お母さんは女神です

緑茶

6.僕らの出会い

僕視点です。




目を開けると、そこには3人の僕の同じくらいの年の男の子達がいた。僕は、ゆっくりと上半身をもたげ立ち上がった。頭ががんがんする。ぼやける視界で辺りを見回す。

辺りには何も無い、白い空間が広がっている。まるで、僕が生前いた病室の様だ。僕らは、全員同じような服を何故か着ていた。胸のことろに不思議な幾何学的な模様が描かれている、空色の服だ。

すると、そのうちの一人が、眠たげな灰色の目ををよりいっそう細めながら僕に近づいてきた。視界がハッキリしてきたことで、彼の容姿もはっきり見える。瞳と同じ、灰色の髪が至る所で跳ねている。

「やっと起きたぁー?」

やけに間延びし声だ。でも、これがこれくらいの年齢の話し方なのかもしれない。でも、この子達はなぜ僕と同じところにいるんだろう。
僕は確か死んで…。そう、それで僕は…。あれ?僕はなんで立っているんだ?立てなかったはずなのに。

眠たそうな子が僕に気付いたことで、他のふたりも僕に気づいた様で、近づいて来た。

「やっほー!元気ー?」

赤い瞳の子が、大きな声で言った。いや、大きすぎる声と言うべきか。耳が痛い。が、そんなことも僕には新鮮に感じた。くせっ毛なのか、寝癖なのか、あちこち跳ねている黒髪の毛を手に絡ませている。

「うるさい。静かにしてくれない?」

その子は、神秘的な紫色の瞳をしていた。グレーの髪の毛が腰あたりまであった。僕が見た男の人の中でも一番長い。さらさらと髪を揺らしながら、グレーの髪の毛の子も近づいてきた。ちょっと触ってみたいな…。

「まぁまぁ、喧嘩は良くないよぉー?」

灰色の目の男の子がゆっくり喋る。やっぱりこの喋り方をする人は、彼だけみたいだ。他の二人はしていないし、病院に来る人もしていなかった。

「そうですよ、喧嘩はよしなさい。」

僕が、病院の事を思い出していると、凛とした声が響いた。もう一人いたのかな?と思い、辺りを見回すが誰もいない。その声は言った。

「貴方達、よく聞きなさい。貴方達は、それぞれの世界の神に選ばれました。」

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