!カカカカカカカカ!!」
「な、なんだよ…これって幻聴じゃ…」
「幻聴かと言われれば否。ワシは迷う求道者に大きな助言を与え、莫大な力を与える者だ。貴様のその心意気が人間らしいとワシは思うた、多くを恨み、自らを生き返らせた神ですら恨むその姿勢は立派で、そうでなくては人という獣を名乗れん。闘争を否定せずに自らで止めぬ無能な神や、この闘争で神の存在をまだ信じて疑わん無知蒙昧な衆愚も、その全てを打ち壊すだけの権利が貴様にはある」
声は淡々と、俺に問いかけた。
もちろん、頭の方は追いついてこれず。
ただ聞こえる文面の様なものだけで何が言いたいか分かった。
俺は、声に願っていた。
「…俺に力をくれ、この世界で生き抜くための、とんでもなく都合がいいものを」
「よろしい、見返りはこの世界の神の否定で手を打とう」
たったそれだけで、俺はどんな征服者ですら恐れる存在に変わった。
今までの苦労が馬鹿みたいに消えて、今まで以上に自信が持てた。
俺はそれで高笑いして、今までが無駄になって泣いた。
体力や肉体作りは路地裏のルールというやつで養い、下地もある上で入隊したので俺の見てくれは悪いが中身は屈強に出来ている。
もちろん訓練はハードではあったが、とにかくついていくことができた。
軍の武器は俺の世界とは少し遅れたデザインで、変わった仕様のものばかりだった。
しかし、多種族間の戦争で培った戦術や対処法の応用で1発1発が必殺の武器とかしている。
もちろん相手も同じ数だけ技術力をあげている。
軍隊に入って直後に詳しい戦況も聞けた。
同盟国である獣人族とエルフ族の二国の補助を持って人間はこの戦争を維持し続けているらしく、後方支援と援助をする代わり戦争を人間が行うという関係だった。
しかし、最近の戦況が芳しくないことに人間を打ち捨てるような考えが出始めている。
そうなれば人間の終わり。
だからこそ俺は必死に戦線に立った。
最初の戦地、ゴブリン・オーク・海人族が手を組んで総攻撃を仕掛けた戦地。
おそらく最初からハードモードだった。
仲良くなった仲間は全員死に、俺は必死に逃げながら敵を殺し続けた。
敗北、それが意味するのは3種族の侵攻。
それを阻止しなければならない。
でも俺は動けなかった。
ガタガタと、あの襲撃の時のように震えてしまい立つことすらできない。
頭がおかしくなりそうだった。
もう無理だった。
誓いなんて捨ててしまおうと思った。
「若者がその勇気を振り絞り奮い立つその姿、なんとも健気で若さ特有の可愛さと青臭さがある。しかし、所詮は虚勢よな」
声が聞こえた。
仲間もいなくなった場所で、少なくなった兵士も疲弊して休んでいるのにこんなしゃがれた声の人間なんているはずない。
俺は最初は幻聴だと思った。
頭がおかしくなったと思って俺は答えた。
「あぁ…そりゃそうだ。俺なんてクソみたいな学歴と職歴の女誑しの馬鹿で青臭い芋みたいな男なんだぞ!そんな人間がどうしてこんな分けのワカンねぇ戦争に巻き込まれなきゃいけないんだ!!どうして俺はこんなところで銃なんて持って戦ってんだよ! 俺は日本でただ静かに…好きなことして過ごしたいだけだったのに…逃げてぇよ…逃げて生きてぇよ……」
俺の心中の叫びに、声は答える。
「…そうか、自身が底辺だという自覚があるのか。我が身可愛さで逃げ続ける兵士にもなれない屑か……カカカ、なんとも面白みのある道化か。ワシならば守るために戦線に出て散るか、腹を掻っ捌いて死ぬのに、貴様は戦いや自決でも死にたくないようだな!それでこそ人間だ!カカカカカカカカ!!」
「な、なんだよ…これって幻聴じゃ…」
「幻聴かと言われれば否。ワシは迷う求道者に大きな助言を与え、莫大な力を与える者だ。貴様のその心意気が人間らしいとワシは思うた、多くを恨み、自らを生き返らせた神ですら恨むその姿勢は立派で、そうでなくては人という獣を名乗れん。闘争を否定せずに自らで止めぬ無能な神や、この闘争で神の存在をまだ信じて疑わん無知蒙昧な衆愚も、その全てを打ち壊すだけの権利が貴様にはある」
声は淡々と、俺に問いかけた。
もちろん、頭の方は追いついてこれず。
ただ聞こえる文面の様なものだけで何が言いたいか分かった。
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